ステーションキャラクター起用までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 18:24 UTC 版)
「らいよんチャン」の記事における「ステーションキャラクター起用までの経緯」の解説
関西地方の民放テレビ局では、毎日放送が本社屋を現在地(大阪市北区茶屋町)へ移転した1990年から「エムぞう」というステーションキャラクターを登場させたことを皮切りに、関西テレビが「ハチエモン」(1995年から使用中)、讀賣テレビが「テレビヤン」(2000年から2008年まで使用)、旧法人時代の朝日放送が「キュキュ」(開局50周年を迎えた2001年3月から2015年6月14日まで使用)、テレビ大阪が「たこるくん」(2002年から使用中)といったキャラクターを相次いで誕生させていた。もっとも、毎日放送では『ちちんぷいぷい』の放送開始(1999年10月)を機に、同番組のメインキャラクターである「ぷいぷいさん」が事実上ステーションキャラクターを兼ねていた。 その一方で、MBSテレビの番組宣伝業務を担う毎日放送本社PR部では、(ラジオを含めて)同局の番組にレギュラーで出演していたタレント(河内家菊水丸、オセロ、かつみ♥さゆりなど)や同局のアナウンサー(増田一樹、関岡香、三上智恵、加藤康裕、八木早希など)を代々登場させてきた番宣番組(かつての番組名は『チャンネルメイト』)のリニューアルを計画。わずか1分間の番組ながら常に新しい企画が求められていることを背景に、PR部員の下谷敢が、番組宣伝向けのマスコットキャラクターとして「らいよんチャン」を考案した。下谷は、「視聴者に対して『(MBSの)番組をぜひ見て下さい』『(MBSの番組を)お楽しみに!』と勧めるより、『見たければ見れば?』と割り切れるほど醒めた目線と、勧める気のなさそうな姿勢で接した方が面白い」という意識をかねてから持っていたことを背景に、「顔がいつも眠たそう」というライオンの絵コンテを自ら作成。さらに、『らいよんチャンネル』の放送開始当初は、トーケンズのヒット曲として知られる「ライオンは寝ている」(The Lion Sleeps Tonight)を「らいよんチャンのイメージと重なる」という理由でBGMに採用した。「らいよんチャン」の考案は窮余の一策で、『たこるTV』(テレビ大阪の番宣番組)で当時から流れているアニメーション映像(「たこるくん」が両腕を下ろしたまま水平方向に振りながら左右に何度も往復する映像)や、2002年9月からテレビCMなどで人気を博していた「NOVAうさぎ」(株式会社NOVAが旧法人時代から使用しているコーポレートキャラクター)がヒントになったとされる。 「らいよんチャン」の転機になったのは、デビュー翌年の2004年から2008年まで、毎日放送が毎年夏に大阪城公園で「オーサカキング」というイベントを開催したことである。同局では、「らいよんチャン」とライオン・キング(劇団四季による日本語版ミュージカルの大阪公演を事業局が後援)をベースに、開催2年目の2005年から「らいよんキング」というマスコットキャラクターを設定(肩書は「オーサカキング宣伝隊長」)。「らいよんキング」は、「らいよんチャン」に王冠と王様風の衣装と(「オーサカキング=Osaka King」にちなんでアルファベットの「OK」をかたどった)髭を加えただけながら、子どもたちやオーサカキングの来場者を中心に大きな人気を博した。この人気を受けて、「『らいよんチャン』自体をオーサカキングのメインキャラクターに据えてしまおう」という機運が局内で高まったため、2008年の開催分では「らいよんチャン」を前面に押し出す方針に変更(公式マスコットキャラクターは金魚がベースの「オーサカキンギョ」)。オーサカキング自体はこの年で終了したものの、「ぷいぷいさん」が事実上ステーションキャラクターの役割を兼ねていたこともあって、2009年頃からは「らいよんチャン」をステーションキャラクターに起用している(初代キャラクターの「エムぞう」は自然消滅)。 前述したように、毎日放送の社内では「社員」として扱われているため、登場10年目の2013年には入社式で「10年勤続表彰」を受けた。 考案者の下谷は男性で、考案後もPR部に籍を置きながら、「プロデューサー」という肩書で2020年の途中まで「らいよんチャン」関連の業務を担っていた。同年の途中から女性部員の水野愛美が下谷からプロデューサー職を引き継いだことを機に、かわいい一面を前面に押し出した企画を新たに進めている。
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