ナショナル・フィルム・アワードとは? わかりやすく解説

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国家映画賞

(ナショナル・フィルム・アワード から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/04 02:04 UTC 版)

国家映画賞
授賞式が開催されるコンベンション・センターヴィギャン・バワン英語版
受賞対象 優秀なインド映画
会場 ニューデリー
インド
主催 インド国立映画開発公社
初回 1954年10月10日 (70年前) (1954-10-10)
最新回 2024年10月8日 (6か月前) (2024-10-08)
公式サイト dff.nic.in

国家映画賞 (こっかえいがしょう、英語: National Film Awards) はインド国際映画祭において発表される、インド映画界における最大規模の映画賞である。

概要

1954年に設立された。1973年以降はインド国際映画祭とともに、インド政府映画祭事務局によって管理されていたが[1][2]、2023年以降は同局の機能を引き継いだインド国立映画開発公社が管理している[3]

毎年、映画祭選考委員会推薦の映画と、一般エントリーにおいて選考を勝ち上がった映画がニューデリーインド大統領により開催される本選考に進むことができる。本選考に進んだ映画は表彰式の場となるインド国際映画祭において一般公開される。前年度にインド映画を含む世界中で作成された映画が選考対象となる。また、インド国内の映画については、各州の最優秀賞を獲得した映画とインド国内の言語別最優秀賞を獲得した映画がエントリーされる。選考対象となる映画数、映画賞の多さにより、国家映画賞はアメリカ合衆国の映画賞であるアカデミー賞と同等の価値のある賞であるとみなされている[4][5]

審査方法

現在、国家映画賞には長編映画部門と非長編映画部門(短編やドキュメンタリーなど)という2つの主要映画賞部門がある。長編映画部門の推薦委員会は2009年にラーフル・ドラキアブッダデーブ・ダースグプタなどを含む13人の委員によって発足した。非長編部門の選考委員会はビクラム・シンガを含む5人の委員によって構成されている[6]。選考委員会は映画祭事務局によって任命されるが、インド政府や映画祭事務局は選考過程には関与しない。選考委員会による選考に関しては毎年厳しい批判がある。長編映画部門、非長編映画部門あわせて毎年100を超える映画がインド国内外から国家映画賞にエントリーされる。

選考ルールは毎年変更され、ナショナル・フィルム・アワード・レギュレーションという文書として公開される。レギュレーションの内容は多岐にわたり、特にインド国内の映画会社や映画監督の作品に関しては非常に多くの規定が存在する[7]。エントリーする映画はインド国内で撮影、制作する必要があり、外国の映画会社との共同制作映画の場合は選考へのエントリーにあたって6つの基準をクリアする必要がある[7]。また、エントリーの際には前年の1月1日から12月31日までに中央映画認証委員会に申請する必要がある。申請の認可が降りた場合、長編映画選考委員会により、長編映画部門と非長編映画部門どちらでエントリーされるかが決定される。この部門の映画分類方法に関してもナショナル・フィルム・アワード・レギュレーションで定義されている[7]

賞は大きく分けて、長編映画部門、非長編映画部門、映画批評部門の3つの部門から構成されている。長編映画部門と非長編映画部門では映画の芸術性、技術性、インド各州の独自文化の表現性、国家団結の表現性などが評価対象となる。映画批評部門では新聞やテレビ、映画専門誌などのメディアや映画研究における批評の的確さ、映画の宣伝普及への貢献度によって評価される[8]

また、インド映画の父と呼ばれるダーダーサーヘブ・パールケーにちなんだダーダーサーヘブ・パールケー賞という特別賞があり、インド映画発展に貢献した人物に贈られる[8][9]

国家映画賞受賞者にはメダルと賞金、表彰状が授与される。長編映画部門の6つのカテゴリ、非長編映画部門と映画批評部門それぞれの2つのカテゴリには金蓮賞(Swarna Kamal、英語: Golden Lotus)が贈られ、その他のカテゴリーには銀蓮賞(Rajat Kamal、英語: Silver Lotus)が贈られる[8]

特別功労賞 (Lifetime Achievement Award)

長編映画部門 (Feature Film Awards)

金蓮賞 (Swarna Kamal)

銀蓮賞 (Rajat Kamal)

インド憲法の憲法第8附則でインドの公用語とされている言語で制作された長編映画賞:

インド憲法の憲法第8附則でインドの公用語とはされていない言語で制作された長編映画賞:

現在は廃止された賞

非長編映画部門 (Non-Feature Film Awards)

金蓮賞 (Swarna Kamal)

銀蓮賞 (Rajat Kamal)

現在は廃止された賞

映画批評部門 (Writing on Cinema)

金蓮賞 (Swarna Kamal)

脚注

  1. ^ Official site Directorate of Film Festivals
  2. ^ Film Festival Archived 2008年6月17日, at the Wayback Machine.
  3. ^ Govt merges Films Division, DFF, NFAI, CFSI with NFDC”. The Economic Times (2022年3月30日). 2024年7月20日閲覧。
  4. ^ National Film Awards (India's Oscars)”. Film Movement. 2012年11月10日閲覧。
  5. ^ We have lots to give the West: Rahman”. The Hindu (2009年2月20日). 2012年11月10日閲覧。
  6. ^ Directorate of Film Festivals, Ministry of Information & Broadcasting-54th National Film Awards”. 2012年11月10日閲覧。
  7. ^ a b c 55th National Film Awards Regulations. Eligibility. Pages 2–3.
  8. ^ a b c "59th National Film Awards: Regulations" (PDF) (Press release). Directorate of Film Festivals. p. 2,4,12,14,22,24,25,30. 2012年11月10日閲覧
  9. ^ Dadasaheb Phalke Award Past Recipients”. Directorate of Film Festivals. 2012年11月10日閲覧。

参考資料

  • Matthew, K.M. (2006), Manorama Yearbook 2006, Malayala Manorama, India, ISBN 81-89004-07-7 

関連項目

  • 廃止または断続的に発表される国家映画賞の賞英語版

外部リンク


ナショナル・フィルム・アワード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 07:56 UTC 版)

ドーグリー語映画」の記事における「ナショナル・フィルム・アワード」の解説

ナショナル・フィルム・アワードにはインド憲法第8附則定められ公用語製作され映画表彰する長編映画賞があり、その中には最優秀ドーグリー語長編映画賞(英語版)も含まれている。同賞を受賞したドーグリー語映画は、第59回ナショナル・フィルム・アワード(英語版)で選出されたランジーヴ・ラタンの監督作品『Dille Ch Vasya Koi』のみである。

※この「ナショナル・フィルム・アワード」の解説は、「ドーグリー語映画」の解説の一部です。
「ナショナル・フィルム・アワード」を含む「ドーグリー語映画」の記事については、「ドーグリー語映画」の概要を参照ください。

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