亜種 学名の記述

亜種

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 21:21 UTC 版)

学名の記述

三語名法

亜種の学名は、リンネの二語名法(二名法)を基に考案された三語名法(三名法)に則ったもので[8]、属名・種形容語(細菌以外で用いる種小名、細菌で用いる種形容語)・亜種形容語(細菌以外で用いる亜種小名、細菌で用いる亜種形容語)の3語で構成される[4]。ただ、厳密には、三語名法というのは、「種形容語の後に続けて亜種形容語を記す、変則的二語名法」であるというのが、学会の見解である[8]

  • 例:我々(現生人類)を亜種のレベルまで分類できると考える学説(我々をHomo sapiensタイプ亜種と見なす学説)に基づく我々の学名は Homo sapiens sapiens(ホモ・サピエンス・サピエンス)であるが、その語構成は[属名 Homo + 種小名 sapiens + 亜種小名 sapiens ]である。

略号の用法

特定の亜種を学名として記述する際は、略号を種形容語(広義)と亜種形容語(広義)の間に置くのが基本形である。

  • 例:Cryptotaenia canadensis subsp. japonica(標準和名〈以下同様〉:ミツバ
  • 例:Oncorhynchus masou subsp. rhodurusビワマス

ただし、動物学では亜種形容語(広義)の後にそれぞれの記載者名を記し、最後にその名の記載年を記すのが最も正確な学名である。

  • 例:Oncorhynchus masou subsp. rhodurus (Jordan et McGregor, 1925)(ビワマス)

一方、植物学では種形容語(広義)の後と亜種形容語(広義)の後にそれぞれの記載者名を記し、最後にその名の記載年を記すのが最も正確な学名である。

  • 例:Cryptotaenia canadensis (L.) DC. subsp. japonica (Hassk.) Hand.-Mazz. (1933)(ミツバ)

しかし、それらを全て省略する場合が多い。

また、種形容語(広義)の後に略号だけを記して亜種形容語(広義)を省略する場合もある。

  • 例:Oncorhynchus masou subsp.(ビワマス)

我々を Homo sapiens sapiens と見なす学説があると上のほうで述べたが、略号を置いた例は目にしない。しかし、他のヒト属の亜種や他の生物の亜種ではその限りでない。ヒト属で言えば、例えば Homo sapiens の別の亜種である可能性に注目されるデニソワ人[注 1]には「Homo sapiens の、デニソワ由来の亜種(Homo 属の sapiens 種のデニソワ由来亜種)」を意味する暫定的学名 Homo sapiens subsp. 'Denisova' [9]および Homo sapiens ssp. 'Denisova' [9]が与えられ、略号を用いない Homo sapiens Altai のような別の暫定的学名に多くの学術的同意が寄せられない限り用いられ続ける。


注釈

  1. ^ アルタイ山脈にあるデニソワ洞窟英語版から出土した化石人類

出典

  1. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “亜種”. コトバンク. 2020年5月22日閲覧。
  2. ^ a b 中根猛彦(cf. 日本の研究.com[1])、小学館日本大百科全書(ニッポニカ)』. “亜種”. コトバンク. 2020年5月22日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 亜種”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年5月22日閲覧。
  4. ^ a b c d subspecies”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年5月22日閲覧。
  5. ^ a b subsp.”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年5月22日閲覧。※用例として学名の記載多数あり。
  6. ^ a b ssp.”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年5月22日閲覧。※用例として学名の記載多数あり。
  7. ^ a b c d e f g h i j subspecific”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年5月22日閲覧。
  8. ^ a b ICZN (1999), p. 4.
  9. ^ a b c Homo sapiens subsp. 'Denisova'”. NCBI taxonomy database. NCBI. 2020年5月22日閲覧。
  10. ^ 亜種”. コトバンク. 2020年5月22日閲覧。
  11. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “亜種”. コトバンク. 2020年5月22日閲覧。


「亜種」の続きの解説一覧




亜種と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「亜種」の関連用語

亜種のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



亜種のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの亜種 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS