「フィルム・ノワール」という語の発明とは? わかりやすく解説

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「フィルム・ノワール」という語の発明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/22 07:04 UTC 版)

ニーノ・フランク」の記事における「「フィルム・ノワール」という語の発明」の解説

ニーノ・フランクは、1946年の夏にフランスの映画館に上映されアメリカ劇映画一群記述するために「フィルム・ノワール」という語を発明した、とたびたびクレジットされている。ジョン・ヒューストン監督の『マルタの鷹』、オットー・プレミンジャー監督の『ローラ殺人事件』(1944年)、エドワード・ドミトリク監督の『ブロンドの殺人者』(1943年)、ビリー・ワイルダー監督の『深夜の告白』(1944年)、フリッツ・ラング監督の『飾窓の女』(1944年)がそれである。ナチフランス占領時代アメリカ映画フランスでは許可されず、1946年夏というのは、フランス観客にとって、これらの大戦中のアメリカ映画観る最初機会であった1946年フランク仲間批評家ジャン=ピエール・シャルティエが2つのもっとも早い映画記事で、1940年代からのハリウッド犯罪劇を「フィルム・ノワール」と記述した。『Un nouveau genre 'policier': L'aventure criminelle(探偵ものの新ジャンル犯罪的冒険もの)』と題したフランク記事は、1946年8月に、社会主義学習雑誌レクラン・フランセ』に掲載された。同記事では、「感傷的なヒューマニズム」や「社会的な幻想」を排除し妄想狂のフレンチ・ノワールのテーマとしての暴力的な死のダイナミズム」を挙げ、「犯罪心理学女嫌い」のアメリカ的傾向注意を引いたフランク記事はこう述べている。「…これらダーク映画、これらフィルム・ノワールは、探偵映画通常の流れとの共通点なにもない…」。さらに「…これらダーク映画のためにふさわしい表示みつけだすのは困難であることを反映している」と述べている(リー・ホースレーの本からの英訳)。 同記事は、「フィルム・ノワール作品とは「…探偵映画ジャンル呼ばれていたもの属しているが、犯罪映画名づけるのが比較的よく、あるいは、もっとよいのは犯罪心理学映画であろう」と述べている。ジャン=ピエール・シャルティエのエッセイは、1945年11月から保守学習誌『ラ・ルヴュ・デュ・シネマ』に掲載された。同エッセイは『Les Américans aussi font des films noirs(アメリカ人フィルム・ノワールをつくる)』と題され、「フィルム・ノワールの共通の糸と彼がみなしたもの、ペシミズム人間性への嫌悪」と批評している。フランクシャルティエの「フィルム・ノワール」という語の使用は、おそらくガリマール社の「ハードボイルド探偵犯罪フィクション叢書セリ・ノワール」にインスパイアされたものであろう。同叢書には、アメリカ小説家による作品翻訳と、アメリカ犯罪小説スタイルモデルにしたフランス小説家著したものの両方含まれている。 フランス小説家コンビボワロー=ナルスジャック」の書いたいくつかの小説映画化されたが、彼らも「フィルム・ノワール」の語の発展のためになにがしかクレジットがされる価値があるだろう。ボワロー=ナルスジャック小説死者の中から』は、アルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』に翻案され、『悪魔のような女』はアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『悪魔のような女』へと翻案された。 チャールズ・オブライエンの調査では、「フィルム・ノワール」の語は1938年1939年フランスの映画レヴュー新聞記事使用されている。そこでは、マルセル・カルネ監督の『霧の波止場』(1937年)とジャン・ルノワール監督の『獣人』(1938年のようなフランス映画参照している。オブライエンは、1930年代末の記事に「フィルム・ノワールという露骨な祈りを1ダース見つけた述べている。『L'lntransigeant』紙では『霧の波止場』を「フィルム・ノワール」と呼び、『Action française』紙では1938年1月のフランソワ・ヴィネイユのレヴューで、『Le Puritain』(監督ジェフ・ムッソ、1937年)を「un sujet classique: le film noir, plongeant dans la débauche et le crime.(古典的な主題、つまりフィルム・ノワール放蕩犯罪のめりこむこと)」と呼んでいる。

※この「「フィルム・ノワール」という語の発明」の解説は、「ニーノ・フランク」の解説の一部です。
「「フィルム・ノワール」という語の発明」を含む「ニーノ・フランク」の記事については、「ニーノ・フランク」の概要を参照ください。

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