コジマのレーシングカー
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「コジマエンジニアリング」の記事における「コジマのレーシングカー」の解説
KE-FJ 1971年~1975年に開発したFJ360/FL500マシン。スズキの水冷3気筒エンジンを搭載。I、II、IIB、III(モノコック)と改良された。片山義美、従野孝司らがドライブ。 KE-RE-I マツダ・10Aロータリーエンジン (1,000cc) を搭載する2座席レーシングスポーツカー。設計は伊藤猛志郎。1971年8月の第1回鈴鹿グレート20ドライバーズレースに片山義美のドライブで出場し3位。その後プライベーターの手に渡り「ヤマモト・ロータリー7」として数レースに出場した。 KE-FJ1300 1974年にデビューしたFJ1300マシン(別名「KEサニー」)。マーチ・733をベースに開発し、ニッサン・A12エンジン (1,300cc)を搭載。長谷見昌弘、松本恵二らがドライブ。 KE007 1976年10月のF1世界選手権イン・ジャパンに出場したF1マシン。設計は小野昌朗。フォード・コスワース・DFVエンジン (3,000cc) を搭載。タイヤは日本ダンロップ。ドライバーは長谷見昌弘。 F1世界選手権イン・ジャパンに出場後、転売を重ねて所在不明となるが、レストア業者によって発見・修復され、2004年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに招待出場した。 KE008 1977年の全日本F2000〜1978年の全日本F2に参戦したF2000、F2マシン。BMW・M12エンジン (2,000cc) を搭載。F1マシンのKE007/KE009の縮小版で、モノコックの80%ほどは共通している。長谷見昌弘、高橋国光、ディディエ・ピローニ(スポット参戦)がドライブ。 1977年の全日本F2000第4戦「鈴鹿フォーミュラジャパン自動車レース」で長谷見昌弘のドライブによりデビューウィン。1978年の全日本F2最終戦「JAF鈴鹿グランプリ自動車レース」で高橋国光(スピードスターレーシング)が優勝。無冠の帝王と呼ばれていた高橋は初のビッグタイトルを獲得した。 KE009 1977年の日本GPに出場したF1マシン。設計は小野昌朗。モノコックの軽量化・ボディカウルの見直しなどを行ったKE007の発展改良型。タイヤはブリヂストンに変更。スポンサーは星野一義車がUNI-PEX、高原敬武車が伊太利屋。 日本GPでの不振を受けて同年11月に富士スピードウェイでプライベートテストを行い、JAF鈴鹿グランプリにカウーゼンのF2マシンで出走していたケケ・ロズベルグ(F1デビュー前)が走行を担当した。ロズベルグに「タイヤに空気が入っていない」と評され、空気圧を上げて走行したところタイムが上昇。さらに研究用に買ったティレル・P34に付いていた使用済みのグッドイヤー・タイヤを履かせてみたところ、ロズベルグや同時にテストに参加した高橋国光まで、日本GP決勝の優勝車と遜色ないタイムを記録した。小嶋は「2年目の不本意な結果はタイヤのせいだったと言わざるを得なかった」と述べている。 カウーゼンとの提携計画の中ではスポーツカーノーズをフェラーリ・312T風のウイングノーズに変更し、トレッド幅を広げるなど、世界のサーキット転戦を考慮した改良が施された。西ドイツのカウーゼンの元へ車体1台(高原車)、DFVエンジン2基、その他パーツ類を送ったが、計画破談後は日本へは戻らなかった。その後、西ドイツのレーサーハンス・ハイヤー (Hans Heyer) がカウーゼンを救済するため高原車を買い取り、個人コレクションの1台として保存している(このマシンには、なぜか星野のスポンサーであるUNI-PEXのステッカーが貼られている)。 星野車はヒーローズレーシングに譲渡されたが、その後の所在はわからなくなっている。 KE010 ロータス・78に倣いウィングカーとして設計された3作目のF1マシン。設計は小野昌朗。モノコックの準備が進み、最終的にボディと組立作業が残っているという段階まで至っていたが、表に出ないまま開発中止となった。小野は「風洞などの設備やスタッフが揃わなければF1は作れなくなってしまった」ことが挫折の原因と語っている。 KE011 1979年の全日本F2選手権に参戦した国産初のF2ウィングカー。KE008とKE009の一部を流用。ウィングノーズ+サイドラジエーターからスポーツカーノーズ+フロントラジエーター、ウィングノーズ+フロントラジエーターと改良が繰り返された。BMW・M12エンジン (2,000cc) を搭載。タイヤは日本ダンロップ。片山義美、ディディエ・ピローニ(スポット参戦)がドライブ。
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