テートの構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 17:44 UTC 版)
テートはイギリス政府の文化・メディア・スポーツ省に属する外郭公共団体(Non-departmental public body、非省公共団体とも、非政府部門公共機構とも)に位置づけられている。ロンドンに2つ、地方に2つの館があり独自の企画展も行っている。またインターネット上のサイトも、各館と同等の事業とみなされている。 テートはミルバンクのテート・ブリテンに本部を置き、評議委員会のもと管理され、キュレーター、保存・修復技術者、展示・保管技術者、調査部門、総務部門、教育活動部門、対企業活動部門のほか、雑誌や美術書を発行する出版社なども抱えている。文化・メディア・スポーツ省の資金のほか、各種の基金などからの寄付で運営されている。 テート・ブリテン 1500年代、テューダー朝以降現代に至るまでの、絵画を中心としたイギリス美術を時代順に展示する。従来のミルバンク地区の建物を改修して使用。テート・ブリテンの最大の特色は、ラファエル前派などヴィクトリア朝時代の名品もさることながら、J.M.W.ターナー自身から寄贈された彼の初期から晩年までの充実した作品群の展示である。これはクロア・ギャラリーに常設展示されている。また毎年テートが主催する「ターナー賞」展の会場となっている。1897年開設、2001年再開館。 テート・モダン 20世紀以降の国内外の美術・デザインを、時代をシャッフルさせて「人物」「風景」などテーマごとに展示。テート・モダンは当初新築も考えられたが、予算と適当な場所がなく計画が難航していたところ、シティからはテムズ川の対岸にあたる、荒廃したサザーク区に建っていた、旧バンクサイド発電所の巨大な建物を改修して再利用する案が通り、スイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計により2000年に開館した。 なお、19世紀以前の国内外(西洋)の美術はナショナル・ギャラリーが、19世紀以前の西欧以外の美術品はヴィクトリア&アルバート美術館や大英博物館が担当し、イギリスの20世紀美術についてはテート・ブリテンとテート・モダンの両方で展示されることになる。 テート・ブリテンとテート・モダンの両館の間は、「Tate to Tate service」と呼ばれる船便が、テムズ川を用いて頻繁にシャトル運行している。また定期船も両美術館前の船着場を通っている。 テート・リバプール サー・ヘンリー・テートゆかりの地、リバプールの港湾にあるアルバート・ドックの古い倉庫建物を再開発し1988年開設。地元住民や専門家に対する教育企画、特に子供たちがテート・コレクションの中から作品を選びカタログなども作る展覧会作成企画『ヤング・テート』がユニークなものである。 テート・セント・アイヴス 南部コーンウォール半島のリゾート地でアーティスト村だった港町セント・アイヴスに1993年開設。この地で制作したバーバラ・ヘップワース、ベン・ニコルソンら、この地を訪れたモンドリアンやナウム・ガボらの作品を中心に展示。近隣のバーバラ・ヘップワースのアトリエや彫刻庭園も管理している。 テート・オンライン テートのウェブサイト。来館できない世界中の人々に対し活動や所蔵品、研究成果を紹介するほか、インターネットアートなどの紹介や企画も行うもので、テート五番目のギャラリーと位置づけられる。1998年開設。
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