ジャン=フランソワ・コワニェとは? わかりやすく解説

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ジャン=フランソワ・コワニェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 08:51 UTC 版)

サン=テティエンヌ国立高等鉱業学校」の記事における「ジャン=フランソワ・コワニェ」の解説

1855年サン=テティエンヌ坑夫学校卒業したジャン・フランシスク・コワニエは、幕末の動乱終末迎えた1867年来日し薩摩藩命により1年間薩摩大隅日向の3国の鉱産地を見学した翌年1868年明治維新迎えた。コワニェは明治新政府お雇い外国人第1号となって生野銀山技師長として赴任した明治新政府とコワニェの間で交わされ雇用契約書残されている。その頃生野銀山衰退していた。これは、江戸時代排水通風技術では、全ての坑道作業中断せざるを得ないところまで堀尽くされたためだった。コワニェは当初銅鉱石開発提案した。しかし、鉱床調査および各地鉱石分析した結果それまで金銀分離技術問題があることが判明した金品位の高い鉱石の発見により、コワニェは採掘計画から金銀変更した。コワニェは生野銀山近代化とともに生野鉱山技術者養成したり、生野から飾磨までの道路改修して馬車道新設したり、飾磨港工事行ったりした。彼の生野鉱山での810間に、フランスから地質家、鉱山技師サン=ティエンヌ坑夫学校出身者2名;セヴォス、オーシェ)、坑夫医師らを呼び寄せた。その総数24名に達した。コワニェは日本滞在各地鉱山調査併せて行い1874年に「日本鉱物資源に関する覚書」(Notes sur la richesse minérale du Japon)を著した。これは日本地質大観した最初記述であろうとされている。この論文日本地質構造概要日本鉱業現状日本古来採鉱冶金法の概説3章から構成され、実に多方面にわたり、彼の理論述べている。鹿児島については、薩摩藩滞在中の観察にもとづく、山ヶ野・芹野・神殿・鹿篭錫山などの記載や、野間岬の海百合石灰岩記載まである。コワニェは教育面重視し、「仏国の鉱学教師をして生徒訓導せしめ、生野鉱山修学実験所となし、人材の輩出を俟たば、事業興隆すべし」と建議した。こうして1869年明治2年生野鉱山修学実験所(後の生野鉱山学校)が開設され、コワニェら教授職兼任となった。彼は鉱山地質家としても優れており、伊予別子銅山大和天和銅山など各地調査にも当たったまた、鹿児島付近では穿孔性の貝化石を含む凝灰岩層海抜40mも高いところにある事実指摘し隆起運動論じたその後1876年明治9年)夏には工部省鉱山寮の命により、秋田県阿仁鉱山院内鉱山など東北北海道鉱山調査行った日本去ったコワニェは1877年フランス帰ったが、フランスで活躍する機会与えられなかった。晩年病弱になったコワニェリヨン、そしてイゼール県と居を移し、サンテテティエンヌで1902年6月18日亡くなった彼の亡骸はサンテテティエンヌに埋葬されたが、後にリヨン隣接するブロン市にあるマリー・コワニェの実家シスレー家の墓に移された。コワニエニェ後、子もなく一人になったマリー・コワニェは実家のあるリヨン戻ったマリー1924年亡くなるまで、20年以上もリヨン暮らした。彼女は生野での懐かし日々シスレー家の幼い子たち語っていたそうである。

※この「ジャン=フランソワ・コワニェ」の解説は、「サン=テティエンヌ国立高等鉱業学校」の解説の一部です。
「ジャン=フランソワ・コワニェ」を含む「サン=テティエンヌ国立高等鉱業学校」の記事については、「サン=テティエンヌ国立高等鉱業学校」の概要を参照ください。

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