純再生産率とは? わかりやすく解説

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純再生産率

こうした再生産研究においては置換率 1あるいは再生産率 1など、数多く指標用いられる再生産率とは通常女子再生産率 2あるいは母性再生産率のことである。女子の純再生産率 3は、ある仮説女子出生コウホート(116-2)が現行の年齢別出生率(633-9)と死亡率(401-2)に従った場合平均生存女児数と定義される女子総再生産率 4は、再生産年齢が終わるまでの死亡ゼロであるという仮定の下で、同じよう計算される男子再生産率 5、あるいは父性再生産率 5は、男児出生数と男子出生コウホート用いて同じよう計算される。また両性考慮入れた場合ある種両性再生産率 6提唱されている。再生産率計算する際に、実際コウホート経験用いると、コウホート再生産率 7あるいは世代再生産率 7求められる。これらの率を計算する際に用いられる年齢別死亡率出生率は、異なった時点に関して得られたものである年齢別出生率に関する統計利用できない場合は、いわゆる置換指数 8用いられる。この指数は、所与年齢一般には0~4歳)の乳幼児人口実際人口における出産能年齢の女子人口で割った商を、これに相当する定常静止人口(703-6)から得られた商で割ったのである


純再生産率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/17 14:34 UTC 版)

純再生産率(じゅんさいせいさんりつ、英: Net reproduction rateR0)とは、一人の女性が一生の間に出産する女児の人数。

この指標は総再生産率と類似しているが、純再生産率は出産可能年齢(15~49歳)を終える前に死亡する一部の女性の死亡率を考慮している[1]R0が1である場合、各世代の母親が自分たちの世代が置き換えうる同等数の女児がいることになる[2][3]R0が1未満の場合、その集団の出生力人口置換水準を下回っていることになる。

推移

日本における純再生産率は、1940年以前でも1.3~1.6に留まり、1947~1949年の第一次ベビーブーム期も1.7であった。1950年代半ばから1970年代前半まで概ね1.0の水準で推移した後に低下を始め、1990年に0.74、2005年に0.61まで低下して反転したが、2022年は0.61となっている[4]

[5]

年次 純再生産率 1930年を

基準とした指数

純再生産率
1925 1.65 108.2
1930 1.52 100.0
1940 1.43 94.2
1947 1.68 110.4
1948 1.75 114.9
1949 1.74 114.2
1950 1.50 98.6
1951 1.38 90.4
1952 1.29 84.5
1953 1.17 77.1
1954 1.09 71.4
1955 1.06 69.4
1956 0.99 65.3
1957 0.92 60.5
1958 0.96 62.9
1959 0.93 61.0
1960 0.92 60.4
1961 0.90 59.4
1962 0.91 60.0
1963 0.93 61.4
1964 0.96 63.0
1965 1.01 66.2
1966 0.73 48.3
1967 1.05 69.1
1968 1.00 65.8
1969 1.00 65.7
1970 1.00 66.0
1971 1.02 66.9
1972 1.01 66.6
1973 1.01 66.7
1974 0.97 63.8
1975 0.91 59.6
1976 0.88 57.9
1977 0.86 56.4
1978 0.86 56.2
1979 0.84 55.5
1980 0.83 54.8
1981 0.83 54.8
1982 0.85 55.8
1983 0.86 56.8
1984 0.87 57.2
1985 0.85 55.7
1986 0.83 54.3
1987 0.81 53.4
1988 0.80 52.3
1989 0.76 49.7
1990 0.74 48.8
1991 0.74 48.5
1992 0.72 47.4
1993 0.70 46.1
1994 0.72 47.4
1995 0.69 45.0
1996 0.69 45.1
1997 0.67 44.0
1998 0.67 43.8
1999 0.65 42.5
2000 0.65 43.0
2001 0.64 42.3
2002 0.64 41.8
2003 0.62 40.9
2004 0.62 40.9
2005 0.61 40.0
2006 0.64 41.8
2007 0.64 42.4
2008 0.66 43.4
2009 0.66 43.4
2010 0.67 44.0
2011 0.67 44.2
2012 0.68 44.7
2013 0.69 45.4
2014 0.69 45.1
2015 0.70 46.1
2016 0.70 45.7
2017 0.69 45.5
2018 0.69 45.0
2019 0.66 43.3
2020 0.64 42.3

