「フェイクロア」と主張される例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 10:06 UTC 版)
「フェイクロア」の記事における「「フェイクロア」と主張される例」の解説
ポール・バニヤンやペコス・ビルに加えて、ドーソンはアメリカの伝承英雄であるジョー・マガラック(英語版)をフェイクロアと定義した。架空の鉄鋼労働者であるマガラックは、1931年にオーウェン・フランシスが『スクリブナーズ・マガジン(英語版)』誌にて著した物語に初めて登場した。彼は、素手で溶けた金属からレールを作り出し、一日24時間を仕事に捧げるために結婚の機会も断り、非常に働いたために工場が閉鎖せざるを得なくなり、最後は強制的に無為にさせられたことで自棄になり、鋼の品質を改善するために工場の炉に身を投じたという、文字通りの鋼の男であった。フランシスは、その物語をピッツバーグにてクロアチア系移民の鉄鋼労働者から聞いたと発言している。彼らは「マガラック」という言葉は誉め言葉であると彼に話し、そして笑い、自分たちの言葉で話し合ったのでフランシスは話しかけなかったということを報告している。しかし「マガラック(hr:magarac)」は、クロアチア語では実際は「ロバ」を意味する侮蔑語である。 1931年以前にジョー・マガラックの物語の存在の痕跡は発見されていないため、フランシスの情報提供者は彼への冗談としてキャラクターを創作した可能性がある。1998年、ギリーとバーネットは「マガラックの物語が真にフェイクロアからフォークロアへの実質的な変化を果たした唯一の暫定的兆候」を報告したが、その重要性については局所的な文化アイコンとして記している。 フェイクロアと呼ばれる他のアメリカの伝承英雄には、オールド・ストーマロング(英語版)、フェボルド・フェボルドソン(英語版)、ビッグ・モス(英語版)、ボウレッグ・ビル(英語版)、ウィスキー・ジャック(英語版)、アニー・クリスマス(英語版)、コードウッド・ピート(英語版)、アントナイン・バラダ(英語版)、ケンプ・モーガン(英語版)が挙げられる。マーシャル・フィッシュウィックはこれらの広範囲にわたる文学の人物をポール・バニヤンの模倣であると説明する。加えて、学者のマイケル・I・ニーマンは、「新しい部族」がインディアンの様式を受け継いで星を守るという信仰である虹の戦士の伝説(英語版)をフェイクロアの一例として述べている。
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