カペラ
カペラとは、星座の馭者座のなかでいちばん明るく輝く主星座の名前である。ローマ神話によれば、4輪馬車発明の功績でアテネの王となり星になった人の名前だという。初代モデルは1970年5月にデビュー、風のカペラとして勇名を馳せた。
ボディタイプは4ドアセダンと2ドアクーペで、エンジンは1.6Lのレシプロと新設計の12A型(573×2ローター)を載せていた。もともとはロータリーエンジンのために企画したクルマだが、進歩的なエンジンに一抹の不安を抱くユーザーを勘案して、レシプロ車と2本立てのかたちをとったともいわれる。
12A型REは126psの最高出力を発生し、最高速190km/h、0→400m加速が15.7秒(デラックス)という、目覚ましい動力性能を示した。東京店頭渡し価格は69万8000円から84万5000円。クーペの助手席には、メモリー付き前進シートを装備していた。
70年10月、レシプロの廉価版1.5Lエンジン車を追加発売。71年1月には、セダン1.6LにAT車設定。10月、世界初のオートマチック・ロータリー、Gシリーズ発売。日本自動変速機(JATCO)製の6ポジションATはREマチックと呼称した。
74年2月、2代目発売。エンジンタイプで5つ(12A型ロータリー2種、レシプロ1600、1800、1800AP)、ボディがセダンとクーペ、それにミッションを組み合わせて18機種のワイドバリエーションが誕生した。もちろん、内外装も一新。公害対策車の設定も話題だった。
78年10月、フルモデルチェンジで3代目に進んだ。フロントエンジン・リヤドライブで、セダンと2ドアハードトップクーペがそろっていた。エンジンはレシプロだけとなり、1.6Lと1.8Lが選べた。ワーニングパネルの採用が新しかった。79年3月、レシプロの2L車を追加設定した。最高級シリーズで、セダン、ハードトップ車に搭載モデルがあった。
4代目は82年9月に世に出た。駆動方式がFFとなったことが注目点で、セダンと2ドアクーペ車を用意し、エンジンはレシプロの1.6L、1.8L、2Lをそろえた。83年6月、特別限定車アラン・ドロンバージョン、9月にはセダンに2Lマグナムディーゼルエンジン搭載車発売。10月、2Lディーゼルエンジンのターボ仕様を追加した。セダンとクーペに設定があった。
85年5月のマイナーチェンジでは、従来からのセダン、クーペの内外の変更に加えて、5ドアハッチバック車の新設があった。2Lエンジンは消えた。
87年5月、フルモデルチェンジ、5代目となった。セダン、クーペ、5ドアハッチバックの3ボディに。エンジンはレシプロの1.6L、1.8L、2Lと、2Lディーゼルというラインアップ。このディーゼル・ユニットに装着したプレッシャーウェーブスーパーチャージャー(PWS)というシステムが、量産車初の試みとして話題となった。世界初の車速感応型4WS採用も注目を集めた。車速と前輪の舵角に応じて後輪操舵を電子制御するシステムで、同位相、逆位相に切り替わった。5ドアハッチバック車にフルタイム4WDを設定したのもニュースだった。
88年3月には、ワゴン車をカーゴの名で発売した。すでに市販していたバンを乗用ワゴンに仕立て直したもの。3列シートで定員7名、1.8Lエンジン搭載。90年1月、ワゴンの2000GT・4WD車を追加。93年9月には、限定車として2L・PWSディーゼル4WD車も発売した。このタイプの有用性は高かった。
94年8月、6代目誕生。旧カペラの後継車はクロノスになったが、このとき、5ナンバーのカペラがもどってきた。4ドアセダンだけで、エンジンは直4・DOHCの1.8Lと2L。2L搭載車にはフルタイム4WDの設定があった。10月、ワゴンをマイナーチェンジし、ハイルーフに変えた。エンジンはガソリンが1.8Lと2L、そしてPWSディーゼルで、駆動方式はFFとフルタイム4WD。96年7月にもワゴンを一部変更し、FXクルージング(4WD車)とSXクルージング(FF車)を追加した。
97年8月、7代目になった。5ナンバーサイズで、まずセダンがデビューした。エンジンは直4・DOHC・16バルブでEGRを大量に行うダイリューテッド・バーン希薄燃焼方式の1.8L125psと2L170ps(4WD用は140ps)がそろった。FF車にはトラクションコントロールを標準装備。11月、ワゴンもフルチェンジした。ホイールベースはセダンより60mm長い2670mmとなり、後席のニールームに余裕が生まれた。シートを倒せばカーゴルーム増大にもつながった。助手席バックレストは水平にしてテーブルにできるなど、新しい工夫がみられた。エンジンは直4が1.8L・125ps、2Lの140/170psがあり、駆動方式はFFと4WD。4WDの上位グレードには、リヤサスペンションのセルフレベリング装置が標準となった。
98年7月、直噴の2Lディーゼルターボエンジンを追加。最高出力は100ps。セダンとワゴンに設定車を設けた。
99年10月、マイナーチェンジ。ファイブポイントグリルを採用したほか、スポーティグレードにエアロパーツを標準装備、室内ではメーター、ステアリングのデザイン変更などを行った。エンジンも2Lハイパワー版(170ps)の設定機種を拡大、アクティブマチックの採用などもあった。2001年2月には、ワゴンにV-RXスポルト(V6・2.5L・4WD)、SXスポルト(直4・2L・FF)という2種のスポーツモデルを追加、車種の充実をはかった。12月には、さらにSXスポルトⅡというモデルも設定したが、2002年5月のアテンザ登場で長い歴史に終止符を打った。
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