アーカムハウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/26 22:52 UTC 版)
アーカムハウス | |
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設立日 | 1939年 |
設立者 |
オーガスト・ダーレス ドナルド・ワンドレイ |
本社所在地 | ウィスコンシン州ソークシティ |
出版物 | Books |
公式サイト | www.arkhamhouse.com |
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アーカムハウス(Arkham House)はアメリカ合衆国ウィスコンシン州ソークシティに籍を置く出版社。
最新の所有者はダニエル・ダーレスとデイモン・ダーレス。
概要
設立は1939年。設立者はオーガスト・W・ダーレスとドナルド・ワンドレイ。2人はともに作家であり、1937年に没した友人作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品を刊行する目的で設立された。社名は彼が創造した架空の都市アーカムに由来する。1939年に最初のラヴクラフト作品集『アウトサイダーその他』を刊行[1][2]。
レイ・ブラッドベリやラムジー・キャンベルは本社からデビューした。
1971年にダーレスが死去し、ワンドレイは短期間編集長を務めたが関与を断った。70年代から80年代にかけてはジェームズ・ターナー編集長が、著名な作家を起用したりジャンルを拡大するなどした。1994年にはエイプリル・ダーレスが筆頭株主となる。1996年のターナーの退職後、ピーター・ルーパーが編集長となったが、病気のため低調する。ターナーが抜けた後の活動は史料の出版がメインとなり、作品の出版はあまり行われていない[3]。
2005年にウィスコンシン州マディソンで開催された世界ファンタジー大会では、長年の功績を特別表彰された[3]。
2011年にエイプリルが死去し、会社は彼女の子であるダニエルとデイモンが引き継いだ。
関連項目
- アーカム - 名前の由来となった架空都市。
脚注
注釈
出典
アーカムハウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 14:59 UTC 版)
ラヴクラフトの愛読者であったダーレスは、自分の解釈に基づいて自分も神話作品を執筆し、旧神が邪悪な旧支配者を封印したとする独自の見解や、旧支配者を四大霊にあてはめるなど新たな解釈を行なった。ダーレスは第2作神話『潜伏するもの』などの原稿をラヴクラフトに送っており、(正式公開前の原稿段階で)読んだラヴクラフトは力作と賞賛した。その後、ダーレスは自らの解釈に基づく作品を多数発表していくことになるが、他の作家たちもそれぞれ好き勝手な解釈や設定を付け加えていた。 ラヴクラフトはパルプ雑誌『ウィアード・テイルズ』に作品を載せていたが、掲載を断られたり、自信がない作品は発表せずストックしていた。彼の死後、1939年にダーレスは、これらを出版するため出版社「アーカムハウス」を創設する。これによって未発表の作品が多くの人に触れる切っ掛けになる。またダーレスはラヴクラフトの構想メモを引き継ぎ連名で神話作品を複数執筆しているが、それらはダーレス神話であり、ラヴクラフト単独の作品とは雰囲気や設定が大きく食い違う。またダーレスは「クトゥルフ神話」体系の普及に努め、他の作家も神話作品を書くように働きかけた。 これらによってラヴクラフトという作家は広く認知されることとなったが、ダーレスは、ラヴクラフトの文学を後世に伝え広めた最大の貢献者として称賛される一方でラヴクラフトのコズミック・ホラーを世俗的な善vs悪の図式に単純化したという理由で死後に批判されることにもなった。ただしダーレスが他作家に「ダーレス神話」を強要したわけではなく、ダーレス存命中にアーカムハウスから刊行された新世代作家陣によるクトゥルフ神話作品は、必ずしもダーレス設定に準拠しているわけではない。
※この「アーカムハウス」の解説は、「クトゥルフ神話」の解説の一部です。
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