カンザスの戦いとは? わかりやすく解説

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カンザスの戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:04 UTC 版)

B-29 (航空機)」の記事における「カンザスの戦い」の解説

ケベック会談のあとの1943年11月アーノルドB-29による日本本土爆撃のための専門部隊となる第20爆撃集団編成し司令官は「ケネス・B・ウルフ特別プロジェクト」の責任者ウルフ任命された。ウルフ育成してきた最精鋭搭乗員第58爆撃団第73爆撃団 として編成され第20爆撃集団配属された。各爆撃団はB-2928機を1群とする爆撃機群4群で編成する計画であった1943年11月4日アーノルドUP通信取材に対して有力な武装持ち高高度飛行用に建造され新大爆撃機は、遠からず対日空襲乗り出すべく準備されるであろう」と答え日本側を威嚇している。 しかし、計画遅々として進んでおらず、インド中華民国飛行場建築はようやく1944年1月から開始されたが、中華民国には建設用の機械はなく、先乗りした第20爆撃集団搭乗員数千人の中国人労働者人力滑走路上の岩を取り除き敷き詰める石を割って数百人が引く巨大な石のローラー地面ならすといった人力頼み作業であったインドでも6,000人のアメリカ軍建設部隊それ以上インド人労働者投入されたが、悪天候重なり工事はなかなか捗らず、1944年4月までにどうにか2か所の基地完成させるのが精いっぱいであった飛行場建設よりも遥かに進んでいなかったのがB-29製造であり、1944年1月中旬までに97機が完成していたが、そのうち飛行可能なのはわずか16機という惨状であった1944年2月に自らジョージア州マリエッタB-29工場状況確認したアーノルドは、技術者追加派遣するなどの対策講じたその後第20爆撃集団ウルフ3月10日インド派遣することとしていたアーノルドは、3月8日ベネット・E・マイヤーズ参謀長連れて第20爆撃集団出発するカンザス基地訪れたが、3月10日発進できるB-29が1機もないとの報告受けて愕然としたアーノルド航空技術勤務部隊司令部飛び込むと「一体、どうなっているんだ、誰がこれを監督しているんだ」「誰もやらんのなら、俺がやる」と激高して詰り翌朝までに、不足なものの全部リストをつくれ! 工場にそれがあるのか、いつそれが渡されるのか」と怒号指示したアーノルドはのちにこのときを「実情知って、私はゾッとした」「どの機も飛べる状態になかった。非常手段をとらなければ中国への進出不可能だった」と振り返っている。 アーノルド強権行使してその非常手段実行した。まずは参謀長マイヤーズ現場指揮官任命して製造指揮統一化はかったマイヤーズ陸軍航空用各種部品製造調達詳しく調整はうってつけの人物であったマイヤーズは早速自ら航空部製造各社直接交渉してB-29部品の調達辣腕振るった航空部品などのメーカーは、不足している備品部品類を納入するまでは、他の一切のものを中止するように命令されるという徹底ぶりであった。これら集められ部品荒れ狂う吹雪の中、露天飛行場並べられB-29昼夜問わず取り付けられた。あまりの労働環境劣悪さ作業員ストライキ起こす寸前であったが、マイヤーズ労働者愛国心うったえてなんとか収まるという一幕もあった。このB-29集中製造作戦は『カンザスの戦い』と呼ばれることとなり、3月下旬に、最初B-29完成しインドにむけて出発すると、その後B-29続々完成し4月15日にはインド向かったB-29150となった完成したB-29アメリカを発つと、ドイツ軍にはB-29ドイツ攻撃用思い込ませる一方日本軍にはインドに送る計画秘匿するため、わざわざいったんイギリス経由してインドまで飛行することとした。1944年4月15日に、そのB-29ドイツ空軍偵察機発見アメリカ軍目論見通り高性能迎撃極めて困難な新型爆撃機B-29見たドイツ空軍狼狽し高々度戦闘機導入や更に革新的なジェット戦闘機Ta183新規開発急がせることとなるなど、アメリカ側陽動作戦まんまとはまってしまった。

※この「カンザスの戦い」の解説は、「B-29 (航空機)」の解説の一部です。
「カンザスの戦い」を含む「B-29 (航空機)」の記事については、「B-29 (航空機)」の概要を参照ください。

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