クトゥルフ神話作家・作品
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「クトゥルフ神話」の記事における「クトゥルフ神話作家・作品」の解説
広義にクトゥルフ神話の作家とされる者は多数に上るが、いくつかの世代に分ける事が理解の助けとなる。 ラヴクラフトの先達 ラヴクラフトに影響を与えた先達のホラー作家たち。ラヴクラフト自身これらの作家の作品から積極的に固有名詞を借用するなどしてクトゥルフ神話世界構築の助けとした。エドガー・アラン・ポー:ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語(1838) アンブローズ・ビアス:カルコサの住民(1893) ロバート・W・チェンバース:黄の印/黄衣の王(1895) アルジャーノン・ブラックウッド:ウェンディゴ(1910) アーサー・マッケン:パンの大神(1890)、黒い石印(1895)、白い粉薬のはなし(1895)、白魔(1899) ハワード・フィリップス・ラヴクラフト 東雅夫はラヴクラフトの作品を幾つかの系統に分け、これら原点作品の壮大な変奏曲が以後の神話作品であると述べた。数字は執筆年/発表年。クトゥルフ物語:クトゥルフの呼び声(1926/1928) インスマス物語:インスマスを覆う影(1931/1936) ヨグ=ソトース物語:ダニッチの怪(1928/1929) ナイアーラトテップ物語:闇をさまようもの(1935/1936)、未知なるカダスを夢に求めて(後述) ユゴス物語:闇に囁くもの(1930/1931) 古のもの物語:狂気の山脈にて(1931/1936) 大いなる種族物語:時間からの影(1934/1936) グール物語:ピックマンのモデル(1926/1927) ドリームランド物語:未知なるカダスを夢に求めて(1926/没後1948) 妖術師物語:チャールズ・ウォードの奇怪な事件(1927/没後1941)、戸口にあらわれたもの(1933/1937) マッド・サイエンティスト物語:死体蘇生者ハーバート・ウェスト(1921/1922)など その他の怪奇譚:宇宙からの色(1927/1927)など ラヴクラフト世代 ラヴクラフトと同時期にパルプ・マガジンで活躍していた同世代の作家たち。これらの作家たちとの固有名詞やアイデアの交換、相互の借用によりクトゥルフ世界が成り立っていく。クラーク・アシュトン・スミス:妖術師の帰還(1931)、サタムプラ・ゼイロスの物語(1931)、魔道士エイボン(1932)、アウースル・ウトックアンの不運(1932)、名もなき末裔(1932)、アタマウスの遺言(1932)、彼方からのもの(1932)、アヴェロワーニュの獣(1933)、ウボ=サスラ(1933)、アゼダラクの聖性(1933)、二重の影(1934)、死体安置所の神(1934)、墓の落とし子(1934)、イルゥルニュ城の巨像(1934)、七つの呪い(1934)、塵埃を踏み歩くもの(1935)、ヴルトゥーム(1935)、白蛆の襲来(1941) フランク・ベルナップ・ロング:喰らうものども(1928)、ティンダロスの猟犬(1929)、恐怖の山(1931)、脳を喰う怪物(1932)、暗黒の復活(1980) リチャード・F・シーライト (Richard F. Searight):知識を守るもの(没後1992) ロバート・E・ハワード:影の王国(1929)、夜の末裔(1931)、バル=サゴスの神々(1931未訳)、暗黒の男(1931)、黒の碑(1931)、闇の種族(1932)、大地の妖蛆(1932)、屋根の上に(1932)、妖蛆の谷(1934)、アッシュールバニパルの焔(1936)、墓はいらない(1937)、闇に潜む顎(没後1970)、黒の詩人(1971※ダーレス補) ドナルド・ワンドレイ:足のない男(1932) オーガスト・ダーレス:風に乗りて歩むもの(1933)、ハスターの帰還(1939)、エリック・ホウムの死(1939)、サンドウィン館の怪(1940)、イタカ(1941)、戸口の彼方へ(1941)、永劫の探究(1944-1952)、闇に棲みつくもの(1944)、丘の夜鷹(1948)、彼方