世界ランキング

国際連合経済社会局(United Nations Department of Economic and Social Affairs)による純再生産率推計値ランキング(2021年調査)[6]

国と領土
ニジェール 2.937
 コンゴ民主共和国 2.619
ソマリア 2.536
マリ 2.508
中央アフリカ 2.453
チャド 2.413
アンゴラ 2.349
ブルンジ 2.208
タンザニア 2.163
マヨット 2.161
ウガンダ 2.093
ベナン 2.087
モザンビーク 2.063
アフガニスタン 2.062
ガンビア 2.044
セネガル 2.025
ブルキナファソ 2.014
スーダン 1.992
ナイジェリア 1.982
モーリタニア 1.977
カメルーン 1.958
ザンビア 1.947
コートジボワール 1.910
コンゴ共和国 1.898
赤道ギニア 1.871
エチオピア 1.864
ソロモン諸島 1.851
サモア 1.839
トーゴ 1.830
ギニア 1.817
マラウイ 1.810
サントメ・プリンシペ 1.803
リベリア 1.784
コモロ 1.781
ルワンダ 1.766
南スーダン 1.766
エリトリア 1.763
バヌアツ 1.734
ギニアビサウ 1.733
マダガスカル 1.728
フランス領ギアナ 1.697
イエメン 1.690
シエラレオネ 1.689
パレスチナ 1.667
イラク 1.638
ガボン 1.622
ナウル 1.592
ガーナ 1.581
ジンバブエ 1.561
パキスタン 1.561
 ケニア 1.511
ナミビア 1.506
トンガ 1.497
タジキスタン 1.490
キリバス 1.484
カザフスタン 1.467
パプアニューギニア 1.443
イスラエル 1.441
ツバル 1.437
東ティモール 1.429
キルギス 1.422
 エジプト 1.387
アルジェリア 1.368
モンゴル 1.356
ヨルダン 1.351
ウズベキスタン 1.346
フェロー諸島 1.328
トケラウ 1.299
シリア 1.296
レソト 1.277
フィリピン 1.273
エスワティニ 1.267
ボツワナ 1.265
ミクロネシア連邦 1.265
オマーン 1.261
ハイチ 1.260
トルクメニスタン 1.232
マーシャル諸島 1.227
ジブチ 1.226
グアム 1.215
ボリビア 1.210
パラグアイ 1.170
サン・マルタン 1.168
サウジアラビア 1.165
リビア 1.164
ラオス 1.148
フィジー 1.145
グアテマラ 1.133
ニウエ 1.131
ガイアナ 1.126
セーシェル 1.125
ホンジュラス 1.120
スリナム 1.119
ニカラグア 1.115
モロッコ 1.108
パナマ 1.102
パラオ 1.101
レユニオン 1.099
カンボジア 1.093
南アフリカ共和国 1.088
アメリカ領サモア 1.086
西サハラ 1.078
クック諸島 1.072
ドミニカ共和国 1.069
世界 1.062
ペルー 1.047
ベネズエラ 1.043
アメリカ領ヴァージン諸島 1.031
モナコ 1.024
クウェート 1.020
インドネシア 1.012
レバノン 1.004
グアドループ 1.000
北マリアナ諸島 0.996
ジョージア 0.993
チュニジア 0.990
ミャンマー 0.976
エクアドル 0.968
ニューカレドニア 0.967
グレナダ 0.961
スリランカ 0.960
ベリーズ 0.955
ネパール 0.948
グリーンランド 0.940
ウォリス・フツナ 0.935
マルティニーク 0.931
バングラデシュ 0.928
インド 0.927
カーボベルデ 0.914
トルコ 0.910
アルゼンチン 0.901
 ベトナム 0.893
バーレーン 0.879
ジブラルタル 0.877
カタール 0.876
メキシコ 0.874
フランス 0.867
セントビンセント・グレナディーン 0.864
マレーシア 0.861
モルドバ 0.860
エルサルバドル 0.860
ニュージーランド 0.855
アイルランド 0.854
北朝鮮 0.849
 ルーマニア 0.843
アイスランド 0.838
ブルネイ 0.837
 デンマーク 0.830
 チェコ 0.822
 コロンビア 0.820
モルディブ 0.818
フランス領ポリネシア 0.817
モンテネグロ 0.812
 エストニア 0.808
 スウェーデン 0.806
イラン 0.804
タークス・カイコス諸島 0.800
アメリカ合衆国 0.798
オランダ 0.794
キュラソー 0.794
オランダ領カリブ 0.791
セントヘレナ 0.788
バルバドス 0.787
スロベニア 0.783
ブラジル 0.783
 リトアニア 0.782
トリニダード・トバゴ 0.777
オーストラリア 0.772
アンティグア・バーブーダ 0.769
フォークランド諸島 0.769
ドミニカ国 0.768
ベルギー 0.767
アゼルバイジャン 0.764
 ブルガリア 0.760
 ハンガリー 0.759
 ラトビア 0.758
シント・マールテン 0.758
スロバキア 0.755
イギリス 0.753
モントセラト 0.753
サンピエール島・ミクロン島 0.753
マン島 0.746
 チリ 0.743
アルメニア 0.742
コスタリカ 0.740
ドイツ 0.739
セルビア 0.732
セントクリストファー・ネイビス 0.732
コソボ 0.728
 ノルウェー 0.725
スイス 0.724
 ベラルーシ 0.716
ウルグアイ 0.716
ロシア 0.714
ジャージー 0.711
 オーストリア 0.711
アラブ首長国連邦 0.707
カナダ 0.706
ポーランド 0.702
ガーンジー 0.700
クロアチア 0.700
 キューバ 0.687
リヒテンシュタイン 0.684
モーリシャス 0.676
 フィンランド 0.673
セントルシア 0.673
ルクセンブルク 0.672
バハマ 0.669
ブータン 0.664
バミューダ 0.662
アルバニア 0.659
ギリシャ 0.659
ポルトガル 0.659
北マケドニア 0.650
ボスニア・ヘルツェゴビナ 0.648
ジャマイカ 0.648
キプロス 0.636
タイ 0.635
日本 0.629
プエルトリコ 0.622
イタリア 0.619
アンギラ 0.618
スペイン 0.616
 ウクライナ 0.598
ケイマン諸島 0.587
アルバ 0.566
マルタ 0.565
サンマリノ 0.544
中国 0.542
アンドラ 0.540
台湾 0.533
マカオ 0.521
シンガポール 0.495
サン・バルテルミー 0.486
イギリス領ヴァージン諸島 0.481
韓国 0.425
香港 0.358

脚注

出典

  1. ^ 総再生産率/純再生産率 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス”. 情報・知識&オピニオン imidas. 2024年4月26日閲覧。
  2. ^ Glossary: Net Reproduction Rate (NRR)”. planetwire.org. February 24, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。August 28, 2007閲覧。
  3. ^ Dharmalingham, A. (2004). “Reproductivity”. In David Swanson; Jacob S. Siegel; Henry S. Shryock. The Methods and Materials of Demography (2 ed.). Emerald Group Publishing. p. 819. ISBN 0-12-641955-8 
  4. ^ 全国人口の再生産に関する主要指標:2022年”. 2024年4月27日閲覧。
  5. ^ 女性の人口再生産に関する主要指標:1925~2020年”. www.ipss.go.jp. 2024年4月26日閲覧。
  6. ^ Template:Cite UN WPP

関連項目

外部リンク



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