クインティリアヌスの影響とは? わかりやすく解説

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クインティリアヌスの影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:22 UTC 版)

クインティリアヌス」の記事における「クインティリアヌスの影響」の解説

クインティリアヌスの『弁論家教育』の中には弁論家セネカへの批判がある。クインティリアヌス執筆とどまらず当時支配的だった帝国的な弁論スタイル修正しよう試み続けたが、そのスタイルの代表がセネカであったセネカクインティリアヌス言及する他の著述家較べる最近人物であったが、ポスト古典的なスタイル評価する中で、セネカ対す言及は、批判にしろ皮肉な賞賛にしろ、避けられないことだった。「彼のスタイルは、多く部分のために、不正で極端に危険であるのは、それが人を引きつける欠点満ちているからである」(10.1.129)とクィンティリアヌス信じていた。セネカはそのスタイルが時々魅力的だったので、二重に危険であると見なされていた。セネカを読むことは、「セネカとそのスタイル付随して起こる判断重く影響を及ぼす」。 ラテン語の詩マルクス・ウァレリウス・ マルティアリスen: Martial)が86年公刊した短い詩はクインティリアヌス向けられたものである。「クインティリアヌス、道に迷う若者たち偉大な指導者/あなたは誉である、クインティリアヌスよ、ローマトーガにとって」。しかし、マルティアリス意味ありげ機知に富む侮辱知られるであったから、この賞賛額面通り受け取るべきでないかも知れない引用したのは冒頭の行だけで、残りというと例えば6行目は「彼の父親調査評価越えることを望んだ男」と書かれてある。これはクインティリアヌス野心的側面と、富と地位追ったことについて語ったのである死後クインティリアヌス評価時代によって変動した教え子だった小プリニウスや、おそらく教え子であったろうユウェナリスは、「教職にあった人間にしては異例の、真面目で俗世成功した一例」と言及された。3世紀から5世紀にかけて、クインティリアヌスの影響は、たとえばアウグスティヌスらに見受けられるアウグスティヌス記号比喩的な言語に関する論はいくらかクインティリアヌス負っている。またヴルガータ校訂ヒエロニムス教育理論明らかにクインティリアヌスの影響が見られる中世には、『弁論家教育』は断片のみが存在するだけになっていて、クインティリアヌスの本は忘れられたかに見えたが、中央ヨーロッパで完全な写本が見つかってから、イタリア人文主義者たちによって再評価された。イタリア詩人ペトラルカ今は亡きクインティリアヌス宛に、「(あなたが)新し人文主義的教育のためのインスピレーション提供した」という手紙書いた。このクインティリアヌス熱は人文主義者たちの間に広がり15世紀から16世紀北ヨーロッパにまで達したドイツ神学者にして宗教改革中心となったマルティン・ルターは、「『彼の教育と、同時に論証的雄弁術、つまり、言葉行動で最も適切な彼の教え方について』、他のどの著者よりもクインティリアヌス好んだ主張した」。 これを頂点に、クインティリアヌスの影響はいくぶん衰退はしたようだが、イギリス詩人アレキサンダー・ポープは、詩で表現した批評論』の中で、クインティリアヌスについてこう言及している。「我々が知るクインティリアヌス厳粛にして内容豊富な本の中に/最も公正な規則と最も明瞭な方法が結びついている」。 さらに、「彼は モンテーニュレッシングのような著者たちにも言及された……しかし彼は文学史重要な貢献をすることなく19世紀になると彼は……読まれるともなくなり、編集されることも稀になってしまったように見える」。 比較最近になってクインティリアヌスは再び評価されるようになったように見える。文芸批評アンソロジー中に取り上げられることがしばしばで、また、教育史においてもなくてはならない存在となっている。クインティリアヌスは「子供中心教育の最も初期スポークスマン」であると見なされ、彼の初期児童教育理論について論じられている。また、クインティリアヌスの本は修辞学体系について大い充実していることから、職業的著作修辞学学生たちに与えるものも少なくない

※この「クインティリアヌスの影響」の解説は、「クインティリアヌス」の解説の一部です。
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