スズムシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 18:45 UTC 版)
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スズムシ | ||||||||||||||||||||||||
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![]() 左:オス、右:メス
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Homoeogryllus japonicus | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
スズムシ(鈴虫) |
形態
体長は17〜25ミリ[1]。頭部は小さく、複眼のみで単眼は退化している。翅は幅広く、瓜の種のような形をしている、羽は2枚と思われがちだが、羽化直後の成虫個体は4枚あり、その後に後脚で後翅を自ら脱落させる。羽化間もない個体は飛ぶこともあり、明かりに集まり、自動販売機の下などで鳴き声が聞かれることもある。なお、長翅型と短翅型があり、飛ぶのは長翅型のみである。飼育を重ねた販売個体は短翅型の割合が多い上、飛翔筋の発達も悪いことが多いため飛ぶことは非常に稀である。夜行性のため触角が長くなっており、触角は白い部分が多く一部は黒い[1]。
スズムシの声は古くから「鳴く虫の王」と呼ばれている[3]。雄の羽は幅が広く脈が発達しており、太い脈の一部はヤスリのようになっていて、羽を垂直に立てて細かく鳴き続ける(独り鳴き)[1][3]。
分布
かつては、秋田県五城目町が日本でのスズムシ群棲地の北限として知られ、県の天然記念物にも指定されていたが、平成の初めから鳴き声が聞こえなくなり、2020年には群棲地の指定が解除された[4]。
生態
成虫は夏に出現し、森林縁またはススキなどの多い暗い茂みの地表に生息する。自然の豊かな農村などでは、田畑の脇の草むらで大きな石やコンクリート片などをひっくり返すと、多数の個体が潜んでいる姿に出会うこともある。他の地表性の種、たとえばエンマコオロギなどに比べ脚が比較的長く、細いため、穴を掘ることはなく物陰に隠れるのみである。
基本的に夜行性であり、昼間は地表の物陰に隠れ、夜に下草の間で鳴き声を上げるが、曇りの日などは昼夜を問わず良く鳴く。雌は産卵管を土中に挿し込み産卵する。
成虫の羽化は7月下旬頃に始まり、9月いっぱいまで鳴き声が聴かれる。10月初旬にはほぼ全ての野生個体が死亡するが、飼育下ではしばしばさらに遅くまで生存する。
食性は雑食性で、野生下では草木の葉や小昆虫の死骸等を食べている。
- ^ a b c d 福井の生き物情報 スズムシ 福井県、2017年2月6日閲覧。
- ^ 【足立区生物園】スズムシ
- ^ a b 平成25年9月リポート 磐田市、2017年2月6日閲覧。
- ^ 県天然記念物「スズムシ群棲地」 鳴き声消え、指定解除へ 北限の五城目、環境失われ /秋田 | 毎日新聞
- ^ a b c d e f g h i 「虫を聴く文化」梅谷献二 農林水産・食品産業技術振興協会、2017年2月6日閲覧。
- ^ 角田忠信 (1984年6月). “言語脳と音楽脳”. 機関誌36号. 一般社団法人日本音響家協会. 2019年6月30日閲覧。
- ^ a b 柏田雄三 (2017年1月31日). “エッセイ 楽しい“虫音楽”の世界(その18 鳴く虫を愛でるのは日本人だけ?) (PDF)”. 植物防疫 第71巻 第2号. 日本植物防疫協会. 2019年6月30日閲覧。
- ^ “日本人にとって虫の音は貴族の風流な遊びだった”. ウェザーニュース (2018年10月24日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ 東京年中行事第1巻(若月紫蘭著 平凡社)
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