ビッグ・マム海賊団
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「海賊 (ONE PIECE)」の記事における「ビッグ・マム海賊団」の解説
四皇シャーロット・リンリン率いる海賊団。海賊旗はパーマをかけたような髪型に海賊帽を被り、口紅を塗ったドクロマーク。新世界の「万国(トットランド)」を拠点にしている。大のお菓子好きであるビッグ・マムに大量のお菓子を提供することを条件として、多くの島をナワバリにしているが、お菓子の納期を守らなければ容赦無く国ごと滅ぼす。また、闇の世界の帝王達ともつながりがある。業界一と言われる高い情報力を持つ。「ロード歴史の本文」を1つ、「歴史の本文」を2つ所有している。 シャーロット・リンリン 声 - 藤田淑子(571話)→小山茉美(786話 - ) ビッグ・マム海賊団船長。トットランド女王。四皇の一人。元ロックス海賊団船員。通称「ビッグ・マム」。懸賞金43億8800万ベリー。 「偉大なる航路」出身。68歳。誕生日は2月15日。身長880cm。みずがめ座。血液型X型。好きな食べ物は甘いお菓子。嫌いな食べ物はリコリス菓子。趣味はお茶会、珍獣収集。イメージ動物は猪。 魔女を思わせる風貌で常人を遥かに超えた巨体の女海賊。ホーミーズである二角帽ナポレオンを被り、その下には水玉模様のバンダナを巻いていて、左腕にハートの刺青がある。豪快かつ男勝りな性格で、乱暴な男口調で話す。ジンベエ曰く「話がわかるとはいい難い」人物で、多くの部下から畏れられている。本人なりに家族に対する愛情は深いが、自分の言うことを聞いていれば間違いはなくみんな幸せになれると絶対視しており、逆らう者や気に入らない者は家族でも容赦はしないため、あまり慕っていない子供もいる。また、過去43人の夫達は血の繋がりもない「他人」とみなし、意に介していない。10歳以下の子供には稀に「マザーモード」と呼ばれる温厚な態度になる。ロックス海賊団時代の元同僚カイドウとは長年犬猿の仲であったが、ゴッドバレーでロックス海賊団が壊滅した日には「ウオウオの実」を与えるなど面倒見が良く、四皇としてしのぎを削るようになった今でも弟のように思っていると主張している。財宝には興味を示さず(ただし宝箱は大好き)、何よりも甘いお菓子を優先するほどの大のお菓子好きで、ナワバリの島には大量のお菓子を納めさせており、材料の調達だけで戦争を起こすことも辞さない。苦いお菓子とお茶会の欠員が大嫌いで、ビッグ・マムのお茶会の招待状は実質絶対の「召集令状」であり、「ママの茶会には地獄の鬼も顔を出す」と称される。また傘下に下る者とは必ず血縁を結び、政略結婚を成立させる。海賊は好きに生きることが一番という考えを持ち、傘下からの脱退を希望する者を無理に引きとめはしないが「来る者は拒まず、去る者は殺す」の考えの元、自分が戦力を失う代わりに落とし前として相手にも大きな代償を要求する。全種族に飽き足らず無類の「珍獣コレクター」で、モンドールの能力で捕えた生物を本の中に閉じ込めてコレクションしている。一人称は「おれ」。部下や子供達からは「ママ」と呼ばれている。笑い声は 「ハ~ハハハ、ママママ」。 何の前触れも無く頭に浮かんだ食べたいお菓子を求め、癇癪を起こして暴れ出す「食いわずらい」という発作を抱えており、一度この状態となるとそのお菓子を食べるまでは見境なく暴れ周り、国中を破壊して回るのみならず、後述の通り自分の部下や息子だろうと手にかけてしまう。この癇癪を鎮めるには、彼女が望むお菓子を食べさせて満足させる以外に手は無いが、欲しがるお菓子はその都度ランダムで変わる上、材料を集めることや作る手間がかかるものだと破壊行動を止めるまで多大な時間を要し、さらに前触れも無く突然起こることから、部下や国民、子供達にとっては深刻な悩みの種となっている。この状態になるとビッグ・マムの意識はほぼないが、ある程度の意思疎通はできる。