ブレークスルーとキャリアアップ(2000–2002)
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「プリーティ・ジンタ」の記事における「ブレークスルーとキャリアアップ(2000–2002)」の解説
2000年にジンタが出演したドラマ映画『Kya Kehna』は、予想に反して興行的に大成功を収めた。一人親家庭や十代の妊娠をテーマにしたこの作品によって、ジンタは映画評論家だけでなく一般の人々にも広く知られるようになる。ジンタは社会の偏見と闘う十代のシングルマザー、プリヤー・バクシーの役を演じ、フィルムフェア賞の主演女優賞への初ノミネートをはじめ、数々の賞にノミネートされた。インディア・トゥデイ誌のアヌパマ・チョプラーは、ジンタが役の固定観念から脱却した新しいタイプのヒンディー語映画俳優であると評した。この年、ロマンティック・コメディ映画『Har Dil Jo Pyar Karega』で主演を務めたジンタは、さらに高い評価を受けた。続いてヴィドゥ・ヴィノード・チョプラー監督の『アルターフ 復讐の名のもとに Mission Kashmir』(2000年)に出演し、サンジャイ・ダット、リティク・ローシャンと共演した。インドとパキスタンの紛争が続くカシミール地方を舞台に、テロリズムと罪をテーマにしたこの作品は、インドでその年に公開された映画の中で3番目に高い興行収入を記録するなど商業的にも成功を収めた。ジンタが演じたのは、ローシャンの幼少期の恋人である、テレビレポーターのスフィヤ・パルヴェーズ役である。『ザ・ヒンドゥー』紙のレビューでは、「ともすればシリアスすぎる状況に彩りを与えている」と評され、ジンタ自身も、暗い映画の中でポジティブな性格を持つこの役柄に興味を持ったと、同様の感想を述べている。 2001年、ジンタはアクション映画『Farz』でサニー・ディオル(英語版)とペアを組んだ。しかし彼女の役は批評家に否定され、この映画は商業的にも失敗した。 アッバス=ムスタン(英語版)の家族ドラマ『Chori Chori Chupke Chupke』(2001年)は、プロデューサーのバーラット・シャーの裁判のために1年遅れで同年末に公開され、幅広い層に公開された。代理出産というコントロバーシャルな問題を取り上げた最初のヒンディー語映画の1つであるこの作品では、ジンタが代理母として雇われた「高潔な心の娼婦」("golden-hearted prostitute"、または "hooker with a heart of gold" など。直訳では「黄金の心を持った娼婦」。「隠れた誠実さや優しさを持つ娼婦・セックスワーカー」という典型的な役柄、ストックキャラクターの一類型)であるマドゥバラを演じている。当初ジンタはこの役に消極的だったが、監督の説得により引き受け、準備のためにムンバイの風俗街にあるバーやナイトクラブを訪れ、セックスワーカーの言葉遣いや癖を研究したという。映画自体の評価は様々だったが、批評家はジンタを名指しで賞賛した。この役によって、フィルムフェア賞で2度目の助演女優賞にノミネートされた。その際に選考委員のスカンヤ・ヴァーマは「プリ―ティ・ジンタは、全体の中で明らかに最も中身のある役柄を演じているが、それを最大限に生かしきっている。生意気で臆面もない娼婦から繊細で温かい人間へと変貌していく様は、驚くほど真実味を帯びている」と書いている。 2001年にはこのほかに『Dil Chahta Hai』と『Yeh Raaste Hain Pyaar Ke』の2本がジンタの出演作として公開された。インドの裕福な若者の現代的な日常生活を描いたファルハーン・アクタル(英語版)の青春映画『Dil Chahta Hai』は、現代のムンバイという都会を舞台に、3人の若い友人どうし(アーミル・カーン、サイーフ・アリー・カーン、アクシャイ・カンナ(英語版))の、人生の転換期に焦点を当てている。ジンタは、アーミル・カーンの恋の相手役、愛していない男性との結婚を控えて葛藤を抱くシャリーニを演じた。『Dil Chahta Hai』は批評家の間でも人気が高く、インドの若者のリアルな描写を取り入れて新たな境地を開いたという評価もあった。本作はナショナル・フィルム・アワードで最優秀長編映画賞、フィルムフェア賞では批評家賞の作品賞を受賞した。一方国内での興行成績は中程度で、大都市では好調だったが地方では伸び悩んだ。この原因については、この映画が都会志向のライフスタイルを描写しているためだという分析がある。ディネーシュ・ラヘージャ(英語版)はジンタの「カジュアルで魅力的な演技」に注目し、シタ・メノン(英語版)は「美しく生き生きとしていて、愛らしい純真さと混乱の間を揺れ動く」と評した。Deepak Shivdasani監督の恋愛映画『Yeh Raaste Hain Pyaar Ke』ではアジャイ・デーヴガン、マドゥリ・ディークシットと共演したが、興行成績は伸びず、批評家からも不評に終わった。 2002年、ジンタはクンダン・シャー監督と再び組み、ファミリー・ドラマ映画『Dil Hai Tumhaara』の主人公を演じた。本作ではレカー(英語版)、マヒマー・チョードリー(英語版)、アルジュン・ラームパールと共演した。愛を求める養女Shaluを演じ、その反抗的な性格に自分を重ね合わせた。スター街道に乗るジンタのための映画と謳われた『Dil Hai Tumhaara』は興行収入的にはヒットしなかったが、ジンタの演技は批評家から一様に高く評価され、映画自体に対して批判的な批評家でさえ彼女の存在をこの映画最大のハイライトであるとしている。エンターテインメント・ポータルサイト「ボリウッド・ハンガマ」の タラン・アダルシュは次のように述べている。「……プリ―ティ・ジンタは、脚本の後押しを受けた役柄で……見事な演技で人気をさらっている……業界のお偉方や批評家たちに心の底から称賛されること間違いなしのパフォーマンスである」。
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