ハナイカダとは? わかりやすく解説

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はな‐いかだ【花×筏】

読み方:はないかだ

ハナイカダ科落葉低木山地木陰生え、高さ約1.5メートル卵円形で先がとがり、縁に細かいぎざぎざがある。雌雄異株初夏面の中央部淡緑色の花をつけ、黒色の丸い実を結ぶ。ままっこ。《 春》

水面散った花びら連なって流れているのを筏に見立てた語。また、筏に花のをそえてあるもの。筏に花の散りかかっているもの。《 春》

花の折り枝を筏にそえた文様また、紋所の名。

[補説] 書名別項。→花筏


はないかだ【花筏】

読み方:はないかだ

外村繁長編小説昭和33年(1958)刊行。「草筏」「筏」とあわせ筏3部作呼ばれるシリーズ最終作品


ハナイカダ

ハナイカダ
科名 ミズキ科
別名: -
生薬名: ヨウジョウジュ葉上珠)・ヨウジョウジュコン葉上珠根
漢字表記 花筏
原産 -
用途 湿気の多い日陰自生し、全無毛落葉低木主脈花柄がついており、花がいかだに乗っているような形から、この名があります果実下痢止め・根を咳止めなどに用います
学名: Helwingia japonica F. G. Dietr.
   

花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

ミズキ科落葉低木園芸植物薬用植物

学名 Helwingia japonica


花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

下っていく筏へ岸のサクラ花片がまいかかること

季節

分類 人事


花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

ミズキ科落葉低木淡緑色をした小さな花数個寄り添ったように咲く

季節

分類 植物


花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

初演 安政1.11(京・北芝居)


花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

初演 元禄12.1(京・布袋屋之丞座)


花筏

読み方:ハナイカダ(hanaikada)

作者 外村繁

初出 昭和32~33年

ジャンル 小説


ハナイカダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/18 21:38 UTC 版)

ハナイカダ
町田市えびね苑で撮影
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: モチノキ目 Aquifoliales
: ハナイカダ科 Helwingiaceae
: ハナイカダ属 Helwingia
: ハナイカダ H. japonica
学名
Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr. (1817)[1]

ハナイカダ(花筏[2]・青莢葉[3]学名: Helwingia japonica)はモチノキ目ハナイカダ科[注 1]ハナイカダ属に属する落葉低木。別名、ヨメノナミダ(嫁の涙)。北海道南部以南の森林に自生する。の上にが咲くのが特徴である。やわらかな葉は山菜として利用できる。

名称

和名ハナイカダの由来は、「花筏」の意味であり、葉の中央に小花をつける様子が、葉をに見立てて、花は船頭が乗っているように見えることによる[4][5][6]。別名が多く、イカダソウ[7]、イボナ[7]、ツキデノキ[4]、ツギネ[4]、ツクデンハ[4]、ママコナ[4]、ママッコ[4]、ママコモチ(継子冬青[8])、ヨメノナミダ[9]などとよばれ、山菜名でママッコナ[10]、ムコナ[10]ともよばれる。

学名属名 Helwingia(ヘルウィンギア)は植物誌を著したドイツ人医師ヘルウィングの名に因むものであり、種小名 japonica(ジャポニカ)は「日本の」という意味である[11]

分布と生育環境

北海道(南部)、本州四国九州に分布する[2][4]。山沿いの平地から丘陵地、山地に分布し、やや湿り気のある原野や林内の日陰地、河畔などに自生する[2][4]。特に、半日陰に多く生え[4]、湿った樹林内や岩礫地の大小の集団を作って群生することが多い[2]。森林のやや暗い沢筋などでもよく見られる[11]。庭木にもされる[5]

形態

落葉性広葉樹低木で、高さは1 - 3メートル (m) 程度になる[2][5]。幹はよく叢生し、太くはならなず、あまり木本という感じがしない[12]。茎は緑色から暗紅紫色で無毛、太くなると皮目が縦に裂けてゴツゴツした感じになり、隆起した皮目が目立つ[12]。早春に、茎頂付近に数本の新しい枝を放射状に出して葉を開く[10]。枝は稜があり、一年枝はしなやかでやわらかい[12]は柄がついて茎頂に集まって互生し、葉身は広楕円形から楕円形や長楕円形で、長さは6 - 12 cmほど[2][10]、浅い緑色で柔らかい。葉縁はとげ状の鋸歯になっており[5]、それぞれの先端が少し葉の上面に突き出す[4][10]