また、本人はこの発作が起こっている間の記憶がない。 超人系悪魔の実「ソルソルの実」の能力者。人の魂(ソウル)を操ることができる。自分の魂を具現化した「化身」を使役でき、さらに他人から魂=寿命を奪い、無機物や動植物に入れることで擬人化させることができる(ただし、死体や他人に魂を入れることはできない)。寿命はビッグ・マムに臆すると煙のように体から勝手に抜け出し、それを取られると意識を失う。擬人化した存在は「ホーミーズ」と呼ばれ、ビッグ・マムとその子供達の命令に従う。今まで産み出されたホーミーズは数多に渡るが、特に自身の魂を直接与えた雷雲ゼウス・太陽プロメテウス・雷雲ヘラは戦闘力も高く、これらを使役するため「天候を従える女」としても畏怖されている。この能力を利用して半年に一度、住人から1ヶ月分の寿命を抜き取り無数のホーミーズを生み出すことで国の安全を保証している。自身の寿命を消費することで巨大化し肉体を強化することもできる。肉体そのものも銃弾や大砲をいくら受けても傷一つつかないほど強靭で、サンジから「鉄の風船」と称され、「ギア4」のルフィの攻撃をもたやすく受け止めている。3種全ての覇気を使用でき、強者のみが使える「覇王色の覇気」を纏うことも可能。かつて給仕が誤ってビッグ・マムが恩人と慕うマザー・カルメルの写真を落とした時に、覇気と共に大音量の奇声を発する食いわずらいとはまた違う発作を起こした。この状態になると膝をついただけですりむくほど肉体が弱まる。 生まれついてのモンスターで、人間でありながら5歳の時点で巨人族の子供並みの体格を持っていた。故郷で多大な被害を出したことで国外追放になり、両親により巨人国エルバフに置き去りにされた。その後は孤児を種族や身分に囚われず引き取る孤児院「羊の家」を開いていたマザー・カルメルに拾われ、他の孤児達や巨人族と共に暮らしていた。無邪気さと常人離れした怪力によって悪意なく同じ孤児院に住む孤児や巨人族に被害を与えてしまうが、彼女の行動の底にある本意を察していたカルメルに時に窘められつつも心優しいまなざしで見守られ、彼女自身もカルメルに懐いていった。カルメルの辛抱強い見守りと教育もあり、10か月後にはエルバフの巨人族に受け入れられ、周囲と打ち解け幸福な時間を過ごしていた。しかし、冬至祭前に行う12日間の断食に備えて食すお菓子セムラの味の虜になり、しばらくはカルメルの言いつけ通りに断食を続けるものの、セムラへの欲求を我慢できず、7日目に食いわずらいを発症し、エルバフの村を壊滅させ、さらに暴れる彼女を処刑しようとした巨人族の英雄の一人・ヨルルをも返り討ちにしてしまった。事件後、カルメルに連れられエルバフを離れ別の島に移り住み、再びカルメル達と楽しく過ごしていたが、自身の誕生日パーティーの際、カルメルと孤児達からプレゼントされたセムラによるクロカンブッシュを涙で周りが見えなくなる程の状態で食べ続け、気付いた時にはカルメルや子供達はいつのまにか姿を消していた。そこに状況を面白がって見ていたシュトロイゼンが現れ、彼の提案や手助けによりビッグ・マム海賊団を結成、海軍及び世界政府からは子供ながらその危険性から5000万ベリーの懸賞金を懸けられ、その後程なくして10倍の5億ベリーに跳ね上がった。カルメルの理想を実現するため、自分の言うことを聞いてお菓子を持ってくれば、平和と夢の国を約束するとして各地で暴れまわり現在に至る。 カルメルとの思い出から「世界中のありとあらゆる人種が家族となり同じ目線で食卓を囲む」という夢を抱いている。かつてエルバフの王子ロキが娘のローラに求婚し、長年の確執が埋まりさらに世界一の強国と名高いエルバフの軍隊さえも手に入ることに歓喜したが、ローラが結婚を拒否し家出したことで破談になり、代わりに双子の姉で容姿が瓜二つのシフォンを差し出したがすぐに別人と見抜かれ巨人族とより険悪な関係になってしまった。以来、ローラをトットランドでは犯罪者扱いにし居場所さえわかれば殺し屋を送り込もうとするほど恨み、シフォンには何度も暴行を加えるようになった。