「フィンガル」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 01:17 UTC 版)
コルマク王が治めるエーリン国(アイルランド)は、ロホラン(北欧)のスワラン王による侵攻を受けて、スコットランドのモールヴェン国のフィンガル王から援軍を求める。 (主要登場人物) フィンガル(英: Fingal; 蘇:Fionnghall): 上述。名は「淡い色の髪(金髪)の者」または「白い異邦人」を意味する。モルヴェン(「大きな山々」)は、おそらく創作の王国名。王都はセルマ「美しき展望」。おおよそハイランド地方本土の西沿岸と考えればよいが、詳しい地理については、下の節を参照。 コルマク王(英:Cormac; 蘇:Còrrmhac), :娘であるロスクランナ王女をフィンガルの最初の妃として嫁がせていたのでフィンガルとは姻戚関係にあった。(≒アイルランド文学でも、コルマク・マク・アルト王の娘グラーニアは、古くはフィンの妻と伝えられたと考えられている。) スワラン王:スタルノの子。(英:Suaran son of Starno; 蘇:Suaran mac Stàrno) オーディン神(英:Lodin; 蘇:Lòduinn)を信仰する、北欧よりの侵略者。≒アイルランドの(近世の)詩の題材ガルヴ・マク・スタルンと同一人物とされる。スワランというスカンジナビア風の名はゴットランドの似非王 Suarinus (サクソ・グラマティクス第1巻に登場)から借用されたらしい (クフーリンと身辺) クフーリン:セモ(セマ)の息子。(英:Cuchullin, son of Semo; 蘇:mac Sheuma)ここでは若輩のコルマク王を補佐するアイルランドの将。(≒原型はアルスター伝説の英雄クーフーリン。父親はスアルタム(英語版)だということになっている)。 ブラーゲル「白い胸」:スール・グランの娘。(英:Bragela, daughter of Sorglan; 蘇:Bhrài-gheal/Bhràigh-gheal, Nighean Shorghlain) (≒エウェル(英語版)はクーフーリンの正妻だが、クーフーリンは初対面したとき、エウェルの衣服の襟足からのぞく胸ぢのことを、詩的かつ婉曲的に語りかけた。またクーフーリンと関係をもったアイフェという女戦士がいるが、アイフェはクーフーリンと対戦し乳房をつかまれて担ぎ上げられ、降参してその子を産む。よって、この二人の女性とも「白い胸」という意味の名をもつ女性に転化させられた可能性がある)。 コナル (コルガルの息子)(英:Conall, son of Colgar; 蘇:Conall mac Cholgair)。クーフリンの戦友。 カルル(英:Carul; 蘇:Carull)。詩吟歌人(バルド)の名。特にクーフリンに仕える主任歌人。 (フィン王軍) クールチァ(英:Ca-olt; 蘇:Caoilte)。(≒カイルテ・マク・ローナーン(英語版)は、フィン・マックールの甥で俊足で知られる) ガル(モルニの子)(英:Gaul / son of Morni; 蘇:Goll / Mac Mhorni)。(「フィンガル 第三」, 「タイモーラ 第三」)。私怨を捨て、フィンガル王に仕えている(≒ゴル・マク・モルナ(英語版)は、フィアナ軍団の中でもフィンとはライバル派閥の長であり、のちにカルブレ王側に寝返る) ウリン(英:蘇:Ullin)。フィンガルのお抱えの歌人の長。 (スワラン軍) アールンの子(英:son of Arno; 蘇:Mhic Àirne)。スワラン(北欧軍)の斥候。父称のみで付け名は明かされない モール・ラーヴ(英:Mor-la 蘇:Mòr-làmh)。(「フィンガル 第二」)。スワラン(北欧軍)の使者か伝令。クーフリンの降伏を要求。 (その他) クルーゲル(英:Crugel; 蘇:Chrùthghil)。コナルに姿を現わす戦死者の亡霊。 ムールン(英:Morna; 蘇:Mùirn)。コルマク王の娘。 ドゥホマル(英:Du-chomar; 蘇:Dubh-chuimir)。ムールンに横恋慕してカーバッドを殺すのだが、その剣をムールンに見せるや、彼女に刺されてしまう。ドゥホマルは息あるうちに彼女も刺し殺し、それから命尽きる。
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