《気をもむ》の敬語
「気をもむ」の敬語表現
「気をもむ」とは、イライラして気が気でないときの心の状態を表した言葉です。まず相手をイライラさせてしまったときは「気をもませてしまい〜」というように、謝罪の意味も込めて丁寧語で表現します。また、自分がイライラしたことを相手に伝えるときは「気をもんでいます」や「気をもんでおります」というように表現します。このように、相手の気分を悪くさせてしまった場合と、自分の気分が悪いことを伝える場合と、大きく分けてこの二つの場面のどちらかで使います。また、どちらの場面で使うかによって表現方法が異なるので注意してください。「気をもむ」の敬語の最上級の表現
最上級の表現であっても「気をもませてしまい」や「気をもんでおられる」または「気をもんでおります」と表現するのが一般的です。また、尊敬の接頭辞「お」を付けて「お気をもませてしまい」などと表現してしまうと、少々くどく感じるので普通は使いません。どうしても、もっとしっかりとした敬語表現をしたいときは、類義語である「ご心労」とか「お心を煩わせる」を使うのもありです。「気をもむ」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
たとえば、新年度に上司へ挨拶メールを送るときは「新入社員の仕事ぶりを見ていると、ついつい気を揉んでしまいます」とか「今年度は気をもませることが無いよう頑張ります」といった表現が使えます。また、取引先に対してのお詫びするときに「このたびは納期が遅れ、気をもませてしまったこと深くお詫び申し上げます」や「契約の際に不手際があり気をもませてしまい、大変申し訳ありませんでした」と使うこともあります。他にも上司に謝罪するメールにて「昨日の会議では資料の内容に不備が多くあり、そのため気をもませてしまい申し訳ありませんでした」と使うこともあります。また、ひょっとして怒らせてしまったかもしれないという相手に対して、たとえば「先日のことで気をもんでおられるのではと思い、メールさせていただきました」と使うのもありです。取引先や上司の言葉を代弁する意味で「今回の契約後の対応について、大変気をもんでおれらました」とか「気をもんでおられたと伺いましたが、なにか不手際でもございましたでしょうか」というような使い方をすることもできます。
「気をもむ」を上司に伝える際の敬語表現
「気をもむ」というのは、上司をイライラさせてしまった場合と、自分がイライラしていた場合によって、表現の使い分けが必要です。たとえば上司の気分を悪くしてしまったときは「気をもませてしまい〜」と表現します。たとえば「契約の進捗状況の報告が遅れて気をもませてしまい、申し訳ありませんでした」と上司に対して使うのもありです。また自分の気分が悪かったときは「〜のため気を揉んでおりました」と表現するといいです。たとえば上司に報告をするときに「昨日は新入社員たちが遅刻するので、とても気をもんでおりました」というような使い方ができます。このように、上司か自分か、どちらが気をもんでいる状態だったのかを間違わないことが大切です。
「気をもむ」の敬語での誤用表現・注意事項
気をもむは「気」と「もむ」が組み合わさった言葉で、通常は「もむ」のほうを敬語表現をします。たとえば「もませてしまい」とか「もんでいます」や「もんでおります」という感じです。これに「お気を」と付けてしまうとクドい表現になってしまうので、普通は「お気をもませてしまい」とか「お気をもんでいます」や「お気をもんでおります」とは使いません。また、気をもんでいるのが自分なのか、あるいは相手なのか、これによって「気をもませてしまった」のか「気をもんでいる」のか使い分ける必要があります。さらに、気をもむことを「気がもめる」と表現することもありますが、この「もめる」を敬語で表現して「気がもまれる」とは使いません。このような使い方をすると受け身の表現になってしまい、意味がよく分からなくなるからです。気がもめるを敬語表現するときも「気がもんでいます」とか「気がもんでおります」と使ってください。
「気をもむ」の敬語での言い換え表現
「気をもむ」のことを「心をもむ」と言うこともありますが、意味はまったく同じの同意語。一般的には「気をもむ」と使うことの方が多いです。また「気をもむ」の類似表現として「ご心労」とか「心を煩わせる」といった言葉があります。まず「ご心労」についてですが、これは「心労」という言葉に、尊敬を表す接頭辞の「ご」をつけたものです。あれやこれやと心配して悩んだりするという「精神的な疲労」を意味します。たとえばビジネスシーンでは、精神的に疲れていたり、心配をかけてしまった上司や先輩に対して「ご心労お察しします」というように使ったりします。また「心を煩わせる」というのは、あれこれ思い悩むとか心を痛めるという意味の「煩う」に助動詞「せる」が付いた言葉。これを敬語表現にするときは「心」に尊敬を表す接頭辞の「お」をつけて「お心を煩わせる」とします。たとえば仕事上のことで、相手に心配をさせてしまったときに「お心を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」というような形で使います。
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