からあらわれたもの(1951)、谷間の家(1953)、ルルイエの印(1957)マーク・スコラ―共著:邪神の足音(1930)、潜伏するもの(1932)、モスケンの大渦巻き(1939)、湖底の恐怖(1940) ラヴクラフトとダーレスの合作:暗黒の儀式(1945)、生きながらえるもの(1954)、ピーバディ家の遺産(1957)、異次元の影(1957)、破風の窓(1957)、アルハザードのランプ(1957)、閉ざされた部屋(1959)、ファルコン岬の漁師(1959)、魔女の谷(1962)、屋根裏部屋の影(1964)、恐怖の巣食う橋(1967)、インズマスの彫像(没後1974) ヒュー・B・ケイヴ (Hugh B. Cave):臨終の看護(1939) ヘンリー・カットナー:クラーリッツの秘密(1936)、セイレムの恐怖(1937)、暗黒の口づけ(1937ブロックと共作)、蛙(1937)、狩りたてるもの(1939)、侵入者(1939)、ヒュドラ(1939)、恐怖の鐘(1939) ロバート・ブロック:星から訪れたもの(1935)、ブバスティスの子ら(1936)、無貌の神(1936)、哄笑する食屍鬼(1936)、冥府の守護神(1936)、闇の魔神(1936)、奇形(1937)、セベクの秘密(1937)、窖に潜むもの(1937)、暗黒のファラオの神殿(1937)、妖術師の宝石(1939)、尖塔の影(1950)、無人の家で発見された手記(1951)、首切り入江の恐怖(1958)、アーカム計画(1979) ヘンリー・ハーセ (Henry Hasse):本を守護する者(1937) マンリー・ウェイド・ウェルマン:謎の羊皮紙(1937) ロバート・バーバー・ジョンスン:遥かな地底で(1939) ロバート・A・W・ロウンデズ(Robert A. W. Lowndes):深淵の恐怖(1941/1965完全版)、グラーグのマント(1941。3人共作) カール・ホール・トムスン:緑の深淵の落とし子(1946) ジョセフ・ペイン・ブレナン:第七の呪文(1963) ラヴクラフト代作 ゼリア・ビショップ (Zealia Bishop):イグの呪い(1929)、墳丘の怪(1940) アドルフォ・デ・カストロ (Adolphe Danziger De Castro):電気処刑器(1930) ヘイゼル・ヒールド:石像の恐怖(1932)、博物館の恐怖(1933)、永劫より(1935) ウィリアム・ラムリー:アロンソ・タイパーの日記(1938) アーカムハウス世代 ダーレスによるアーカム・ハウスの設立、およびクトゥルフ神話の再編が進んでからの作家たち。アーカム・ハウスから作品を刊行した者を含む。コリン・ウィルソン:精神寄生体(1967)、賢者の石(1969)、ロイガーの復活(1969)、古きものたちの墓(1999) D・R・スミス:アルハザードの発狂(1950) ジェイムズ・ウエイド:深きものども(1969) ブライアン・ラムレイ:大いなる帰還(1969)、縛り首の木(1970)、魔物の証明(1970)、盗まれた眼(1971)、黒の召喚者(1971)、ニトクリスの鏡(1971)、海が叫ぶ夜(1971)、ダイラス=リーンの災厄(1971)、ド・マリニーの掛け時計(1971)、狂気の地底回廊(1971)、セメントに覆われたもの(1971)、タイタス・クロウ・サーガ(1975-1989)、名数秘法(1982)、続・黒の召喚者(1983)、妖蛆の王(1983)、ダゴンの鐘(1989)、けがれ(2005) ラムジー・キャンベル:ハイ・ストリートの教会(1962)、湖畔の住人(1964)、城の部屋(1964)、恐怖の橋(1964)、妖虫(1964)、ヴェールを破るもの(1964)、ムーン・レンズ(1964)、異次元通信機(1964)、暗黒星の陥穽(1964)、呪われた石碑(1964)、パイン・デューンズの顔(1980) リン・カーター:墳墓に棲みつくもの(1971)、シャッガイ(1971)、二相の塔(1973)、最も忌まわしきもの(1973)、時代より(1975)、ナスの谷にて(1975)、陳列室の恐怖(1976)、モーロックの巻物(1976)、窖に通じる階段(1976)、奈