シャイニースタジアム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:17 UTC 版)
「大阪湾の景色・夕陽・生命の輝きを感じるスタジアム」というコンセプトの下に、当園の開園50周年記念事業の一環として2009年3月1日に開館。イルカのトレーナーやショーの運営スタッフには、「たかがイルカショー、されどイルカショー。小さくともきらりと輝くショーでありたい」との願望を込めて、「シャイニースターズ(Shiny Stars)」というチーム名が新たに付けられた。なお、スタジアムの新築に合わせて、アシカ舎・ペンギン舎もスタジアムの場外に新築・移転。移転前はアシカとペンギンのショーも開催されていたが、移転後はイルカのショーだけを定期的に実施していた。 開館に際しては、南海が伊藤園との間で5年間のネーミングライツ契約を結んだため、2012年3月31日で契約期間を満了するまでは「伊藤園シャイニースタジアム」という名称で営業していた。契約期間中は、伊藤園の主力製品である「お〜いお茶」の大型広告が施設外壁に掲示されたほか、スタジアム内には同社の自動販売機しか設置されていなかった。 2012年4月1日から2014年3月31日までは、伊藤園に代わって「ユーポス」(大阪市西区に本社を置く中古車買取会社)が南海との間でネーミングライツ契約を締結したため、「ユーポス シャイニースタジアム」と改称。施設の大型広告なども一新されたが、契約期間の満了後は新たなスポンサーが付かなかったため、「シャイニースタジアム」という名称を用いていた。 元々は2000年に閉鎖された「自然水族館」であり、バンドウイルカとカマイルカのショーが行われているショープールは、日本現役最古の陸上イルカショープールとされる「マリンスタジオ」をそのまま使用していた。また、オーシャナリウムという大規模水槽を屋内に設置し、沖縄美ら海水族館や海遊館などの大型水族館の大水槽での飼育運営方法に大きく貢献した。なお、この水族館建設に関わった初代水族館長の堀家邦男は、「東洋一」といわれた堺水族館の官舎で誕生し、長じて阪神パーク水族館、みさき公園自然水族館、大分マリーンパレス水族館、サンシャイン国際水族館の建設に関わり、阪神パークを除きすべて館長職を務めた水族館の生き証人というべき人物である。イルカ飼育は江の島水族館などと同時期にスタートし、1958年にイルカの搬送世界最長記録(当時)を樹立したほか、1971年には日本初の「水中遊歩道」(トンネル水槽)を導入した。 イルカショーについては、中断時期をはさんで、「イルカジャンプショー」という名称で1977年から再開。「自然水族館」を閉館してから、「シャイニースタジアム」が完成するまでの間も続けられていた。2005年には、飼育下繁殖のイルカから初めて子どもが誕生。園の名称にちなんで「みさき」と名付けられたが、園内で生育中の2008年2月12日に死亡した。 「シャイニースタジアム」でのイルカショーでは、シーズンごとにBGMや演目を変更するなど、何度観覧しても楽しめるような工夫が為されていた。その一方で、2010年からは「イルカふれあい体験営業」も開始。日本国内からの入園者にとどまらず、国外からの旅行者からも高い人気を博した。 2020年には、新型コロナウイルス感染の拡大を踏まえて、2月29日から3月10日(火曜日)まで有料(入場料とは別の料金扱い)のイルカショーを休止する代わりに、一部の時間帯で「シャイニースタジアム」の無料開放を予定していた。実際には2月29日から3月23日(月曜日)まで臨時休園を余儀なくされたため、(シャイニースタジアムを含む)屋外施設限定での営業再開を機に方針を変更。再開当日の3月24日(火曜日)から28日(土曜日)まで一部時間帯の無料開放を実施した後に、営業終了までの3日間(29日 - 31日)限定でイルカショーを開催することを決めた。イルカショーについては、1回公演あたりの観覧者を「シャイニースタジアム」収容人数の5分の1程度(200名)にとどめたうえで、3月23日から26日(木曜日)まで観覧希望者を当園の公式サイトで募集。希望者からの抽選によって、1日あたり800名(4回公演での総人数)に対して、条件付きながら有料で観覧できるように対応した。応募の倍率はおよそ4倍で、抽選の結果は、3月27日(金曜日)の午後に応募者全員へ通知。前述した事情で29日の開催を見送ったが、31日の最終公演(15:30から開催)は、抽選の落選者などもスタジアムの外(園外の堤防など)から公演を眺めるほどの盛況で幕を閉じた。 閉場時点では、2頭のカマイルカと3頭のバンドウイルカがショーに出演していた。イルカについては、ショーの施設があるアドベンチャーワールドで受け入れることが決定。その一方で、和歌山城公園動物園ではフンボルトペンギン、海遊館(大阪市港区)・神戸市立王子動物園・伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス(三重県伊勢市)・ノースサファリサッポロ(北海道札幌市南区)ではコツメカワウソを受け入れている。
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