シネマトグラフに先行する研究とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > シネマトグラフに先行する研究の意味・解説 

シネマトグラフに先行する研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:31 UTC 版)

シネマトグラフ」の記事における「シネマトグラフに先行する研究」の解説

映画結び付く動く映像投影に関する試みは、シネマトグラフ開発される世紀も前から行われており、そのような歴史映画前史英語版)と定義されている。映画誕生するために必要な研究領域には、以下の3つ挙げられるスクリーン映像投影する装置カメラ・オブスキュラ幻灯など) 仮現運動により動き再現する装置フェナキスティスコープソーマトロープなど) 写真発明連続写真研究 これらの領域長い間にわたり多く人々により研究され19世紀末に動く写真映像実用可能な段階にまでもたらされると、アメリカヨーロッパで何人も発明家により動く写真映像装置開発されそのひとつとしてリュミエールシネマトグラフ登場した。そのためシネマトグラフはすべてリュミエール個人アイデアだけで発明されたものではなくそれ以前発明家たちによる多く研究成果基づいて開発されたものである。サドゥールは「動く写真誕生するためには、二十人ほどの発明家が必要であったリュミエールは彼らの発見採用し、それらを組み合わせ、またそれらを発展させること」でシネマトグラフを創り上げた述べている。これらの先行する研究成果中でも、とくにシネマトグラフへの直接的な影響について言及されているものとして、以下の2つ挙げられる。 クロノフォトグラフィ 1882年フランス生理学者エティエンヌ=ジュール・マレー考案したクロノフォトグラフィ(英語版)は、1枚原板上に動物動きの各段階重ねて撮影する方法である。マレー撮影ガラス乾板使用していたが、1888年には紙のロール・フィルム切り替えたマレーフィルム式クロノフォトグラフィのカメラは、レンズの前を通過するフィルム瞬間的に停止させては露光するという間欠的な機構使用されているが、それは今日までの映画用カメラ技術的原型考えられており、その成果シネマトグラフインスピレーション与えたとされている。19世紀末にクロノフォトグラフィは動く写真映像代名詞として広く使われたが、リュミエール当初シネマトグラフ新型のクロノフォトグラフィと位置付けていた。また、マレー助手のジョルジュ・ドゥメニー(フランス語版)も独自にクロノフォトグラフィ装置考案していたが、リュミエール1894年から1895年にかけてドゥメニーと手紙やり取りをしていた。このことから映画史家小松弘と岡田晋は、リュミエールがドゥメニーのクロノフォトグラフィを参考にした可能性があると指摘している。 キネトスコープ 19世紀末同時多発的に開発された動く写真映像装置の中で最初に注目集めたのが、トーマス・エジソン助手ウィリアム・K・L・ディクソン開発したキネトスコープである。キネトスコープシネマトグラフのようにスクリーン映写する方式ではなく一人一人が箱の中を覗いて映像を見る装置である。1894年ニューヨークで最初商業公開が行われ、その後イギリスフランスなどでも公開された。映画史家のローラン・マノーニが「一つだけ確かなことは、リュミエールシネマトグラフという発想に、キネトスコープ多大な影響及ぼしたということである」と述べているように、シネマトグラフの開発パリ公開されキネトスコープ影響受けており、後年オーギュスト・リュミエールは「エジソンキネトスコープ大衆の関心集めていた昔のことであるが、弟と私はこれがスクリーン上に投影され、動く事物人物忠実に再現した生ける場面を、人々集まりの中で見せることができたら、どれほど興味深いことだろうと思った」と述べている。さらにシネマトグラフは、エジソンキネトスコープ採用した35ミリ幅のフィルム規格踏襲した

※この「シネマトグラフに先行する研究」の解説は、「シネマトグラフ」の解説の一部です。
「シネマトグラフに先行する研究」を含む「シネマトグラフ」の記事については、「シネマトグラフ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「シネマトグラフに先行する研究」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シネマトグラフに先行する研究」の関連用語

シネマトグラフに先行する研究のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シネマトグラフに先行する研究のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのシネマトグラフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS