硫化水素アンモニウムとは? わかりやすく解説

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硫化水素アンモニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/27 09:52 UTC 版)

硫化水素アンモニウム
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.031.974
EC番号
  • 235-184-3
PubChem CID
RTECS number
  • BS4900000
UNII
国連/北米番号 2683
CompTox Dashboard (EPA)
性質
[NH
4
]SH
モル質量 51.111 g/mol
外観 黄橙色の発煙液体(水溶液)、白色菱形結晶(無水物)[1]
密度 1.17 g/cm3[1][2]
沸点 56.6 °C (133.9 °F; 329.8 K)
混和性
溶解度 エタノール、液体アンモニア、液体硫化水素に溶ける。ベンゼン、ヘキサン、ジエチルエーテルに溶けない。
屈折率 (nD) 1.74
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
有毒
GHS表示:
Danger
H314, H400.
P260, P264, P273, P280, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P321, P363, P391, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 3: Liquids and solids that can be ignited under almost all ambient temperature conditions. Flash point between 23 and 38 °C (73 and 100 °F). E.g. gasolineInstability (yellow): no hazard codeSpecial hazards (white): no code
3
3
致死量または濃度 (LD, LC)
168 mg/kg (ラット, 経口)[3]
関連する物質
その他の
陰イオン
硫化アンモニウム
その他の
陽イオン
硫化水素ナトリウム
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  N ?)

硫化水素アンモニウム(りゅうかすいそアンモニウム、英語: ammonium hydrosulfide)は、(NH4)SH の化学式で表される化合物である。アンモニウムイオンと硫化水素イオンに由来するである。無色水溶性で雲母状の結晶となる。固体ではなく主に水溶液として存在する。硫化水素アンモニアを混合することで生成する。

生成

硫化水素アンモニウムの水溶液は、濃いアンモニア水溶液に硫化水素を通すことで生成する[4]。1895年の詳しい報告によると、硫化水素は室温で濃アンモニア水溶液と反応し、(NH4)2S・2NH4HS を生成した。この物質を0 ℃に冷却し、さらに硫化水素を加えると (NH4)2S・12NH4HS が得られた[5]。これを0 ℃に保ち、硫化水素を通し続けると硫化水素イオンを含む化合物が生成した。

一般的な悪臭弾は、硫化水素アンモニウムの水溶液である。この混合物は容易にアンモニアと硫化水素に分解する。この反応は次の式で表せる。

アンモニアも硫化水素も強烈な悪臭を発する。

出典

  1. ^ a b Lide, David R., ed (1990). “Physical Constants of Inorganic Compounds”. CRC Handbook of Chemistry and Physics (71st ed.). CRC Press, inc.. p. 4-45 
  2. ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0-07-049439-8
  3. ^ Record of ammonium hydrosulfide 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース, accessed on October 22, 2010
  4. ^ Goodman, J. T.; Rauchfuss, T. B., (2002). “Tetraethylammonium-tetrathioperrhenate [Et4N][ReS4]”. Inorganic Syntheses 33: 107–110. 
  5. ^ W. P. Bloxam (1895). “The Sulphides and Polysulphides of Ammonium”. J. Chem. Soc., Trans. 67: 283. doi:10.1039/CT8956700277. 



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