エダルジ事件とは? わかりやすく解説

エダルジ事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 18:45 UTC 版)

アーサー・コナン・ドイル」の記事における「エダルジ事件」の解説

その最初事件バーミンガムに近いグレイト・ワーリー(英語版)で発生した「ジョージ・エダルジ事件」だった。これは1903年中、6か月わたって同地家畜牛馬たちが何者かによって腹を裂かれ殺害され事件だった(傷口浅かったものの長く家畜たちは出血多量死んでいた)。 地元警察から疑われたのは、インド系弁護士ジョージ・エダルジだった。エダルジはこれまで散々人種差別晒され地元警察住民から忌み嫌われてきた人だった。上記事件発生するとエダルジを犯人告発する怪文書地元警察住民出回った警察はこの怪文書もエダルジの自作自演判断し、エダルジの自宅家宅捜索した。そして血痕らしき小さなシミと馬の毛がついたスーツ発見されたとして、エダルジを家畜殺害容疑者として逮捕した怪文書筆跡もエダルジの筆跡であると鑑定された。裁判かけられたエダルジは有罪判決を受け、石切場での7年重労働刑に処された。 しかし警察依頼した筆跡鑑定官は別の事件の裁判でもいい加減な鑑定をしたことで悪名高い人物であり、しかもエダルジが石切場重労働させられている間にも家畜殺される事件発生したため、エダルジ冤罪説強まり内務省再審請求殺到した内務省1906年10月にエダルジを仮釈放したものの、仮釈の理由説明せず、有罪判決取り消したわけではなかった。このやり口憤慨したエダルジは新聞で自らの冤罪訴えた。 これを読んで事件関心持ったドイルは、裁判記録調べ犯行現場視察し、またエダルジ本人とも会見したドイルはエダルジと会った瞬間彼の無罪確信したという。ドイルがエダルジを訪問したとき、エダルジは眼を近づけて横にずらすように新聞読んでいるところだったが、かつて眼科勉強をしていたドイルは、この様子を見て彼がメガネでも矯正できないほどの強度近視かつ乱視だと見抜いたという。そのため彼が闇夜野原の中から家畜場や家畜位置特定して傷つけることなど不可能と考えたのだったドイル証拠洗い直し行い警察ずさんな捜査実態次々と暴いた。エダルジが書いた鑑定された怪文書別の筆跡鑑定人ところに持ち込んだ結果、エダルジの筆跡ではないという鑑定結果得られた。上着の馬の毛については、その衣服警察署運ばれる途中に馬のなめし皮入りの袋に入れられたために付着しただけであると突き止めたまた、同じく衣服付着していた血痕らしきシミについては「どんなに腕のいい暗殺者でも暗闇で馬を引き裂いて3ペンス銅貨2つ血痕しか付かないなどということはあり得ない」と問題視しなかった。 著名な作家コナン・ドイル事件出版したことで事件へ国内外注目大い高まったアメリカ合衆国の『ニューヨーク・タイムズ』は一面報道している)。そのためイギリス政府としてもこの事件いい加減なままにしておくことはできなくなり1907年春に事件再調査を行う「エダルジ委員会」が設置された。しかしそのメンバーには警察都合いい人物が入れられていたため、委員会家畜殺しについてエダルジの無罪認めつつも、怪文書書いた件については有罪を覆さなかった。その結果、エダルジは特赦を受けつつ、「ある程度までエダルジの責任」とされて、3年間の重労働刑についての刑事補償認められなかった。ドイルはこれにがっかりし役人のかばい合い体質批判するとともに、この事件イギリス裁判汚点となるだろうと主張した

※この「エダルジ事件」の解説は、「アーサー・コナン・ドイル」の解説の一部です。
「エダルジ事件」を含む「アーサー・コナン・ドイル」の記事については、「アーサー・コナン・ドイル」の概要を参照ください。

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