《気を付けて下さい》の敬語
「気を付けて下さい」の敬語表現
「気を付けて下さい」は、「下さい」がすでに「くれ」の敬語表現になっています。ただし、より丁寧な敬語にするのであれば、「お気を付けて下さい」「どうか気を付けて下さい」などの形がふさわしいでしょう。「気を付けて下さい」の敬語の最上級の表現
「気を付けて下さい」を最上級の敬語にするときは、「お気を付けて下さいませ」あるいは「どうかお気を付けて下さいませ」にしましょう。「気を付けて下さい」に接頭語の「お」をつけて、丁寧語の「ます」を加え、活用させた形です。「気を付けて下さい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「気を付けて下さい」をより丁寧な敬語にした「お気を付けてください」「どうか気を付けて下さい」といった文章は、ビジネスメールでも頻繁に使います。以下、例文を挙げていきます。「このプレゼンテーションにわが社の命運はかかっています。ミスがないように、どうか気を付けて下さい」
「出張、お気を付けて下さい。戻られたら良いお話を聞けるよう、お祈り申し上げます」
「最後になりますが、連日猛暑が続いております。課長も体調を崩されないよう、お気を付けて下さい」
「どうか気を付けて下さい。先方の担当者はなかなかに頑固なお方です。よほどのことがない限り、一度の提案だけで首を縦には振ってくれないでしょう」
さらに、親しい人、恩人への手紙でも「気を付けて下さい」の敬語は使用されてきました。以下、手紙で使う場合の例文を挙げていきます。
「来週、東京でお会いできることを楽しみにしています。事故にあったり、道に迷ったりせぬよう、お気を付けて下さい」
「今朝、宅急便で野菜を送っておきました。ただ、あまり日持ちのしないものも入っています。冷蔵庫に入れるのを忘れて腐らせないよう、どうか気を付けて下さいね」
「今年もインフルエンザが流行するようです。早寝早起きをして、健康を損なわないよう、お気を付けて下さい」
「気を付けて下さい」を上司に伝える際の敬語表現
「気を付けて下さい」を上司に伝える際は、可能な限り丁寧な表現を心がけましょう。最上級の「お気を付けて下さいませ」「どうかお気を付けて下さいませ」にしてみるのも無難な方法です。なぜなら、「気を付けて下さい」のように注意を喚起するフレーズは、本来なら目上の人間が下に使うものだからです。部下が上司に「気を付けて下さい」と言ってしまえば、偉そうなニュアンスになりかねません。ただし、「お気を付けて下さいませ」は口頭だと大げさになる可能性もあります。身近で信頼関係が築かれている上司相手なら、単に「気を付けて下さいね」という言い方でも失礼にはなりにくいでしょう。「気を付けて下さい」の敬語での誤用表現・注意事項
「気を付けて下さい」を敬語にするとき、「お気を付けて」に変換するのは要注意です。一応、「お気を付けて」でも敬語の形にはなっています。ただ、「付けて」の後にくる言葉を略した形なので、完全に正しい敬語とは断言できません。人によっては、敬語でない口調だと感じることもあるでしょう。また、仮に「お」を抜いて「気を付けて」にしてしまうと、尊敬語も丁寧語も含まれていない文章になってしまいます。敬語とはいえないので、「お気を付けて下さい」か「お気を付けて下さいませ」と言うほうが安全です。次に、「気を付けて下さい」の敬語を目上に使うときは状況にも注意しましょう。たとえば、病気や事故、災害などについて「お気を付けて下さいませ」と声掛けするのは相手への経緯になります。「尊敬している人の健康や安全が心配」という文脈であり、失礼にはなりません。ただ、相手が仕事や大きな舞台などに出向こうとしている際、「お気を付けて下さい」といった声掛けをするのは控えましょう。なぜなら、相手の能力を疑っているという意味に解釈されかねないからです。仮に最上級の敬語だったとしても、声掛けされたこと自体に相手は不快感を示すこともありえます。
相手が専門分野、得意分野に赴く際には、注意を喚起するようなフレーズが適切ではありません。「ご武運をお祈り申し上げます」「僭越ながら応援させていただきます」などの言葉で、相手の能力を信頼していると示しましょう。
「気を付けて下さい」の敬語での言い換え表現
「気を付けて下さい」の言い換え表現には、「気に留めて下さい」「注意して下さい」などがあります。いずれも、「集中してほしい」「緊張感を持ってほしい」といった意図を伝える際に使う言葉です。あえて違いを挙げるとすれば、「気に留めて下さい」は「覚えておいてほしい」と似た意味です。せめて記憶には残してほしい、という伝える側の切実な思いを表しているといえるでしょう。そのため、「気に留めて下さい」は目上の人に対して使う機会が多いフレーズです。一方、「注意して下さい」は直接的に「間違いのないよう意識的に行動しなさい」と示しています。「気を付けて下さい」よりも強い表現になるので、立場が同等以下の相手に使うことが可能です。なお、これらのフレーズをより丁寧な形にすると「お気に留めて下さいませ」「ご注意くださいませ」などになります。そのほか、「健康に気を付けて下さい」という文脈なら、「ご自愛下さい」という言い回しもあります。より丁寧な敬語では「ご自愛下さいませ」と書きます。
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