またこの破談で巨人族を仲間にすることを諦め、人体の巨大化に投資するようになった。 ラフテルに到達し海賊王になるため「ロード歴史の本文」の一つを所有しているが、かつてロジャーに石を読み解かれた。白ひげの死後、元七武海のジンベエを傘下に迎え入れ、魚人島をナワバリとしていた。魚人島編で、新魚人海賊団が起こしたクーデターの影響で納めるお菓子がなくなってしまったことに激怒し、魚人島を滅ぼそうとするが、魚人達を庇い自分に物怖じしないルフィに興味を抱き、その標的を麦わらの一味に切り替え、「新世界に来い」とルフィを焚きつけた。人体巨大化の研究を依頼していたシーザーの研究所が崩壊すると、ペコムズらにシーザーの捕獲を命じた。さらにジェルマ66の科学力に目をつけ、娘のプリンとヴィンスモーク家三男であるサンジとの政略結婚を成立させるためサンジを脅迫しお茶会に招くも、血縁を結ぶ気など全く無く、実際はジェルマのクローン兵と科学力だけが目的であり、結婚式でヴィンスモーク家を皆殺しにする計画を企てた。 ホールケーキアイランド編で、ルフィ達がショコラタウンを出港した頃、クロカンブッシュの食いわずらいを起こしスイートシティで暴れ回り、止めようとしたモスカートの寿命を抜き取ったがジンベエによって鎮められた。ルフィ達がホールケーキアイランドに上陸したことを知り、サンジとの接触を阻止するためブリュレとクラッカーを送り込み、クラッカーが倒されると仇討ちの軍隊を編成しルフィとナミの生け捕りを命じた。捕まったルフィと電々虫越しで対面し、ローラに対する怒りをぶつけ、そのことでルフィから挑発されるも受け流した。宝物の間に侵入者が現れた報告を受けると自ら出向きブルックを捕らえた。結婚式当日、ヴィンスモーク家皆殺し計画を会場に潜入したルフィ達によって妨害された上、ウェディングケーキとカルメルの写真を壊されたが、怒りの咆哮で自身に放たれたKXランチャーを破壊、正気を取り戻すと裏切ったベッジに怒りを向け、護衛についたルフィやジャッジらを取り押さえ処刑を行おうとしたが、玉手箱の爆発によるホールケーキ城の崩壊でルフィ達を取り逃がしてしまい、さらにウェディングケーキを食べ損ねたことを思い出し再び食いわずらいを発症、ペロスペローのウェディングケーキは麦わらの一味が盗んだという嘘の誘導を受け彼らを追撃、誘惑の森・水飴の海と執拗に追い掛けた。食いわずらいが8時間以上続いたことで徐々に痩せていき、今までにない身軽さでサニー号に乗り込み、ケーキを探し求めサニー号を破壊しようとしたがナミ達の抵抗によりゼウスを奪われサニー号から引き離され、なおも追走しファイアタンク海賊団が船にケーキを乗せて現れると、標的をそちらに切り替え、ふんわり島にてケーキを口にし、その味に満足し食いわずらいが収束、正気に戻ると歌いながら総攻撃を仕掛けるが、タイヨウの海賊団の妨害もあり、取り逃がしてしまった。後日の新聞ではルフィの勝利とまで報道され激怒し、その後、ルフィが次に狙うカイドウに直接一報を入れ、ルフィの首は自分が取ると宣言した。 ワノ国編では、ペロスペローやスムージーなど多くの子供たちを率いてワノ国に上陸しようとするが、滝登りの直後キングに阻まれ海に落ちてしまう。その後、記憶喪失の状態で九里ヶ浜に打ち上げられ、チョッパーたちに発見される。彼らの案内でおこぼれ町を訪れ、お鶴に振る舞われたおしるこを気に入る。兎丼におしるこがあると言ったチョッパーの嘘を真に受け、無理やり手懐けたワニザメに乗ってチョッパーらと共に兎丼を目指す。囚人採掘場に到着すると、おしるこを目当てに大暴れするが、クイーンから頭部へ攻撃を受けたことで記憶が戻る。その直後眠ってしまい、その隙に拘束され、クイーンによって鬼ヶ島に移送される。鬼ヶ島で目覚め、手錠を外されるとカイドウと激突する。夜通し戦い続けるも勝負はつかず、協力して世界を取ってから決着をつけることで意気投合し、カイドウと海賊同盟を結ぶことを宣言する。