シネマトグラフの開発とは? わかりやすく解説

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シネマトグラフの開発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:31 UTC 版)

シネマトグラフ」の記事における「シネマトグラフの開発」の解説

オーギュストルイリュミエール兄弟は、リヨンにあるヨーロッパ最大写真乾板製造会社リュミエール社(フランス語版)の経営者である。彼らがシネマトグラフ開発するのは、1894年夏頃にパリキネトスコープ見知った父親のアントワーヌ・リュミエール(フランス語版)から、動く写真映像装置研究するよう指示されたのがきっかけだとされているが、その詳細ないきさつについては諸説ある。映画史家のアンリ・キュブニックによると、アントワーヌキネトスコープを1台購入し、それを息子たち見せて研究指示したという。しかし、ルイは「キネトスコープリュミエール工場運び込まれたこともなければ、それを見たこともなかった」と否定している。リュミエール社主技師シャルル・モワソンフランス語版)によると、アントワーヌ手に入れたキネトスコープフィルム断片見せてルイたちに研究指示したという。 シネマトグラフの開発で最大課題となったのは、フィルム正確に動かすためのシステム間欠機構)を見出すことだった。まずオーギュストがこの問題取り組んだが、よい結果得られ失敗したオーギュストシネマトグラフ技術的側面関心を持たなくなりその後の開発作業ルイ中心にして行われた。やがてルイミシンの布押えシステム(布を押え、針で糸を通し、そして布を送り出す仕組み)から着想得て、爪でフィルムを送る方法考案したルイによると、そのアイデア1894年暮れのある夜、気分優れずベッドで横になっていた時に、突然頭に浮かんだという。前述のようにシネマトグラフそれ以前複数研究成果基づいたのであるが、このフィルム送り方法装置オリジナリティー与え機構となったシネマトグラフプロトタイプは、ルイデッサン基づいてモワソンが組み立てた。その最初の撮影実験では、リュミエール社で作った写真用の紙のロール・フィルム使用したが、それはアーク灯で強い光を当てて透かして見ることはできても、映写適するような透明度持ってはいなかった。やがてルイはセルロイド・フィルムを使用することになるが、当時フランスでセルロイド・フィルムを製造する会社がなかったため、アメリカのニューヨーク・セルロイド・カンパニーからフィルムベース仕入れ、それにリュミエール社の感光乳剤塗り、モワソンがミシン原理改良して作った機械パーフォレーション開けた最初の撮影始めた時期については諸説あるが、映画史家のヴァンサン・ピネルは「1895年以前シネマトグラフ作動しなかった」と主張し、ローラン・マノーニも「紙のものであれ、セルロイドのものであれ、リュミエール兄弟によって1894年映画撮影されたという証拠はまったくない」と述べている。1895年2月までには、モワソンによりシネマトグラフの第2のプロトタイプ完成した1895年2月13日シネマトグラフ特許245032号として認められルイオーギュスト連名特許証書が交付された。この時はまだシネマトグラフという名称を使用しておらず、「クロノフォトグラフィによるプリント撮影し、かつ見せることに役立てる装置」という名称が付けられた。3月30日には追加特許交付され、この時に初めて「シネマトグラフ」という名称が用いられた。ルイによると、アントワーヌ最初「ドミトール」という名前を付けよう提案したが、ルイオーギュスト反対して「シネマトグラフ」に決まったという。その後リュミエールパリ機械工ジュール・カルパンティエ(フランス語版)にシネマトグラフ製造請け負わせ、技術的完成度高めるために細かな改良施した10月ルイはカルパンティエに25台の装置発注したが、1896年1月初旬までに納入されたのはわずか3台で、そのうち1台はグラン・カフェでの上映会使用された。

※この「シネマトグラフの開発」の解説は、「シネマトグラフ」の解説の一部です。
「シネマトグラフの開発」を含む「シネマトグラフ」の記事については、「シネマトグラフ」の概要を参照ください。

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