じん‐しゅ【人種】
読み方:じんしゅ
1 人類を骨格・皮膚・毛髪などの形質的特徴によって分けた区分。一般的には皮膚の色により、コーカソイド(白色人種)・モンゴロイド(黄色人種)・ニグロイド(黒色人種)に大別するが、この三大別に入らない集団も多い。
ひと‐だね【人種】
人種
人種 1という用語は一般に、遺伝によって伝えられたある共通の身体的特徴を有する人々の集団を意味すると考えられる。人口センサスの方法によっては、この用語は時にやや漠然と用いられ、時には共通の文化や民族的な血統で結ばれている人々の集団、さらには一定の領域に住む人々を指すことさえある。そのほかに、時々用いられる用語で民族 2という表現があり、ここでも定義の違いによって意味するところが同じではない。民族は一般に、文化、言語または宗教的伝統を共有する人々の集団を意味する。一つの民族が一つの人種であることもあり得る。国民 3(305-2を参照)は通常、共通の過去または共通の文化で結ばれる人々の集まりである。一定の領域に住む人々で、人口の過半数とは明らかな違いを示す人々は少数者(マイノリティー) 4と呼ばれる。たとえば少数民族 4、少数国民 4、言語上の少数者 4、宗教上の少数者 4と呼ばれる。
人種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/23 07:47 UTC 版)
自然人類学
分子人類学
文化人類学
言語人類学
社会人類学
考古学
注釈
- ^ なお、今日ではヒトの分類は科学的な妥当性は認められず、社会の作り出した文化的概念とみなされている。
- ^ 人種は生物学的な種や亜種ではなく、現生するヒトは、遺伝的に、種や亜種に値する程の差異は存在しないとされる。この場合の「種」は、生物学の概念としての「種」と混同してはならない。英語では、生物学的な「種」は speciesであり、人種はraceであり、両者はまったく異なる単語である。にもかかわらず、日本語では同じ「種」という訳語が採用されているので、両者が混同されやすい。「人種」の「種」が意図しているのは、あくまでも現生人類を、さらに細かく形質的特徴によって区分する試みである。しかも、この区分の基準は、時代や社会によって異なる流動的なものであることに留意する必要がある。[要出典]
- ^ 他の生物における亜種に該当する。
- ^ 「すべての人間は単一の種に属し、共通の先祖の子孫である。すべての人間は尊厳と権利において平等に生まれ、誰もが欠くことのできない一員として人類を形成している」
- ^ 「人類の多様性は人類が環境に適応し選択され、また遺伝的浮動や遺伝的混入によって生まれてきたもので、その多様性は連続的で、カテゴリーに分けられるものではない」
- ^ 「遺伝学(DNAなど)の解析から得られた証拠は、約94%の身体的変異がいわゆる人種集団内にあることを示している。従来の地理的「人種的」グループ分けでは、その遺伝子の約6%においてのみ互いに異なる。このことは、人の遺伝子変異は集団間よりも集団内で大きく変異していることを意味している。隣接する集団では、遺伝子とその表現型(物理的)発現の重複が多く、歴史を通じて、異なる集団が接触するたびに交配が行われてきた。遺伝物質の継続的な共有は、人類全体を単一種として維持してきた。」
出典
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「人種」の例文・使い方・用例・文例
- 人種差別撤廃!
- 人種平等
- 異人種間の結婚
- 異なる人種に同等の就職の機会を与える
- 幼い子どもは簡単に人種間の境界線を無視することができる
- 彼女のことばが人種問題に新たな関心を引いた
- 彼は人種的な偏見にすっかりとらわれている
- 白色人種
- 人種問題
- 人種関係
- 人種差別
- 人種偏見
- 雇用は人種や年齢や男女の別を基準にしてはならない
- 我々全員が人種差別にはっきりと反対すべきときだ
- 人種のステレオタイプ
- 人種間の緊迫関係
- 黄色人種
- 人種差別反対主義に関する研究
- 人種差別反対主義者のグループがデモ行進中に襲撃された。
- 私たちは人種差別反対主義運動を起こすには何が必要かを話し合った。
人種と同じ種類の言葉
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