『おくのほそ道』研究への影響とは? わかりやすく解説

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『おくのほそ道』研究への影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/30 07:47 UTC 版)

曾良旅日記」の記事における「『おくのほそ道』研究への影響」の解説

本書再発見されて刊行される前は、例え樋口功などはその著『芭蕉研究』において『雪丸け』などから旅行中発句の姿を見るべきとするなど、間接的な資料用いて考証行っていた。。刊行後は、各発句の初案形を知るには「俳諧書留」を参照すればよく、必須の資料となった山本本書世に出す際し端書に「如斯日記今日まで完全に残されてあつたことは私の思ひもつかぬ驚異であつた。奥の細道行脚の日より約二百五十年間芭蕉研究に於ける汗牛充棟も啻ならざる文書記録等にも、未だ嘗て顕はれたことの無い史料である」と述べている。また志田同書序文において、「これによつて学会蒙る裨益蓋し大なるものがあろう」と評価し従来『青蔭集』などにおける記述疑いの目が向けられていたことについては、「今度随行日記が現はれて見るとこれが全く逆になり却つてこの随行日記存在立証するものになるのである」として、また様々な傍証挙げて曾良真筆間違いの無いものとしている。 この翻刻により『おくのほそ道』との間に多く齟齬指摘されることとなり、紀行虚構性、また制作意識の問題大きく取り上げられるようになったもとより志田本書再発見先立つ1942年に「芭蕉制作意識」と題して奥州行脚旅先残され書簡などから、明らかに旅程順に沿わず配置された句や季語変更した句があって旅行事実のままではなくて、『おくのほそ道』には作為虚構性が見られる世に問うていた。『国文学 解釈と鑑賞』1951年に『奥の細道曾良日記特輯号』を出し本書再発見巡り様々な学説併記した。中でも小宮豊隆は「曽良日記真実性」と題して芭蕉記録錯誤芭蕉記憶混淆はある。然し芭蕉による意識的な虚構の痕は少しも見られない」との信念表したが、後に杉浦井本農一阿部喜三男らが詳細に検討した結果紀行作為虚構性は明らかであると、広く学会定着した以後芭蕉おくのほそ道・付曽良旅日記』(萩原恭男校注 岩波文庫)や『新訂おくのほそ道・附曽良随行日記』(潁原退蔵尾形仂訳注 角川日本古典文庫)など『おくのほそ道注解書の多くで「元禄年日記」や「俳諧書留」を翻刻するようになった金森敦子正面から「曽良旅日記」の解説試み他の時代文献参照し、旅をし、種々の発見をした。おくの細道行程450前後である。曽良記した不定時法計算しなおし、今まで注目されていなかった、番所出入り注目した。距離、時間番所地方俳人動向をキーワードとした。また、芭蕉最初希望塩釜神社をみることであったが、これは無理で、随行者選ばれ曽良調査で、芭蕉の健康もあり、出発遅らせおくの細道歌枕探訪となった7月5日-7日陽暦8月19日)の項で、芭蕉立腹すのとあり、当時芭蕉置かれ立場がよくわかる。おくの細道156日間芭蕉怒り心頭発したのはこの日だけである。低耳が紹介状書いていたので(天屋弥惣兵衛へ)それを持って天屋訪ねたが、不快になって飛び出した天屋では2度わたって使用人走らせて戻って泊ってくれといったが、芭蕉怒りはおさまらなかった。天屋弥惣兵衛俳諧正統貞門派であるとかたく信じ次々と新風打ち立てている芭蕉異端者扱いにし、若さゆえに(35歳)ついトゲのある言葉を口にしたのかもしれない

※この「『おくのほそ道』研究への影響」の解説は、「曾良旅日記」の解説の一部です。
「『おくのほそ道』研究への影響」を含む「曾良旅日記」の記事については、「曾良旅日記」の概要を参照ください。

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