エダフォサウルス科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/28 07:00 UTC 版)
エダフォサウルス科 | ||||||||||||||||||||||||
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||
石炭紀後期 - ペルム紀前期 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Edaphosauridae Cope, 1882 | ||||||||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||||||||
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エダフォサウルス科(エダフォサウルスか、Edaphosauridae)は、古生代石炭紀後期からペルム紀前期にかけて生息した初期単弓類の絶滅した分類群。単弓綱・盤竜目・真盤竜亜目に属する。初期の昆虫食あるいは肉食のイアンタサウルスと、後期の植物食盤竜類であるエダフォサウルス、そして両者の中間型と思われるグラウコサウルスの3属が属する。
形態
帆
エダフォサウルス科の特徴として上げられるものの一つに、伸長した神経棘がある。この神経棘には帆が張られていたと考えられる。その用途としては、性的ディスプレイおよび体温調節のための熱交換器としてであったとされる[1]。こういった帆はディメトロドンなども持っているが、最大の相違点は棘突起から突き出た多数の横突起である。この突起は前部のものほど発達が著しく、尾部に向かうにつれ貧弱になっていく傾向がある。そのため、これは前から見られる事を前提としたものであるとされ、彼らはこれによって個体間の識別をしていたといわれる。こういった特徴を有する帆は、イアンタサウルス、エダフォサウルスがともに持っている[2]。また、グラウコサウルスは、発見されたのは頭蓋の一部のみであるが、前出の二者の中間的な形態から、同様の帆を持っていたと思われる。
食性
エダフォサウルスは、二次口蓋こそ持たないものの、大きくスライドする顎関節、口蓋部の多数の歯など、極めて洗練した植物食への適応を見せた。かれらはディアデクテスなどとともに最初期の陸生植物食脊椎動物とされたが、系統状は孤立した存在であり、長らくその起源は謎とされてきた[3]。しかし1986年にイアンタサウルスが発見された。この生物は小型で昆虫食あるいは肉食であり、エダフォサウルスの祖先、あるいはそれに近縁な生物であったと思われる。つまり、エダフォサウルス科は、昆虫食などの小型の生物から植物食に移行するにつれ大型化していった生物であるといえる[4]。
上記の口蓋部の歯は、一般に両生類的な特徴とされる。しかし、イアンタサウルスには存在しないことから、エダフォサウルスの歯は、二次的に獲得したものと思われる[5]。
分布
分類
上位分類
- 単弓類 Synapsida (盤竜類 Pelycosauria)
- 真盤竜亜目 Eupelycosauria
- オフィアコドン科 Ophiacodontidae
- エダフォサウルス科 Edaphosauridae
- スフェナコドン類 Sphenacodontia
- 真盤竜亜目 Eupelycosauria
主な属
脚注
関連項目
- カセア科 - 植物食盤竜類で、カセアサウルス亜目に属する。ペルム紀前期のエダフォサウルス科の絶滅後、その大型植物食動物というニッチを引き継いだ動物の一つ。かつてはエダフォサウルス科に入分類されていた事もあるが、遠縁である事が判明した。
- 絶滅した動物一覧
参考文献
- 金子隆一『哺乳類型爬虫類 : ヒトの知られざる祖先』朝日新聞社〈朝日選書〉、1998年、55-66頁。ISBN 4-02-259709-7。
外部リンク
- エダフォサウルス科(中級者による切手分類)
- Edaphosauridae
エダフォサウルス科
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/17 21:06 UTC 版)
真盤竜類の中でも最も草食に適化したのが、エダフォサウルスである。大きく前後にスライド可能な顎関節や口蓋部の多数の歯、カセア類程ではないが樽の様にでっぷりとした胴体など、盤竜類の歴史の中でもごく初期段階の種であるにも関わらず、極めて洗練された植物食への適応を見せる。ただし、ディアデクテスの様な二次口蓋は持たなかった。また、帆を持つ事で体温を一定に保つことができたと思われる。この時期、ディメトロドンなどのスフェナコドン科や両生綱・分椎目のプラティヒストリクスなども帆を持っていた。
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- エダフォサウルス科の標準属
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