情けない
「情けない」とは、みじめで見るに忍びない・同情の余地がなく嘆かわしい・見るからに哀れだと感じる・期待外れで残念ということを意味する表現。
「情けない」とは・「情けない」の意味
「情けない」とは、みじめで見るに忍びない、同情の余地がなく嘆かわしい、見るからに哀れだと感じる、期待外れで残念だ、という意味の表現だ。落胆して力が抜けてしまうような、哀れな心情・様子を表す。そのほかに辞書では、思いやりがない・風情がないという意味も掲載されているが、現在ではあまり一般的に使用しない昔の意味となっている。「情けない」は、古語では「情けなし」と書いて、人としての感情・思いやり・優しさなどの「情け」が「ない」ことを意味した。2種類の意味を持ち、1つめは思いやりがない、人としての優しさを持たない、無情、薄情、すげない、不愛想でそっけないなどの意味である。2つめは、風情がない、情趣に欠ける、無風流であるという意味だ。「情けない」の類語としてよく挙げられ、混同されやすい言葉に「不甲斐ない(ふがいない)」があり、どちらもみじめである点は共通している。ただし、「情けない」が嘆かわしい・みすぼらしい・見るに忍びないなどの意味が強いのに対し、「不甲斐ない」は、意気地がない・だらしない・意志が弱いなどの意味が強い点が異なる。
「情けない」の熟語・言い回し
「情けない」の熟語・言い回しには以下のようなものがある。情けない人とは
「情けない人」とは、見た目や態度が、みじめ・哀れで見るに忍びない人や、同情の余地がなく嘆かわしい人を意味する言い回しだ。精神的に弱く自立していない人や、期待外れで残念だと感じさせる人、ちょっとしたことですぐに泣き出してしまう人に対しても使用される。見ていると不甲斐なくて悲しくなる、やりきれない気持ちになる、しっかりしろと言いたくなるような相手に対して使用する表現である。
情けない気持ちとは
「情けない気持ち」とは、みじめで悲しくなるような感情や、哀れで可哀想だと感じる気持ちを意味する言い回しだ。自分に対しても、自分以外の人や物事に対しても使用できる。自分に対しては、自分と人を比べて劣等感でいっぱいになる気持ちや、不甲斐ない自分を恥ずかしく感じる気持ちを主に表す。他人に対しては、みじめで嘆かわしいという気持ちや、哀れで見るに忍びないといった感情を主に表す言い回しだ。
情けないことにとは
「情けないことに」とは、恥ずかしいことに、嘆かわしいことに、という意味を持つ言い回しである。話題の最初に言うことで、「これから話す行いや状況について、恥ずかしいことや言いにくい内容、外聞の悪いことが含まれる」ということを、事前に知らせたり言い訳をしたりする目的で伝える表現だ。「情けないことに、以前私は借金で首が回らない時期があった」などのように使用する。
「情けない」の使い方・例文
「情けない」の使い方・例文には様々なものがある。たとえば、「悪いと思ったときに率直に謝る勇気のない自分が、情けない」、「友人にひどいことを言われたときに、その場ですぐに反論できない自分が情けなくてたまらない」、「母親にそんなひどいことを言うなんて、あなたのような冷たい娘に育てた自分が情けない」などの例文が挙げられる。自分の状況や行いに対して使用するときには、「家族に情けない姿を見せたくないから、就職が決まるまでは帰省できない」、「試験前の勉強量が足りなかったせいで、情けない成績に終わってしまった」といった使い方が可能だ。他人に対しては、「決断力がなく、いつまでも同じことを繰り返し悩んでいるなんて、情けない人だ」、「彼は上司に少し注意されただけですぐに拗ねる情けない男で、どうしようもない」といった例文のほか、人以外の生き物に対しても「雨の中の仔犬が、ずぶ濡れの情けない姿をして鳴いていたので、保護せずにはいられなかった」などの形で使用できる。また、「困っているお年寄りを無視して通り過ぎるなんて信じられないが、情けないことに最近ではよくある話だ」、「野菜の値段を見て買うのをやめてしまう貧乏な自分が恥ずかしくて、情けない気持ちでいっぱいになる」といった例文も挙げられる。
情けない
「情けない」とは、「期待はずれで残念だ」「みじめで見ていられない」「恥じ入るばかりの有様だ」といった意味で用いられる表現である。「情けない結果に終わる」「情けない男だ」といった言い回しで用いられることが多い。落胆してヘナヘナとなってしまうような心情を表現する語である。
古語における「情けなし」は、文字通り「情がない」こと、つまり「薄情だ」「思いやりがない」とか「情趣に欠く」「風情がない」といった意味で用いられた。
「不甲斐ない(ふがい-ない)」も、「情けない」と同様、「期待はずれで残念だ」「みじめで見ていられない」といった意味で用いられることがある。その意味で「情けない」と「不甲斐ない」は類語であるといえる。ただし「不甲斐ない」は「気骨・気力・根性がない」という意味合いが根本にあり、両者のニュアンスは微妙に異なる。
なさけ‐な・い【情け無い】
「情けない」の例文・使い方・用例・文例
- あんなことを知らないとは彼も情けない人だ
- 彼から金など借りるような情けないまねはしない
- そんな機関にこんな情けない若造が所属している訳が無い
- 私は今、自分自身が情けないです。
- 故郷の人に情けない姿は見せられない。
- 私はそれを情けないと感じた。
- 私は何もできない自分が情けないです。
- 私は情けない。
- 親として誠に情けない状態にありました。
- ってゆーか、こうやってぐじぐじ考えるのが情けないんじゃないのか?
- そのような時逃げるしか考えていない日本国民は情けない。
- 自分の行動を思い出すと情けないよ。
- 乾坤一擲の大勝負。情けないけどこれが見事空振りに終わったんだなあ。
- 卵もゆでられないの. 情けないね.
- 情けないほど不正確な報告.
- カンニングをしたのか. 何て情けないやつだ.
- 二世も三世も夫婦じゃと思うておるに情けない
- 残念で情けない
- 情けないと思う
- めぐみさんの母,早(さ)紀(き)江(え)さん(75)は「こんなに長い間,めぐみを助けてあげられなかったと思うと情けない。野田佳(よし)彦(ひこ)首相には,拉致被害者は自分の子どもという思いでこの問題に取り組んでほしい。」と話した。
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