『肩をすくめるアトラス』とオブジェクティビズムとは? わかりやすく解説

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『肩をすくめるアトラス』とオブジェクティビズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 15:02 UTC 版)

アイン・ランド」の記事における「『肩をすくめるアトラス』とオブジェクティビズム」の解説

水源』(The Fountainhead)出版後ランド数年にわたり読者から多数の手紙を受け取った読者中には、この小説から深い影響受けた者もいた。1951年ランドロサンゼルスからニューヨーク転居した。ニューヨークでランドは、こうした崇拝者たちのグループ自分のそばに集めた。このグループは、社会主義国家における集産主義組織意味する「The Collective」(集団)を(冗談で)自称した。このグループには、後の連邦準備制度理事会議長アラン・グリーンスパン (Alan Greenspan) や、若い心理学学生ネイサン・ブルメンタル(Nathan Blumenthal、後のナサニエル・ブランデンNathaniel Branden)とその妻バーバラ (Barbara) や、バーバラ従兄弟レナード・ピーコフもいた。当初このグループは、週末ランドアパート訪れ思想的議論をする友人同士の、形式張らない集まりだった。その後ランドは、新し小説肩をすくめるアトラス』(Atlas Shrugged)の原稿書きながら、この小説草案をこのグループ読ませるようになった1954年には、年下のナサニエル・ブランデンとの親密な関係が愛人関係発展した。この関係はランドとプランデンそれぞれの配偶者同意に基づくものだった1957年出版された『肩をすくめるアトラス』(Atlas Shrugged)はランド最高傑作になったランドはこの小説テーマを「人間存在における精神役割と、そこから導き出される新しい道思想、すなわち合理的利己道徳提示」と説明している。『肩をすくめるアトラス』では、ランドオブジェクティビズム思想中心テーゼ唱道され、人間による達成に関する彼女の考え表現されている。この小説では、ディストピア化したアメリカ合衆国で、トップレベル創造性を持つ実業家科学者芸術家ストライキ決行し山岳地の奥に密かに独立自由経済社会建設する。この小説主人公ストライキ指導者であるジョン・ゴールトは、このストライキを、国家の富と達成に最も貢献をしている人々精神引き揚げることにより、「世界モーター止める」ことと述べる。この架空ストライキ通じランド表現しようとしたのは、合理的生産的な人々努力なければ経済崩壊し社会瓦解するということである。『肩をすくめるアトラス』は恋愛小説ミステリー、およびSF要素含んでいる。主人公ジョン・ゴールトが行長大演説は、ランド小説作品の中で、彼女のオブジェクティビズム思想を最も詳しく述べたのである多く否定的なレビューにもかかわらず、『肩をすくめるアトラス』は国際的ベストセラーになったジャーナリストマイク・ウォレス (Mike Wallace) によるインタビューの中で、ランド自分自身を「存命する中で最も創造的な思想家」と表現している。この小説完成後、ランド深刻な抑鬱症陥った。『肩をすくめるアトラス』はランド最後フィクション作品であり、彼女の人生の転換点であった。この作品をもってランド小説家としてのキャリアは終わり大衆的思想家として役割始まった1958年、ナサニエル・ブランデンは、ランド思想普及目的とする「ナサニエル・ブランデン・レクチャーズ」(Nathaniel Branden Lectures) を設立した。「ナサニエル・ブランデン・レクチャーズ」は、後に「NBI: ナサニエル・ブランデン研究所」 (Nathaniel Branden Institute) として法人化された。NBIメンバーは、同研究所講演会講演しランド編集する定期刊行誌論文寄稿したランドは後にこれらの論文いくつか書籍化して出版したNBI文化知的馴れ合いであり、ランドへの阿諛追従であった批判する者もいる。NBI批判者には、NBIの元研究生や、ブランデン自身含まれるNBIオブジェクティビズム運動自体が、カルトもしくは宗教であると述べる者もいる。ランドは、文学音楽から性、 髭に至るまで、幅広いトピックについて意見表明したランド追従者中には、彼女の好み模倣したり、彼女の小説の登場人物に合う服を着たり、彼女と同じよう家具買ったりする者もいた。NBI研究生多くは、ランド眼鏡に適わなかった。ランド研究生たちを厳格な基準に従わせた。自分同意しない者には、冷たく対応したり、怒り向けたりすることもあった。ただし、かつてのNBI研究生たちの中には、これらの行動誇張して伝えられており、問題があったのは、ニューヨークでランドと特に親しかった追従者との関係に限られていたと信じる者もいる。

※この「『肩をすくめるアトラス』とオブジェクティビズム」の解説は、「アイン・ランド」の解説の一部です。
「『肩をすくめるアトラス』とオブジェクティビズム」を含む「アイン・ランド」の記事については、「アイン・ランド」の概要を参照ください。

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