ウーンデッド・ニー占拠での攻防
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「ディック・ウィルソン (オグララ族)」の記事における「ウーンデッド・ニー占拠での攻防」の解説
OSCROとスー族、AIMの老若男女は、ウーンデッド・ニーでスー族相手に暴利をむさぼる白人業者ギルダースグレイブのウーンデッド・ニー交易店を占拠し、部族民から巻きあげた権利書や年金小切手を奪還した。続いて向かいにある聖心カトリック教会を占拠し、塹壕を掘ってここを本拠とした。 ウィルソンはグーンズ、BIA警察、州警察、FBIの250人を超える包囲隊を結成した。ポーキュパイン村に、ペンタゴンの指令を受けて、全米から派遣された連邦憲兵隊が殺到した。米軍はウィルソンのために、M113装甲兵員輸送車を16台、戦闘用ヘリコプター3機、F4ファントム戦闘機を投入し、現代アメリカにおけるインディアン民族の決起は、全世界に衝撃を与えた。かれらの占拠に呼応した南米ブラジル、チリ、アルゼンチンの少数民族がデモ行進を行い、全米からインディアンや支援白人が占拠に加わった。 ウィルソンは彼に批判的な地元紙「シャノン郡ニュース」の発行人宅を爆破し、発行人の妻を負傷させ、編集所を破壊した。「シャノン郡ニュース」はウィルソンのことをいつも、「馬鹿用の飲み薬をあてがわれて出世した、BIAの能なし間抜け」と呼んでいた。一方、インディアン支援の動きも広がり、3月7日には支援物資の飛行機投下が行われ、ウィルソンを怒らせた。 この日、占拠団は連邦政府に初の交渉を呼びかけたが、合衆国はこれを拒絶し、「降伏なければ全面攻撃する」との通告を出した。対するインディアンたちはパイプを回し飲みして精霊に誓い、戦いの歌を歌って決死の姿勢を取った。流血の機運は高まり、これを伝えるテレビの報道番組の視聴率は90%を超えた。ホワイトハウスには攻撃中止を訴える電話電報が殺到したが、その数はケネディ大統領暗殺以来のことだった。 3月11日、オグララ族はウィルソンに対抗し、「オグララ国独立宣言」を公布。全米の黒人団体、チカーノ団体が占拠支持を表明、占拠地を表敬訪問し、全米の報道がその動向を刻一刻と報じた。ウィルソンはマスコミにこう答えて見せた。 「間違いなくウーンデッド・ニーで誰かが死んでいくのさ。奴らが死んだとしても、さぁて、そんなものはボールが弾むのと同じこった。」 「この占拠は共産主義者による、役人、州知事の辞職を迫り、社会を混乱に陥れようという長期的な陰謀だ。我々はこれに対抗して愛国義勇軍として18歳以上の頑健な男子を募集する。ぜひ参加して欲しい。 指揮官には海兵隊のチェスティ・プラー将軍を招くつもりだ。我々が君たちを組織化し訓練しよう。連邦政府が腰砕けとなれば、我々がウーンデッド・ニーを攻撃し、トカス(インディアン)、ワシチュース(白人)、ハサパス(黒人)、スピオラス(ヒスパニック)、そしてヒッピーを殉教者として皆殺しにしてやろうではないか」 4月17日に再び大規模な支援物資の飛行機投下が行われ、また地上では徹底的な検閲のなか、夜陰に紛れて援助に訪れるインディアンを始め、多人種グループは引きも切らなかった。このなか、4月27日に支援参加したチェロキー族・アパッチ族のフランク・クリアウォーターが射殺された。クリアウォーターは命を捧げたウーンデッド・ニーに埋葬されることを望んだが、ウィルソンはクリアウォーターがスー族でないことを理由に埋葬を許可しなかった。同じく射殺されたオグララ族のバディ・ラモントの埋葬も阻止しようとしたが、これは果たせなかった。 1973年5月8日、71日間にわたる占拠を解いて、占拠団は撤退を開始し、「ウーンデッド・ニー占拠抗議」は終わった。
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ウーンデッド・ニー占拠での攻防
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「グーンズ」の記事における「ウーンデッド・ニー占拠での攻防」の解説
1973年2月27日にAIMとOSCROが決行した「ウーンデッド・ニー占拠」で、ウィルソンはBIA警察、州警察、FBIに応援を依頼。250人を超える包囲隊を結成した。またペンタゴンの指令を受けて、全米から派遣された連邦憲兵隊が殺到した。 米軍はウィルソンのために、M113戦車を16台、戦闘用ヘリコプター3機、F4ファントム戦闘機を投入し、グーンズを支援した。グーンズは占拠地を包囲するための障害物設置を行い、接近する占拠支援者の銃撃を任じた。
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