花期は春から初夏(5 - 6月ごろ)[2][5]雌雄異株[2]。葉の中央に1 - 3個(雌花)または3 - 8個(雄花)の淡黄色から緑色のがかたまって咲く[2][10]。花は子房下位花弁は3 - 4枚。花後、雌株の葉の中央につける豆のような果実液果で、直径4 - 5ミリメートル (mm) の球形で、夏から秋にかけて黒く熟す[4]。1枚の葉の上には1個の果実がつくのがふつうだが、しばしば2 - 3個の実を結ぶものもある[7]。果実には種子を2 - 4個含む。この液果は甘味があり食べられる。

花とは、本来は一つの枝の先端に生殖用の葉が集まったものであり、芽の出来る位置に作られる。従って通常は葉に花が付くことはない。この植物の場合、進化的には花の花柄が、葉の中央の主脈に癒着しているために、あたかも葉の中央に花がついているように見えている[6]

冬芽は円錐形や卵形で枝と同色で、芽鱗2 - 4枚に包まれている[12]。枝先の頂芽は側芽よりも大きく、側芽は小さく枝に互生する[12]。葉痕は半円形で、維管束痕が1個つく[12]

利用

落葉性の灌木でさほど大きくならないが、花や葉の面白さから庭園や庭木として植えられる[11]

枝先につく若芽は、山菜として食用になる。採取時期は関西以西が4 - 5月ごろ、中部以北が5 - 6月ごろが適期とされ、葉が開き始めた若芽のつけ根から間引くように摘み取って採取する[2][4]。軽く茹でて水にとって冷まし、おひたしごま酢味噌からしなどの和え物煮びたしとしたり、生のまま天ぷら油炒め、汁の実、佃煮にする[2][4][5]。細かく刻んで、米飯に混ぜ込んでもよい[5]。食味は、葉がやわらかくて強いアクやクセがなく、食べやすいと評されており、花がついた葉も同様に利用できる[2][4]。若芽は独特の風味があっておいしく食べられるという評価や[10]、中でも天ぷらがおいしいという評価が言われている[7]

果実は夏から秋(9 - 11月)に採取して、生食や果実酒にできる[4][5]。一方で、この果実は非常にまずくて食べられないという評価もある[10]

分類

変種として南西諸島にリュウキュウハナイカダ var. liukiuensis台湾にタイワンハナイカダvar. formosanaが分布する。同属にはH. chinensisH. himalaicaがあり、中国南部、ヒマラヤに分布する。

脚注

注釈

  1. ^ 新しい分類体系であるAPG体系ではハナイカダ科 (Helwingiaceae) であるが、古い分類体系であるクロンキスト体系新エングラー体系ではミズキ科 (Cornaceae) に分類されていた[1]

出典

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr. ハナイカダ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 高橋秀男監修 2003, p. 163.
  3. ^ 三省堂編修所 編『三省堂難読漢字辞典』三省堂、2009年6月。ISBN 978-4-385-13592-2 [要ページ番号]
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 篠原準八 2008, p. 95.
  5. ^ a b c d e f g h 金田初代 2010, p. 108.
  6. ^ a b 辻井達一 2006, p. 152.
  7. ^ a b c d 戸門秀雄 2007, p. 39.
  8. ^ 井上辰雄 監修、日本難訓難語編集委員会 編『日本難訓難語大辞典』遊子館、2007年1月。 ISBN 4-946525-74-2 [要ページ番号]
  9. ^ 戸門秀雄 2007, p. 38.
  10. ^ a b c d e f g h 吉村衞 2007, p. 79.
  11. ^ a b c 辻井達一 2006, p. 154.
  12. ^ a b c d e f 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 39.

参考文献

  • 北村四郎・村田源『原色日本植物図鑑・木本編I』保育社〈保育者の原色図鑑 49〉、1971年11月。 
  • 牧野富太郎 著、前川文夫・原寛・津山尚 編『牧野新日本植物図鑑』(2版)北隆館、1961年6月。 

関連項目


ハナイカダ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/18 12:46 UTC 版)

名詞

ハナイカダ花筏

  1. モチノキ目ハナイカダ科ハナイカダ属属す落葉低木一種学名:Helwingia japonica。別名、よめのなみだ。

「ハナイカダ」の例文・使い方・用例・文例

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