たいりゅう‐けん〔タイリウ‐〕【対流圏】
対流圏
対流圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 07:49 UTC 版)
対流圏におけるオゾンの供給源は、対流圏での光化学反応による生成や、成層圏からの移流によるものである。対流圏のオゾンの存在量は大気中の全量の10%にも満たないが、酸化力が強く光化学反応に重要な役割を占めていること、赤外域にも吸収特性を持ち温室効果の原因となることから、大気化学の中では重要な意味を持つ。 また、対流圏のオゾンが高濃度になると、人体への影響がある。
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対流圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 06:20 UTC 版)
対流圏は最下層で最も密度の高い層であり、高度とともに気温は低下する。対流圏の最下層-300kmの320Kから最上層50kmの53Kまで低下する。対流圏の上界の気温は、実際は緯度によって49Kから57Kの範囲で変化し、最も低いのは南緯25°付近である。対流圏には大気の質量のほぼ全てが含まれる。また惑星からの遠赤外線での熱放射のほとんどを占めており、その実効温度は59.1 ± 0.3 Kである。 対流圏には複雑な雲の構造が存在すると考えられている。水の雲は50から300バール、硫化水素アンモニウムの雲は20から40バール、アンモニアまたは硫化水素の雲は3から10バール、メタンの雲は1から2バールの範囲に分布していると考えられている。ボイジャー2号の電波掩蔽実験で1.2から1.3バールの範囲でメタンの雲が直接検出されたが、その他全ての雲の層の存在は、未だ不確かである。硫化水素の雲の層は、硫黄と窒素の存在比が太陽の値0.16よりもかなり大きい時にのみ存在できる。そうでないと、全ての硫化水素がアンモニアと反応し、硫化水素アンモニウムを形成してしまい、その代わりにアンモニアの雲が3から10バールの範囲に存在することになる。窒素に対する硫黄の存在量が多いということは、硫化水素アンモニウムの雲が形成される20から40バールの領域でアンモニアが枯渇していることを示唆する。これは、水の雲の水滴中または深部にある水とアンモニアのイオンの海でのアンモニアの分解によって説明できる。 上の2つの雲の層の正確な存在位置については、いくらか議論がある。上述の通り、メタンの雲はボイジャー2号によって1.2バールから1.3バールでの存在が直接検出された。この結果は後にボイジャー2号の画像の解析で裏付けられた。アンモニアまたは硫化水素の雲の上端は、可視光及び近赤外光の分光データにより、3バールであることが分かっている。しかし、最近の1から2.3μmの波長の分光データの分析では、メタンの雲の上端が2バール、より低い層の雲の上端が6バールであることが示された。この矛盾は、天王星の大気中でのメタンの吸収に関する新しいデータが得られるようになって解決された。2つの上層の雲の光学的深さは、緯度によって変化する。両方とも極では赤道に比べて薄くなるが、2007年にはメタンの雲の層の光学的深さは、南極のpolar collarが所在する南緯45度で極大となった。 対流圏は非常にダイナミックで、強い帯状風、明るいメタンの雲、暗い斑点、季節の変化等が見られる。
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