グラン・カフェでの上映会とは? わかりやすく解説

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グラン・カフェでの上映会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:31 UTC 版)

シネマトグラフ」の記事における「グラン・カフェでの上映会」の解説

学術研究者や専門家向けの集会上映重ねたリュミエールは、1895年末までにシネマトグラフ商業上映向けて準備進めた上映会場は、アントワーヌから依頼受けた写真家のクレマン・モーリス(フランス語版の手配により、パリ中心部のキャピュシーヌ大通りフランス語版14番地にあるグラン・カフェの地階の「サロン・アンディアン(インドの間)」を借りることにした。サロン・アンディアンは広さ100平方メートルほどの東洋風装飾施され部屋で、大通りから直接入れ入口があった。元々はビリヤード場として使用されていたが、一部プロ球戯者がその腕で素人相手荒稼ぎするという行為問題になり、警察カフェでのビリヤード禁止したため、それ以後空き部屋となっていた。 モーリス会場賃貸についてグラン・カフェの所有者ヴォルピニと交渉し収益の2割を支払うことを申し出たが、シネマトグラフ成功に不安を抱いたヴォルピニは「今さら幻灯など、も見ませんよ」とモーリス言い1日30フラン賃貸料支払うことを要求したこうした事情もあり、入場料は他の観劇よりもやや割高の1フラン定められた。商業上映始め時期については、年末になるとパリ大通り露店見世物小屋並び多く人々で賑わうことから、それに合わせてクリスマスから元日までの間に設定したシネマトグラフ商業上映初日は、1895年12月28日土曜日午後である。上映仕切ったのはアントワーヌモーリスで、シネマトグラフ操作はモワソンが担当し徒弟のジャック・デュコムとフランシス・ドゥブリエ(フランス語版)が補佐したリュミエール兄弟興行の手配をすべて父親委ね当日リヨンに留まっていたため、上映立ち会ってはいなかった。初日の出席者は招待され学術担当記者劇場支配人などで、その中にはロベール=ウーダン劇場支配人ジョルジュ・メリエスもいた。メリエス初日の上映の様子について以下のように述べている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}私や招かれたほかの人たちの眼前小さなスクリーン広げられ、まもなくリヨンベルクール広場撮った動かない写真投影された。すこし呆れて私は隣の人呟きかける。「こんな投影見せるために、私たちに足を運ばせたのか。これなら十年以上もまえから自分見せている」こうした囁き終わらないうちに、一台馬車私たちの方へ前進しそのあとにほかの車や通行人一言で表わせば、街路で動くあらゆるものが続いた。この光景眺めて私たちはみな口を開け茫然となり、極度なまでに仰天した。(中略上映が終わる頃には、熱狂態となった。そして、いかにしてこのような成果達したか、とだれもが不思議に思った上映終了後メリエス直ちシネマトグラフ1万フラン買い取ることをアントワーヌ申し出た同じく招待されていたグレヴァン博物館フランス語版)の館長2万フランフォリー・ベルジェール支配人5万フラン購入申し出た。しかし、アントワーヌは、シネマトグラフ大きな秘密であり、それを売る気はなく、自分興行するつもりだと言って拒否しメリエスに「しばらくは珍奇な科学的見世物として開発されるでしょうそうした期間を過ぎれば、これに商業的な未来などないのです」と述べた。これはリュミエール父子シネマトグラフをひとつの科学的課題見なし、それに大きな期待寄せていなかったことを意味する発言として解釈されている。その後メリエス別の映画装置入手して映画製作始め1900年代にかけてトリック撮影用いた作品など人気博した初日収入はわずか33フラン35フランの説もある)で、サロン・アンディアンの賃貸料支払えるほどしかなく、成功したとは到底いえなかった。しかし、翌日から人気出始め、やがて1日収入2000フランから2500フランにまで増え、最高で1日5000フラン収入得たモーリスによると、入口警官整理する必要があるほど観客殺到し時には300メートルもの行列ができたという。こうした需要の増加により、グラン・カフェでの上映は毎日20回以上行われた各回興行時間フィルムの装填観客入れ替え含めて30程度で、10程度作品プログラム組まれ適宜作品組替えられた。

※この「グラン・カフェでの上映会」の解説は、「シネマトグラフ」の解説の一部です。
「グラン・カフェでの上映会」を含む「シネマトグラフ」の記事については、「シネマトグラフ」の概要を参照ください。

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