鬼ヶ島の大宴会当日、ブラックマリアの遊郭で着替え中、通りかかった麦わらの一味を見つけ暴れ出す。ナミからゼウスを取り返すが、ロビンとジンベエによってドームの外へ追い出される。鬼ヶ島に到着したペロスペローからカイドウとの同盟解消を求められるも拒否。ドームに戻ると屋上へ向かい、カイドウと共にルフィたちを迎え撃つ。カイドウとの連携で圧倒するもローとキッドによってドーム屋上から落とされる。キッドとキラーを追い城内に入り、お玉からおこぼれ町がカイドウの部下に壊滅させられたことを知ると、お玉を狙うページワンを一撃で倒しうるティにも深手を与える。さらにナミとウソップにも襲い掛かるもキッドに阻まれ、キッド・ローと対峙する。二人を一方的に圧倒するも、能力を「覚醒」させた二人の連携攻撃を喰らい、大ダメージを受ける。キッド達の実力を認めると自身の寿命1年分を消費して巨大化・パワーアップを果たし、二人に本気で挑みかかる。 アニメでのホールケーキアイランド編での初登場シーンは田中公平が書き下ろしたミュージカル楽曲「ブラッディ・パーティ」が使われた。 技一覧 魂への言葉(ソウル・ポーカス) 人間が持つ生への執着に「Life or ○○(○○ or Life)」と問い掛け、少しでも死を恐れた者から寿命を全て抜き取る。一方で死を恐れなければ寿命を抜かれることはない。 プロメテウス 天上の火(ヘブンリーフォイアー) 右手で掴んだプロメテウスを相手に叩きつけ、周囲を炎上させる。 天上のボンボン(ヘブンリーボンボン) プロメテウスが口から複数の火球を吐き出す。 盗まれた火(シュトーレンフォイア) プロメテウスが体当たりし、相手を炎上させる。 ゼウス 雷霆(ライテイ) 左手で掴んだゼウスから雷撃を引き出し、そのまま叩きつける。ヴィンスモーク・ジャッジを一撃で沈めた。 威鼓(インドラ) ゼウスから雷を落とす。 天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん) ゼウスを通して上空の雷雲から雷を四方八方に放つ。雷一つ一つにゼウスの意思が宿っており、相手の防御をすり抜けて攻撃できる。あまりの激しさにキッドは「天災」と称した。 ナポレオン 威国(いこく) 刀剣状態のナポレオンを振るい繰り出す飛ぶ斬撃。キングバームの体を抉る絶大な威力と島の端まで届く攻撃範囲を誇る。ビッグ・マムは「エルバフの槍」と称しており、ドリーとブロギーが使用した「覇国」との類似性をルフィから指摘されている。 皇帝剣(コニャック) 意識を刃に移したナポレオンにプロメテウスの炎を纏わせた燃える巨剣。炎と斬撃を同時に繰り出して相手を焼き斬り、刀身を大きく伸ばすことで船を両断することも可能。破々刃(ハハバ) 「皇帝剣」を横薙ぎに振るう。 刃母の炎(ははのひ) 「皇帝剣」を大上段から振り下ろす。 マーマ急襲(マーマレイド) 意識を刃に移したナポレオンにヘラの雷を纏わせ、空中で縦回転しながら振り下ろす。 ヘラ 震御雷(フルゴラ) 掴んだヘラから水平方向に巨大な雷撃を放つ。キッドとキラーを吹き飛ばし、そのまま鬼ヶ島にも大穴を開ける程の威力。 合体 鳴光砲(がったい メーザーほう) ナポレオン、プロメテウス、ヘラの連携攻撃。意識を刃に移した状態のナポレオンを中心に合体し、雷に変化した切っ先のヘラに柄のプロメテウスが熱エネルギーを供給、ビッグ・マム本人がナポレオンを引き抜く事で電熱による熱線を発射する。その威力はレーザー光線のように一瞬で相手を貫き、着弾箇所にも大爆発を引き起こす。ゼウスではこの技は実現できなかったらしい。 覇海(はかい) カイドウとの合体技。二人同時に武器を振るい超巨大な衝撃波を放つ。ゾロでさえ一瞬しか防げず何十本もの骨を折る重傷を負い、鬼ヶ島屋上を覆う程の攻撃範囲を持つ。
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