ボツリヌス菌のC2毒素とは? わかりやすく解説

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ボツリヌス菌のC2毒素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 01:54 UTC 版)

二成分毒素」の記事における「ボツリヌス菌のC2毒素」の解説

ボツリヌス菌土壌河川湖畔存在するクロストリジウム属細菌である。神経毒であるボツリヌス毒素知られている。ボツリヌス毒素コリン作動性末梢神経作用しアセチルコリン遊離阻害することにより麻痺引き起こしボツリヌス症起こすボツリヌス毒素抗原性基づいてA~Hの8型に分類されてる。ヒトボツリヌス症原因となるのはA、B、E、FでありアメリカではA型ヨーロッパ大半ではB型北ヨーロッパ一部日本ではE型が多い。C型D型反芻動物ウシヒツジ)のボツリヌス症原因となる。抗原には違いがあるがボツリヌス毒素薬理学的には同一である。破傷風テタノスパスミン同様に菌体内で産出され毒素は死自己融解によって培養液中に放出されるボツリヌス毒素分子量約150kDaであり種々のサイズ無毒成分結合した複合体の形で産出される複合体毒素分子量違いによってLL毒素分子量90)、L毒素分子量50)。M毒素分子量30)にわけられる無毒成分は胃を通過するときに毒素胃液から保護し小腸からの吸収効率高め働きをする。分子量約150kDaのボツリヌス毒素蛋白質分解酵素によりN末端より約50kDaのところに切れ目が入ることにより活性化される分子量約150kDaのボツリヌス毒素1本鎖合成された後、重鎖軽鎖とがジスルフィド結合した2本鎖タンパクとして存在するボツリヌス毒素主として重鎖C末端側を使って神経細胞膜結合しbinding)、細胞内取り込まれたあと重鎖N末端側が軽鎖細胞質内に移行させ(translocation)、細胞質内を移動した軽鎖酵素として基質作用するcatalysis)。これによって神経伝達物質放出阻害する運動神経終末においてはアセチルコリン放出阻害されることで神経筋伝達失われ筋の麻痺生じる。 ボツリヌス毒素C型毒素C1C2、C3型に分類され、他の毒素型ボツリヌス毒素と同じ作用機序を示すのはC1毒素だけである。そのためC2毒素やC3毒素ボツリヌス毒素ではない。C2毒素ボツリヌスC型およびD型産出する毒素である。C2毒素ではC2ⅠがA成分でありC2がB成分である。ボツリヌス神経毒素とは構造および生物活性が全く異なる。C2毒素水鳥の腸炎原因として知られているが、それ以外生物でも肺や消化管での血管透過性亢進などの毒性知られている。ウェルシュ菌ι毒素は非筋肉のβ/γアクチンだけではなく骨格筋アクチン修飾するC2毒素骨格筋アクチン修飾しない。トリプシンによってC2活性型C2Ⅱaとなりオリゴマー形成する細胞膜上の受容体結合しC2Ⅰと複合体形成しエンドサイトーシス機序細胞内取り込まれるエンドソーム内のpHが下がることでC2Ⅱaオリゴマーpore形成をしてC2Ⅰが細胞質内に遊離しアクチンADPリボシル化する。C2ウェルシュ菌ι毒素のB成分であるIb全体では39.0%相同性がある。Ib同様に4つドメイン構造からなるドメイン1(1-82)が酵素成分との結合ドメイン2(82-308)が膜侵入領域ドメイン3(308-410)がオリゴマー形成ドメイン4(410-539)が細胞への結合関与している。ドメイン4はウェルシュ菌ι毒素1次構造相同性がない。そのため異な受容体作用する考えられている。 C2結合する受容体はNアセチルガラクトサミンやNアセチルグリコサミン、Lフコースガラクトースマンノースといった糖鎖結合したグルコプロテインと考えられている。C2多くの種の多く細胞エンドサイトーシスされる。しかしRK14という糖転移酵素であるGlcNAc-TⅠが欠損し細胞には取り込まれないことが知られている。

※この「ボツリヌス菌のC2毒素」の解説は、「二成分毒素」の解説の一部です。
「ボツリヌス菌のC2毒素」を含む「二成分毒素」の記事については、「二成分毒素」の概要を参照ください。

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