《思います》の敬語
「思います」の敬語表現
「思います」は、「思う」と「ます」が結びついた敬語です。ワ行五段活用の動詞「思う」の連体形である「思い」に、丁寧語の助動詞「ます」が結びついています。敬語の種類は丁寧語です。「思う」の主な意味は、「なんらかのことについて考えを持つ」「(人やものごとについて)心にかける」「(人やものごとを)慕う、愛する」などがあります。敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語がありますが、「思います」は自身の行為なので敬語を使う場合は謙譲語か丁寧語になります。謙譲語は自分を下げて相手を立てる、敬意を表す表現です。丁寧語は、対等な立場で相手に敬意を表します。「思います」の謙譲語は「存じます」です。ザ行の上一段活用する動詞「存じる」の連用形に、丁寧語の助動詞「ます」がついた形です。「存じる」は謙譲語「ます」は丁寧語なので、敬語の種類が違うため二重敬語にはあたりません。
「思います」の敬語の最上級の表現
敬語の最上級の表現は、最高敬語で尊敬語の一種です。最高敬語は天皇や皇族、国王や王族に対してのみ使います。「思います」の場合は、自身が思っているので謙譲語のみです。「思います」の謙譲語は「存じます」ですが、天皇や皇族に対してはわざと同じ種類の敬語を一語に重ねた二重敬語にして敬意を表するとされています。そのため「思います」の最上級の表現は二重敬語となり、「存じる」と「奉る」の二重の謙譲語を使った「存じ奉る(ぞんじたてまつる)」です。謙譲の動詞「存じる」の連用形に、謙譲の意味を持つ補助動詞「奉る」がついています。「思います」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「思います」はもともと敬語なので、ビジネスに使ってもなんの問題もありません。社内メールなどでは「出欠の返信は、15日までにお願いしたいと思います」のような使い方ができます。しかし得意先やあまり接することのない上司など、改まって伝えたいときには謙譲語の「存じます」を使うとより敬意を表することができます。「先日ご提案いただいた日どりの件でございますが、15日で差し支えないと存じます」「創立50周年を迎え、今後もいっそう精進して参りたいと存じます」などのように使うことが可能です。「存じます」はこちらの意向を伝えるだけでなく、先方に感謝を伝えるときにも使うことができます。「御社からの的確なご提案、大変ありがたく存じます」「弊社のサービスを採用いただき、大変光栄に存じます」といった使い方です。
相手に依頼する場合は、「出欠の返信は、15日までにお願いしたく存じます」「弊社のサービスについて、ご意見をいただけましたら幸いに存じます」などのように使えます。
「思います」を上司に伝える際の敬語表現
「思います」は敬語の丁寧語なので、係長や課長などの身近な上司であれば「子供の熱が下がらないので、今日は休ませていただければと思います」といった使い方も可能です。接することの少ないかしこまった関係の上司であれば、より敬意を表することができる謙譲語の「存じます」が適切でしょう。「A社との業務提携については、慎重に判断した方がよいかと存じます」「会議の締めくくりとして、社長からお言葉をいただきたく存じます」「今回のプロジェクトに加われたことを、光栄に存じます」などのように使えば失礼がありません。「思います」の敬語での誤用表現・注意事項
「思います」の謙譲語は「存じます」ですが、「存じます」は「丁重語」と呼ばれる特殊な謙譲語です。一般的な謙譲語が自分を下げることで敬意の向かう相手を立て敬意を表すのに対し、丁重語は相手に対する敬意ではなく聞き手や読み手に対して敬意を表しています。つまりフォーマルな場や、聞き手や読み手がいることを前提として使う言葉です。対象が人に限定されず、ものや場所に対しても使えるのがポイントです。一方、「思います」のもう1つの謙譲語として「存じ上げます」があります。こちらは「存じる」に、複合語を作る動詞の「上げる」がついた言葉です。「上げる」の意味は謙譲です。「上げる」がつくことによって、一般的な謙譲語となり敬意の向かう相手に敬意を表します。「存じ上げる」が使えるのは、人に対してだけです。
ビジネスを含むフォーマルな場では、「課長のおっしゃることは、ごもっともだと存じます」も「課長のおっしゃることは、ごもっともだと存じ上げます」も間違いではありません。前者の場合はフォーマルな場なので丁重語が使われたと考えられ、課員など他にも聴衆がいる可能性があります。後者は、課長に対して敬意を表した謙譲語です。しかし、対象がものや場所の場合は注意が必要です。「津市は、三重県の県庁所在地だと存じ上げます」は、対象が人ではないので間違いとなります。
「思います」の敬語での言い換え表現
「思います」の敬語での言い換えは、通常の意味では「考えます」「信じます」「判断します」などがあります。「(人やものごとを)思います」という使い方なら、「気にかけています」「心配しています」などのように言い換えることが可能です。「好きです」「慕っています」「愛しています」などという意味の場合もあります。謙譲語では、「存じ上げます」や「存じます」と言い換えることができます。
《思います》の敬語
「思います」の敬語表現
「思います」は、敬語の中の丁寧語にあたる言葉です。具体的な考えや、感情を心にいだくという意味を持つ「思う」という動詞に、丁寧語表現である「ます」を組み合わせたもの。丁寧な表現ではありますが、相手によってはややカジュアルな印象を受ける場合もあります。そのようなケースでは、尊敬語や謙譲語を使うようにしましょう。尊敬語にした場合は、「お思いになる」や「思われる」といった表現になります。例えば、「どちらの作品が素晴らしいとお思いになりますか。」「この案件に関して、どのように思われますか。」などのように使っていきます。一方、謙譲語の場合は、「存じます」「所存です」という言い方です。「お忙しいとは存じますが、何卒宜しくお願いいたします。」「今後も、より一層、励んでまいる所存です。」などのように使います。「思います」の敬語での誤用表現・注意事項
「思います」を敬語表現にした際は、二重敬語にならないよう気を付けましょう。中でも、「お思いになられる」は、注意しておきたい表現のひとつです。「お思いになる」という敬語だけで、十分相手を敬う表現になっています。しかし、ここではさらに「なる」を「なられる」とし、同じ種類の敬語が重複しています。二重敬語は、誤用表現のため注意しましょう。そして、「思います」の謙譲語である「存じます」と似た表現に、「存じ上げます」というものもあります。「存じます」は、その対象がものやサービスの場合に、そして、「存じ上げます」は人が対象の場合に使う言葉です。シーンに合わせて使い分けるよう、注意しましょう。「存じます」は、ビジネスシーンでも使われることの多い表現です。しかし、やや堅苦しく感じられることもあるため、シーンに合わせて最適な言葉を選ぶようにしましょう。また、「存じます」は、「知っている」という言葉の謙譲語でもあります。「この件に関しては、存じております。」などのように、「存じております」と表現することも少なくありません。「思います」の敬語での言い換え表現
「思います」を敬語で言い換えると、次のような表現ができます。・~と思っていらっしゃる・~と思っていらっしゃいますか・~とお思いになられる・~とお思いになられますか・~とお思いのようです・~と存じておりましたが・~と存じます・~したく存じますが・~いただきたく存じます・~と存じ上げます・~は存じております・~は存じ上げております・~させていただく所存です・~させていただきたい所存です・~の所存であります・~とは存じますが- 《思います》の敬語のページへのリンク