UBE1遺伝子のミスセンス変異とXL-SMA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 05:26 UTC 版)
「ユビキチン活性化酵素」の記事における「UBE1遺伝子のミスセンス変異とXL-SMA」の解説
ユビキチン-プロテアソーム経路が関係するさまざまな疾患の中に、X-linked infantile spinal muscular atrophy(XL-SMA、X連鎖型の乳幼児期の脊髄性筋萎縮症)がある。この致命的な小児疾患は、前角細胞の喪失と乳幼児期の死亡と関係している。臨床的な特徴には、低血圧、反射消失、先天性多発性拘縮がある。大規模な変異解析によってXL-SMAの6家族のスクリーニングが行われ、2家族で新規ミスセンス変異、3家族で新規のC->T同義置換がみられた。これらはすべて、ユビキチン活性化酵素をコードするUBE1遺伝子のエクソン15に位置しており、家族内で疾患と共にsegregationしていることが観察された。簡潔に言うと、UBE1のミスセンス変異は、軸索構造と神経細胞の維持に関与するタンパク質ギガキソニン(英語版)との複合体形成の阻害をもたらす可能性がある。それによって微小管結合タンパク質MAP1B(英語版)の分解が阻害されて蓄積し、神経細胞死の増加がもたらされる。そのため、UBE1遺伝子の変異はXL-SMAの遺伝的原因であることが疑われる。
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