《思う》の謙譲語とは? わかりやすく解説

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《思う》の謙譲語

「思う」の謙譲語表現

「思う」は「(なんらかのことについて)ある考えを持つ、判断する決意する」「(人やものについて)気にかける、慕う、愛する」「(人やものについて)思い出す」「(眼前にないものを)推量する」などの意味持ちます

「思う」の謙譲語は「存じる」「存じ上げる」です。しかし現代では「存じる」「存じ上げる」を、そのままの形で使うことはできません。必ず丁寧語助動詞「ます」と一緒に、丁寧体で使われます。そのため「思う」の謙譲語は、「存じます」「存じ上げますとなります

「思う」の謙譲語の最上級の表現

通常敬語最上級表現最高敬語です。最高敬語天皇皇族、王や王族に対してのみ使う最上級尊敬語なります。従って、謙譲語には最高敬語存在しません。しかし天皇皇族に対しては、わざと1つ言葉2つの同じ種類敬語用いた二重敬語敬意表します。つまり謙譲語最上級表現は、二重敬語の「存じ奉る」です。これは「思う」の謙譲語の「存じる」の連用形に、謙譲を表す補助動詞奉る」がついた形です。

「思う」の謙譲語のビジネスメール・手紙での例文

先に述べた通り「思う」の謙譲語は、「存じます」と「存じ上げます」ですが、使える対象異なります。「存じます」は人以外のものや場所に対して使えますが、「存じ上げます」は人だけが対象です。

田中様のおっしゃることは、ごもっともだ存じます」と「田中様のおっしゃることは、ごもっともだ存じ上げます」は、対象が人なので使い方としてどちらも正解です。しかし「夕食時間は、6時からだと存じ上げます」は、対象が人ではないので間違いとなります。この場合は「存じます」を使って、「夕食時間は、6時からだと存じますとします

存じます」は考え伝えるときだけでなく、依頼感謝謝罪気持ち伝えるときにも使える表現です。「A社との合併は、時期尚早だと存じます」は自身考え伝えてます。ご都合合わせて来社いただける幸いに存じます」は、依頼するときの表現です。感謝の気持ち伝えるときは「歴史のある賞をいただき光栄存じます」などという使い方をします。このような事態となり、誠に遺憾に存じます」などが謝罪表現です。

「思う」を上司に伝える際の謙譲語表現

「思う」を上司伝え場合には敬意を表す対象考慮して謙譲語である「存じます」と「存じ上げます」を使い分ける必要があります。「A社との合併は、時期尚早だと存じます」は正し使い方ですが、「A社との合併は、時期尚早だと存じ上げます」は対象が人ではないので間違いです。一方社長ご指摘は、的確だ存じます」と「社長ご指摘は、的確だ存じ上げます」は、対象が人なので正し表現となります

「思う」の謙譲語での誤用表現・注意事項

存じます」「存じ上げます」はどちらも「思う」の謙譲語ですが、種類の違う謙譲語です。そのため、使える対象異なってます。存じます」は、「丁重語」とも呼ばれる特殊な謙譲語です。丁重語改まった場で、特定の個人ではなく場や聞き手読み手意識して使われます。ビジネスの場は改まった公の場であり、通常周囲他の社員がいるはずです。メールには、必ず読み手存在します。「存じます」はビジネスの場ならほとんどの場合使える使い勝手のよい謙譲語いえます

存じ上げます」は「思う」の謙譲語存じる」に、「上げる」という動詞がついた形です。「上げる」は、動詞連体形について複合語作ります。「上げる」がついたために「存じ上げる」は一般的な謙譲語として扱われ対象となる人に敬意を表す表現となります。「存じ上げる」が使えるのは人に対してだけなので、注意が必要です。

また、使い勝手がよいからといって存じます」を使い過ぎるのは考えものです。語尾文末が、すべて「存じます」では不自然です。慇懃無礼言葉通り、丁寧過ぎるとかえって嫌味になり礼を失することにもなります。「存じます」は言い換え言葉などを併用して上手に使いましょう

使い過ぎに注意したい表現としては、「させていただきたい存じます」もあります敬語としては正し表現ですが大変回りくどく多用する読みにくかったり、なにがいいたいかわからなくなったりします。「させていただきたい存じます」には「許可得て遠慮しながらする」という意味があるので、相手許可得たときのみに使いましょう

「思う」の謙譲語での言い換え表現

「思う」の通常の意味での言い換えには、「考える」「判断する」「決意する」などがあります謙譲語は、「存じます」と「存じ上げます」です。

気にかけるの意味言い換えは、「心にかける」「心配する」「配慮する」などがあります謙譲表現は、「お心にかけています」「ご心配しています」「ご配慮します」です。

「慕う」や「愛する」は相互に言い換えることができ、「お慕いしています」などが謙譲表現なります

思い出す」の言い換えには、「偲ぶ」などがあります謙譲語は「お偲びします」です。

推量する」の言い換えは、「察する」「想像する」などです。謙譲語にすると「お察しします」「拝察いたします」になります

《思う》の謙譲語

「思う」の謙譲語表現

「思う」を謙譲語表現する場合、「存じる」となるのが一般的です。「存じる」は、「思う」と「知る」謙譲語として使用される言葉です。「存じます」と表現すれば、「思います」の謙譲語として伝わります。そして、「思っています」を謙譲語にする場合は、「存じております」という形にします。存じています」でも文法上は問題ありませんが、「いる」の部分謙譲表現である「おる」にした方が、よりかしこまった表現となりますまた、より丁寧で、相手持ち上げ表現には、「存じ上げる」があります動詞に付く謙譲表現の「上げる」と組み合わせて相手対する強い敬意を示すことができます。ただ、一般的に存じ上げる」は、「思う」よりも「知る」の意味合い強いです。そのため、「思う」の謙譲語として用いた場合、その使い方次第では意味が伝わりにくいかもしれません。

「思う」の謙譲語での誤用表現・注意事項

「思う」の謙譲語として「存じる」を使用する場合間違った尊敬語混同しないよう注意が必要です。よくある誤用には、「ご存じおります」「ご存じでございます」といった表現あります。「ご存じ」という言葉は、厳密には「ご存知と書く、「知る」尊敬語です。そもそも「思う」の意味含まれていない上に、謙譲語でもありません。したがって、「思う」の代わりにご存じ」を使用すること自体が、表現として間違いです。しかし、謙譲語中には「ご~申し上げます」「ご~いたします」という風に、頭に「ご」を付け表現あります。そのため、それらと同じように、「ご存じ」を「思う」の謙譲語のつもりで使ってしまう恐れありますそのようなことにならないために、「ご存じ」はあくまでも尊敬語であると、しっかり覚えておきましょう

「思う」の謙譲語での言い換え表現

存じる」以外の「思う」の謙譲語表現には、「所存」があります。「所存」は「思い」や「考え」を意味する謙譲語で、「所存でございます」という使い方をすると、思っていることを示せます。ただ、「所存でございます」には、明確な意思持っているという意味合い含まれます。たがって、ただ漠然と物思いふけっているような状態を表す場合には向いていません。また、「思う」に謙譲語である「おる」を組み合わせた思っております」も、謙譲語表現として使用できます。「存じる」より砕けた表現なので、格式高い場面にはふさわしくない表現ですが、謙譲語であることに違いはありません。そして、直接「思う」を使用しているため、「存じる」のように「知る」混同されることがありません。したがってそこまでかしこまる必要がなく、誤解のない表現をしたい場合は、「思っております」を使用すると良いでしょう


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