グローバル資本主義への反発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 14:52 UTC 版)
「グローバル資本主義」の記事における「グローバル資本主義への反発」の解説
「反グローバリゼーション」も参照 反発する者は、新自由主義(無規制で弱肉強食の市場原理)の経済が、非正規雇用労働者(プレカリアート)を世界的・爆発的に増大させ、挙げ句の果てには主権国家(民主主義国家のみならず、権威主義国家や社会主義を建前とする一党独裁国家も含め)をも従属させながら世界を席巻している点を覇権主義的であり缺陥として非難している(→反グローバリゼーション)。 米国は、コンピュータOS(マイクロソフト)やスマートフォン(Appleなど)、Web検索エンジン (Google・Yahoo!)、金融業(ゴールドマン・サックス)、飲食業(スターバックス・コカ・コーラ・マクドナルドなど)、ネット通信販売業(Amazon.com)、決済手段(Visa・MasterCard)、鉱工業、農業、技術標準、果てはファッション(リーバイス、GAP、ナイキなど)など、あらゆる面で世界の市場の支配と一極化を目指している。そのため、アメリカ風の政治・経済・社会を他国に無理やり強制し、結果的に貧富の拡大や環境破壊など様々な問題を引き起こしたのではないかと言われている。 世界中どこでもマクドナルドやケンタッキー、コカコーラ、ファンタ、Windowsが見られる光景は結局アメリカ国内で見られる文化を他国に輸出しているに過ぎず、「グローバリズム」ならぬ「"アメリカニズム"」であり、「グローバルスタンダード」ならぬ「アメリカンスタンダード」でしかないと考えられている[誰?]。地域固有の文化を淘汰する傾向が多いため、左派(社会主義者)のみならず、右派(ナショナリスト)からも批判されている。 民間レベルではグローバル資本主義のもとで過酷な労働環境に置かれている世界の労働者に焦点を当て、告発する動きも盛んになってきている。ごく一部の国を除いて総資本主義化した21世紀の世界の流れに対する反発は、経済の低迷に苦しむ国を中心に強まってきている。 2000年代以降は、世界のグローバル資本主義化の反動で、南米では反新自由主義の左派政権の誕生が相次いでいる。また、技術面でも非アメリカとオープン・リベラルへの志向が高まり、欧州やアジア・南米各国での相次ぐ政府のLinuxOSの推進や、ESA(欧州宇宙機関)と日本を含む各国による新GPS「ガリレオ計画」の推進などがある。中南米諸国の社会主義への方向転換は漸進的で、数年に一度の選挙による再度の方向転換も有り得る穏健なものであり、20世紀に発生した革命のような多数の犠牲者を生み出す急進的なものではない。また、社会主義を建前とする中華人民共和国やベトナムは、今や我々の生活に欠かせなくなった物の生産を担っており、グローバル資本主義の重要な担い手になっている。 ただ、グローバル資本主義化は資本の本性から出てきたもので必然的であり、これに対する対案はグローバル社会主義しかないという主張がマルクス主義者の側からなされる。 今後の経済体制をどうするべきかの模索が世界中で続いている。そして、資本主義の世の中を生きる我々ひとりひとりが、この状態を変えてゆくためにできることを行おうという動き(反対運動、不買運動、対象企業を自覚的に一切利用しない、政治への働きかけ、反資本主義・脱資本主義を掲げる政党への選挙での投票、ライフスタイルの見直しなど、合法の範囲でできることは多数ある)も活発になっている。
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