ゴールデン枠との決別、インディーズ団体乱立、CS中継の拡大
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2000年、馬場逝去後の全日本で社長に就いていた三沢光晴が、馬場夫人でオーナーの馬場元子との確執から代表取締役社長職を解任されると、三沢以下殆どの選手や社員が全日本を退社し、プロレスリング・ノアを旗揚げ。その際、放映権を持ち全日本の大株主でもあった日本テレビも株を手放し、同年6月19日に中継即打ち切りを発表し、同年6月21日に終了した。28年にも及ぶ同番組の終了は、あまりにも突然であった。なお、番組枠は掛布雅之司会のプロレス情報番組「コロッセオ」に切り替わるものの、翌2001年4月からは新番組「プロレスリング・ノア中継」(以下、ノア中継)を開始。一方の全日本は資金難、人材難でピンチを迎え、外国人選手やフリーランスに支えられて生き残ったものの暫くの間地上波中継ゼロの状態へと転落することとなってしまった。 WPWは全国のネット局で放送枠がバラバラであったものの、ドーム大会になるとゴールデン枠で、真夏の祭典「G1 CLIMAX」決勝戦は日曜夕方(高校野球優先のABCテレビだけは時差放送)で、それぞれ特番を放送していた。しかし他局が「K-1」や「PRIDE」など他の格闘技番組を次々と放送するようになったことや、いわゆるビッグマッチでのプロレス中継における度重なる乱闘劇やノーコンテスト判定、および昨今のバラエティ番組によく見られるテイストをゴールデンでの中継に導入したことから、次第にファンや俗に言う「一見さん」がプロレス中継から離れていくこととなり、テレビ朝日は2002年5月のドーム大会以降ゴールデン枠での特番から撤退。G1決勝戦特番も2003年を最後に全国ネットから外れてしまった。2004年4月からは放送時間が1時間から30分に短縮されてしまう。 2000年代からは、スカパー!(SKY PerfecTV!)の普及などで衛星放送での中継が目立つようになる。ノアの中継は日本テレビのCSチャンネルである日テレG+で、新日本の中継もテレビ朝日のBSチャンネルであるBS朝日などにメイン放送がシフトしていった(ただし従来の地上波プロレス中継も時間を短縮させながら継続している)。また、乱立するインディーズ団体や女子プロレス団体の中継にも、CS放送は一役買っており、格闘技専門チャンネル「FIGHTING TV サムライ」(サムライTV)を筆頭に、スポーツ系の各チャンネルが中継している。またこの頃からプロレス中継のネット配信も行われるようになり、日本テレビのノア中継のサイトから過去の試合を有料で閲覧できるようになった(現在は終了)他、新日本オフィシャル動画配信サイト等でも名勝負の動画を見ることが可能となっている。 一方、長年において全日本女子の試合を中継したフジテレビは、1998年から番組タイトルを「格闘女神ATHENA」にリニューアルし、エンターテイメント性の高い番組へと移行させていたが、団体の二度の不渡りやテレビコンテンツとして成り立たなくなった状況などから2002年、20年以上の女子プロレス中継の歴史に幕を閉じた(ただしフジテレビは放送終了以前からフジテレビ社屋での全女お台場大会の興行も行っており、放送終了後もお台場興行自体はノーTVの状態で行っていた)。 2003年、新日本を退団していた橋本真也が設立したプロレスリングZERO-ONEの中継番組「破壊王プロレスZERO-ONE」がテレビ東京でスタート。ベッキー(後半は森下千里)やプロレス通で知られる勝俣州和が番組を盛り上げ、月1回の(後半は2月に1度ペース)オンエアーであった。(概ね土曜夕方の75分間)だが、こちらは自然消滅した。 2004年、武藤敬司社長体制の新生全日本の地上波レギュラー番組・プロレスLOVEがテレビ東京でスタート。テレビ東京は制作に一切かかわらず、GAORAの放送素材を使ってアテレコの形で実況を入れて全日本が番組を作り、テレビ東京に放送してもらう新しいスタイルの番組であった。そのため視聴率などは気にする必要が無かったが、番組制作予算が全日本の予算と合わなくなったことで翌2005年に終了。だが2006年に、スペシャル版として深夜枠に復活放送された。 設立直後から日本テレビと蜜月関係にあり、団体として安泰が続いていたノアだったが、小橋建太が腎臓がんで長期欠場に入った2006年あたりから観客動員・視聴率ともに低迷し始め、2008年9月に読売テレビが放送を終了し、さらに日本テレビも2009年3月末をもって地上波の放送を打ち切り、55年にわたる日本テレビのプロレス中継に終止符が打たれた。
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