木曽塗の製作用具及び製品とは? わかりやすく解説

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木曽塗の製作用具及び製品

名称: 木曽塗の製作用具及び製品
ふりがな きそぬりのせいさくようぐおよびせいひん
種別 生産生業用いられるもの
員数 3,729
指定年月日 1991.04.19(平成3.04.19)
所有者 塩尻市
所有者住所 長野県しおじりし
管理団体名:
備考 材料関係178点,木地関係1100点,塗関係490点,加飾関係398点,製品1022点,販売217点,職人生活149点,信仰儀礼87点,その他88
解説文: 漆器の国と呼ばれてきた我が国には、各地特色ある塗物産地形成され洗練された漆芸を生みだす基盤となり、あるいは人々の生活潤い与え器物用具類供給してきた。木曽塗の産地楢川は、数多くある漆器産地一つで、主として材を用い曲物木地材を用い指物による堅牢簡素な木地漆器産地として知られる
 木曽塗の起源について諸説があるものの、必ずしも明確ではない。近世以降で、当地では姫街道とも呼ばれた中山道沿いに位置することから、旅人の手軽な土産品として塗需要高まり見せ一時問屋軒を並べるなど今日隆盛を見る基盤になった
 この木曽塗の製作用具及び製品は、楢川村が約二〇年の歳月をかけて収集し整理したものであり、木曽路にあっては他の追随許さぬほどに充実している。その内容は、漆器製作の材料関係用具木地関係用具、塗関係用具加飾関係用具とそれを用いて作られ製品をはじめ、関係の販売用具、職人生活用具及び信仰儀礼用具などで構成されている。それらは、製作工程基軸体系的にとめられており、相互に補完し合って木曽塗の変遷実態特色を語るにふさわしいものとなっている。
 このコレクション収められている製作用具には、特色あるもの数多くある。材料関係用具では、本堅地下地付け効果発揮した地元産の錆土【さびつち】(鉄分の多い気泡性のある土)の採取用具一式含まれているほか、木地関係用具では、曲物木地用具・挽曲物木地(鋸で切り込み入れてから曲げた木地用具質量ともに充実していることが注目をひく。また、ハビキノコ(歯挽き鋸)・ザル(笊)などに見られる櫛木用具きわめて珍しく手仕事繊細さ器用さ彷彿とさせるのである。塗関係用具では、いわゆる春慶塗、本堅地塗及び変塗応じた用具収集されており、各々製作工程細部を知る上で貴重なのである加飾関係用具では、沈金用の様々なノミ(鑿)など輪島塗会津塗など他の漆器産地との技術伝播ないし交流のあった証となるものが目につくさらには、絵関係では、手描き用のフデ(筆)のほか、判押し用のインバン印判)などその需要にいかに腐心したかの一面物語るものが含まれている。
 それら製作用具を駆使して出来上がった製品には、曲物木地メンパ弁当入れ)・ボン(盆)、挽曲物木地素材としたカクメンパ(角型弁当入れ)・ソウワゼン(宗和膳)、指物木地ジュウバコ重箱)や各種の膳類、変塗製品としてのザタク座卓)及び京型・大月型・おはつ型等の多様ななどが収められている。それら製品は量・質ともに優れたもので、木曽塗の特色うかがわせる同時に楢川人々がいかに創意工夫凝らして、その製作に打ち込んできたかの軌跡をしめすものでもある。
 関係の販売用具では、店売りあるいはタナ売り(卸)の実際に使われ看板商品印、出荷印、ツボ売り行商)用の塗見本大風呂敷などが収められている。それらは漆器販売具体相を伝えるものであるまた、職人生活用具には、仕事場職人日常生活実際を知るために不可欠な仕事着飲食器・家具などを、信仰儀礼用具には、年季明け仕事始めなどの儀礼関わるものを網羅している。
 この木曽塗の製作用具及び製品は、自然条件社会環境巧みに摂取しながら、特色ある製品世に供給してきた地場産業関係のコレクションとして貴重であるばかりでなく、各地点在する漆器産地に伝わる用具製品比較資料としても重要である。
 よって、重要有形民俗文化財指定し保存図ろうとするものである



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