Spinal muscular atrophyとは? わかりやすく解説

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エス‐エム‐エー【SMA】

読み方:えすえむえー

《spinal muscular atrophy》⇒脊髄性筋萎縮症


脊髄性筋萎縮

英訳・(英)同義/類義語:spinal muscular atrophy

脊髄神経の異常で筋収縮刺激が行われなくなり筋組織萎縮する疾患

脊髄性筋萎縮症

発症時期症状により3型分類されています。いずれも第5染色体長腕遺伝子座あります責任遺伝子としてSMN (survival motor neuron) とNAIP (neuronal apoptosis inhibitory protein)の2つ候補にあがっていますが、SMN遺伝子の方が病気とは直接関係あると考えられています。脊髄性筋萎縮症の患者さんの90%以上でSMN遺伝子エクソン7,8欠失しています。一方NAIP遺伝子重症型では変異がある比率が高いのですが、それでも40前後です。病気診断にはSMN遺伝子変異の方が信頼性が高いことになります事実SMN遺伝子ノックアウトマウスでは脊髄性筋萎縮症が起こってます。
脊髄性筋萎縮症についての詳しい記載は SMA(脊髄性筋萎縮症)家族の会 ホームページ内のSMA(脊髄性筋萎縮症)ってなに?」をご覧ください


乳児脊髄性筋萎縮症spinal muscular atrophy 1SMA1ウェルドニッヒ・ホフマン病: Werdnig-Hoffmann病
WerdnigとHoffmannという人がほとんど同時に発表してます。本来この二人論文患者さんはつぎの中間型相当してます。しかし習慣的にウェルドニッヒ・ホフマン病というと重症であるSMA1型をさすことが多いのです。
母親の1/3 は胎動弱かったいいますので、胎内での発症推定されます。生下時、あるいは乳児期早期から筋力低下筋緊張低下著明です。とくに筋緊張低下強くフロッピーインファント発達の遅れも目立ちます筋肉をさわると、筋肉はまるでマシュマロのように柔らかです。顔の筋肉しっかりしてますから表情は正常です(図40)。舌に細かいふるえ(線維束性収縮fasciculation)があります腱反射消失します。
図40:ウェルドニッヒ・ホフマン病手足筋肉軟らかく、ほとんど動きがない。
顔面筋侵されないので、泣いたり笑ったり表情は豊かである。
40ウェルドニッヒ・ホフマン病
横隔膜比較侵されず、肋間筋強く侵されます。そのために吸気時には胸郭陥没して腹部膨隆し、呼気時には逆となるシーソー呼吸奇異呼吸paradoxical breathing)がみられます。呼吸筋侵されるため、7080%は1歳までに死の転帰とります1歳位になると手の細かいふるえが認められます。
遺伝子診断可能になって、筋生検はほとんど行われません。筋病理では萎縮線維大きな群をなして存在する大群萎縮large groups of atrophic fibers)のが特徴的です。非萎縮ないし肥大線維タイプ1線維です。また筋内の末梢神経早くから髄鞘失います

中間型spinal muscular atrophy 2: SMA 2intermediate form
SMA 1比べる軽症お座りまでできます発症生後数ヶ月で、発達の遅れと筋緊張低下あります(図41)。呼吸筋侵されますが著明ではありません。進行は人によって異なります中には進行停止していて、成人まで症状があまり変わらない人もいます。
図41:脊髄性筋萎縮症中間型脊髄性筋萎縮症は筋緊張低下著明であって、それは中間型でも例外ではない。
踵が耳についたり、写真のように身体がやわらかい(二つ折現象:double foldingという)。
41:脊髄性筋萎縮症中間型
筋生検では、大群萎縮あります程度軽いです。また脱神経後の神経支配の像である筋線維タイプ群化(fiber type grouping)がみられます。

クーゲルベルグ・ベランダー病spinal muscular atrophy 3: SMA 3、Kugelberg-Welander disease
発症時期小児期から思春期までと幅があります近位優位筋力低下あります歩行は可能です。肢帯型筋ジストロフィーとよく似ていますが、筋緊張低下してます。病気進行は人によっていろいろです。
血清CK値は正常か軽度上昇です。筋電図神経原性の所見みられることが診断的です。

脊髄性筋萎縮症

(Spinal muscular atrophy から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 15:54 UTC 版)

脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう、spinal muscular atrophy:SMA)とは、脊髄の前角細胞と脳幹の運動ニューロンの変性による筋萎縮と進行性の筋力低下を特徴とする常染色体劣性遺伝の形式の遺伝子疾患である。小児期、特に乳幼児発症のSMAの多くはSMN(survival motor neuron)遺伝子の変異を示すSMAであり、成人発症例や国際SMA協会報告の除外項目を含む場合はSMN遺伝子以外が原因であることが多い。運動ニューロン病のひとつである。


  1. ^ J Med Genet. 1973 Sep;10(3):260-5. PMID 4774536
  2. ^ Eur J Hum Genet. 2012 Jan;20(1):27-32. PMID 21811307
  3. ^ a b “全身の筋力が低下する難病「脊髄性筋萎縮症」治療薬を初承認”. ヨミドクター (読売新聞). (2017年7月4日). https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170704-OYTET50005/ 2017年7月5日閲覧。 
  4. ^ Brain Dev. 2014 Nov;36(10):914-20. PMID 24359787
  5. ^ なかでも非侵襲型人工呼吸器(NIPPV)は有効と考えられるが乳児対応が困難である
  6. ^ Genes Dev. 2010 Aug 1;24(15):1634-44. PMID 20624852
  7. ^ J Med Chem. 2016 Nov 23;59(22):10067-10083. PMID 27490705


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