『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でのルウム戦役
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「一年戦争」の記事における「『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でのルウム戦役」の解説
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、「ルウム編」で開戦からジオン軍大勝までの経緯が詳細に描写されている。なお、日付は従来の設定と異なり、宇宙世紀0079年1月23日となっている。 ジオン軍のルウム進撃の意図を察知した地球連邦軍は、ルウム駐留のティアンム艦隊へジオン艦隊迎撃を命じると共に、地球からレビル将軍率いる主力艦隊をルウムへ向けて進発させた。その戦力は、ティアンム艦隊がマゼラン級戦艦15隻、サラミス級巡洋艦30隻など、ほぼジオン艦隊全軍に匹敵し、レビル艦隊はその2倍とされる。一方のジオン軍は、艦船数は1/3(ORIGINアニメ版では1/4)のうえ、マゼラン級を凌ぐ火力を持つ戦艦がグワジン1隻のみと圧倒的に不利な状況だった。 この事態に艦隊総司令官ドズル中将は、御前会議で「全艦隊を持って先発のティアンム艦隊を叩く」という作戦を伝えるが、実は連邦軍を欺くための芝居で真の狙いは主力のレビル艦隊にあった。この情報は連邦軍へリークされ、ルウムへの攻撃はないと判断した連邦軍はティアンム艦隊を全軍出撃させてしまい、レビル艦隊もジオン軍との艦隊決戦に急行することに決した。その結果ルウムはほぼ無防備な状態におかれた。 ティアンム艦隊がルウムから遠ざかったのを見計らったジオン軍は、密かに赤い彗星ことシャア・アズナブル中尉率いるモビルスーツ部隊(特別機動大隊)を派遣し、各バンチにあるベイを次々と破壊していった。ルウムからの救援要請が連邦軍艦隊に届いたのは、ドズル中将率いるジオン艦隊と先発のティアンム艦隊がまさに戦端を開こうとする直前だった。そのため、レビル艦隊は決戦を前にルウム救出のためワッケイン、カニンガム両将に艦隊の半分を割いて向かわせざるを得なくなり、レビル本隊とジオン艦隊の戦力比はほぼ1対1となる。同じ頃、ア・バオア・クー要塞から出撃した黒い三連星ことミゲル・ガイア中尉率いるモビルスーツ部隊(特別急襲大隊)は月を迂回して密かにレビル艦隊の後方へと回りこんでいた。 その後ティアンム艦隊とドズル中将率いるジオン艦隊の砲撃戦が始まり、序盤は火力で勝るティアンム艦隊がジオン艦隊を圧倒していたが、ジオン艦隊は巧妙に敗走と見せかけて散開。殿軍部隊が時間を稼いでいる間に、ティアンム艦隊を迂回して全速力で後方のレビル本隊へと向かった。このときティアンム中将は高濃度のミノフスキー粒子散布下でレーダーが使えないこともあってジオン艦隊の偽装を見抜けず、みすみす敵主力の転進を許してしまう。 ティアンム艦隊の後方で再集結したジオン艦隊は、「ジオン軍敗走」の報に油断しきっていたレビル艦隊に突入する。最初の一斉射でレビル将軍搭乗の旗艦アナンケが被弾し大破。それによって指揮系統が麻痺し連邦軍は大混乱に陥る。同時にレビル艦隊の後方に潜んでいた黒い三連星率いるモビルスーツ部隊を投入し連邦軍艦を次々と撃沈していった。レビル将軍は旗艦アナンケが撃沈され、ランチで脱出したところを黒い三連星により拿捕され捕虜となった。この時点でレビル艦隊はほぼ壊滅していた。 一方、陽動作戦でルウムへおびき出されたワッケイン、カニンガム両将の分艦隊はルウム目前の宙域でシャア中尉率いるモビルスーツ部隊の待ち伏せにあい、なす術もなく壊滅。このときシャア中尉は、パーソナルカラーの赤いザクIIを駆ってワッケイン少将の乗るマゼランを含む戦艦2隻、巡洋艦3隻の合計5隻を単独撃沈したことでルウム戦役最大の英雄となる。 この頃、ティアンム艦隊はジオン本国-サイド3へ進撃を続けていたが、レビル艦隊の危機に気づき撤退したためジオン軍勝利が確定した。実は、ティアンム艦隊の前方には観戦のため出陣していたデギン公王のグワジン級戦艦「グレート・デギン」1隻しかおらず、ジオン本国はほぼ丸腰の状態だった。 この戦いで地球連邦軍は宇宙戦力の80%を喪失し、制宙権はジオン軍の手に帰すこととなる。 なお、ルウム戦役終了後もルウム-サイド5では一部のコロニーでジオン軍へ抗戦していたが、ガルマ・ザビ少佐率いる空挺部隊によって制圧され、その後テキサス・コロニーを除く全てのバンチが破壊されたためルウム-サイド5は壊滅した。
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