落の底のもの(1980)、極地からの光(1980)、深淵への降下(1980)、ウィンフィールドの遺産(1981)、星から来て饗宴に列するもの(1984)、炎の侍祭(1985)、暗黒の知識のパピルス(1988)、ヴァーモントの森で見いだされた謎の文書(1988)、ヴァラードのサイロンによるエイボンの生涯(1888)、羊皮紙の中の秘密(1888) ゲーリー・メイヤーズ:妖蛆の館(1970初期版) フリッツ・ライバー:アーカムそして星の世界へ(1966) フレッド・チャペル:暗黒神ダゴン(1968)、恐るべき物語(1984)、残存者たち(2010) D・J・ウォルシュJr (Donald J. Walsh Jr.):呪術師の指環(1971) ジョージ・ヘイほか:ネクロノミコン断章(1978) T・E・D・クライン (T. E. D. Klein):角笛をもつ影(1980) A・A・アタナジオ (A. A. Attanasio):不知火(1980) ディヴィッド・ドレイク (David Drake):蠢く密林(1980) マーチン・S・ハーネス:アルソフォカスの書(1980) ジョン・グラスビイ (John Glasby) ウォルター・C・デビルJr (Walter C DeBill Jr.) ダーレス死後の世代 ロバート・M・プライス:悪魔と結びし者の魂(1996)、緑の崩壊(1997)、『夜の書』への注釈(1997)、地を穿つもの(1997)、裏道(1997) スティーヴン・キング:呪われた村(1978)、クラウチ・エンドの怪(1980)、ザ・スタンド(1980)、N(2008) ハワード・ウォルドロップとスティーヴン・アトリー:昏い世界を極から極へ(1977) ピーター・トレメイン:ダオイネ・ドムハイン(1992) ブライアン・ムーニイ:プリスクスの墓(1994) ベイジル・コッパー:暗礁の彼方に(1994) ブライアン・ステイブルフォード:インスマスの遺産(1992) マイカル・マーシャル・スミス(Michael Marshall Smith):海を見る(1994) フランクリン・シーライト (Franklyn Searight) - 上記リチャード・F・シーライトの息子 ジェームズ・アンビュール (James Ambuehl):ルー=クトゥの魔神たち(未訳) トレイシー・アンビュール (Tracy Ambuehl) トマス・リゴッティ (Thomas Ligotti):愚宗門(1987) スコット・ディヴィッド・アニロウスキイ (Scott David Aniolowski) リチャード・A・ルポフ (Richard A. Lupoff):ダニッチの破滅(1997) カール・エドワード・ワグナー (Karl Edward Wagner):また語りあうために(1995) ジェフリー・トーマス (Jeffrey Thomas) W・H・パグマイア (W. H. Pugmire) スタンリー・C・サージャント (Stanley C. Sargent) キム・ニューマン:大物(1993) ジョン・R・フルツ:スリシック・ハイの災難(1997) J・トッド・キングリア (J.Tod Kingrea):ファン・グラーフの絵(1997) ローレンス・J・コーンフォード:下から見た顔(2001)、アボルミスのスフィンクス(2001)、万物溶解液(2001)、ウトレッソル(2001合作)、ウスノールの亡霊(2001)、霊廟の落とし子(2001)、指輪の魔物(2001) ニール・ゲイマン:世界が再び終わる日(1994)、翠色の習作(2004) アラン・ムーア:中庭(2003)、ネオノミコン(2010)、プロヴィデンス(2015) エリザベス・ベア:非弾性衝突(2007) ナディア・ブキン:赤い山羊、黒い山羊(2010) ケイトリン・R・キアナン:禁じられた愛に私たちは啼き、吠える(2010) ジョー・R・ランズデール:血の色の影(2011) ブライアン・ホッジ:ともに海の深みへ(2013) ジョン・ランガン:牙の子ら(2014)
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