Puy de Dômeとは? わかりやすく解説

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ピュイ・ド・ドーム

(Puy de Dôme から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/30 19:55 UTC 版)

ピュイ・ド・ドーム
Puy de Dôme
南南西から
標高 1,464 m
所在地 フランス
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏
ピュイ=ド=ドーム県
位置 北緯45度46分21秒 東経2度57分53秒 / 北緯45.77250度 東経2.96472度 / 45.77250; 2.96472座標: 北緯45度46分21秒 東経2度57分53秒 / 北緯45.77250度 東経2.96472度 / 45.77250; 2.96472
山系 中央高地
種類 溶岩ドーム[1]
最新噴火 1万1000年前[1]
ピュイ・ド・ドーム (フランス)
ピュイ・ド・ドーム (フランス南西部)
プロジェクト 山
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ピュイ・ド・ドームフランス語: Puy de Dôme)とは、フランスピュイ=ド=ドーム県にある標高1,464mの火山

南北に連なるシェヌ・デ・ピュイ火山群英語版の最高峰で、の名称はこの山に因む。県庁所在地のクレルモン=フェランの市街地から西へ9kmほどの距離にある。「ピュイ」とは、オーヴェルニュ地方で使われる、火山に付けられたローカルな固有名詞に近い言葉で、円錐形の小さな火山を意味する[2]

シェヌ・デ・ピュイ火山群では大西洋から吹く湿った大気が阻まれて多量の雨をもたらす。雨は透水性の高い火山噴出物の中に染みこみ、地下水となってふたたび麓に湧き出す[1]。これを利用したのが、日本でも広く販売されているミネラルウォーターボルヴィック』である。かつてはペットボトルのラベルにピュイ・ド・ドームの姿が描かれていた[3]

形成

シェヌ・デ・ピュイ火山群は単成火山群で、ピュイ・ド・ドームはこれを構成する溶岩ドームであり、およそ1万1000年前に噴火してできたものである[1]。麓の平坦面からの比高は450mほど[1]。山体は西側がやや急斜面であることや、山頂が三角形であることから、一度つくられた溶岩ドームの東側が大崩壊し、その後、新たな溶岩ドームが埋めて現在の姿となったと考えられている[1]

歴史

1648年、トリチェリの真空実験(トリチェリの真空)を耳にしたパスカルが義兄ペリエに頼み、ピュイ・ド・ドームにて水銀柱を使って真空と大気圧の関係を証明した(ピュイ・ド・ドームの実験)[4][5]。この業績により、後に圧力応力の単位がパスカルと名づけられた。

1872年、ローマ時代の神殿跡(Temple de Mercure)が、山頂で気象台の建設中に発見され保存されている。

1956年、放送事業者であるTDFの高さ73mに及ぶ電波塔が建設された。

観光

ピュイ・ド・ドームには展望を求めて多くの観光客が訪れる。2012年5月にはラック式パノラミック・デ・ドーム鉄道フランス語版が開業。東麓から時計回りに高度を上げて山頂まで達している。登山道を使って登頂することもできる。また、山体の形状や植生、アクセスの良さからスカイスポーツの場としても利用されている。

その他

クレルモン=フェランの街の中心にある巨大な大聖堂は、シェヌ・デ・ピュイ火山群の溶岩から切り出された石材を利用して建造されたため、街並と異なった黒色をしている[1]

ギャラリー

脚注・出典

  1. ^ a b c d e f g 出典: 静岡大学教育学部総合科学教室 小山真人研究室 『ヨーロッパ火山紀行 第4章フランス』、2013年1月閲覧
  2. ^ 出典: 火山と文化 - 京都大学大学院 人間・環境学研究科教授 鎌田浩毅、2013年1月閲覧
  3. ^ 出典: キリンビバレッジ 『ニュースリリース ブランドへの理解促進を高める、新しい3種類のラベルで新登場!』、2003年1月15日発表、2013年1月閲覧
  4. ^ 出典: 『ピュイ・ド・ドームの実験』 - kotobank、2013年1月閲覧
  5. ^ 出典: 新興出版社啓林館『教科学習情報理科 科学の歩みところどころ 第1回 大気圧の発見からボイルの法則へ』 大阪教育大学教授 森一夫 枚方市立桜丘北小学校 児島昌雄、2013年1月閲覧

外部リンク


ピュイ=ド=ドーム県

(Puy de Dôme から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 08:45 UTC 版)

ピュイ=ド=ドーム県
Puy-de-Dôme
ピュイ=ド=ドーム県章
位置
概要
県番号 63
地域圏 オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ
県庁所在地 クレルモン=フェラン
郡庁所在地 アンベール
イソワール
リオン
ティエール
5
小郡 61
コミューン 470
県議会議長 ジャン=イヴ・グットベル
統計
人口
国内位
  (2011年)
635,469人
人口密度 80人/km2
面積¹ 7,970 km2
¹ 「French Land Register data」(1平方キロ以上の湖沼、エスチュアリー、氷河などの水面積除く。
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ピュイ=ド=ドーム県(ピュイ=ド=ドームけん、: Puy-de-Dômeフランス語発音: [pɥi də dom]オクシタン語のオーヴェルニャ方言では lo Puèi de Doma もしくは lo Puèi Domat という)は、フランス中部の県。オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏に属する。県名は、有名なドーム型火山であるピュイ・ド・ドームに由来する。

県民は2005年12月までピュイドモワ (Puydomois) と呼ばれたが、2006年春から県議会は表記をピュイドモワ (Puydômois) に切り替えた。これ以来、すべての公文書や出版物でこの表記が採られている。

歴史

フランス革命期の1790年3月4日に設置された83県のひとつである。それまではオーヴェルニュ州であった。当初はモン=ドール(金の山)と呼ばれたが、国税当局から過度の注意を引くおそれがあったため、地元の代議員ジャン=フランソワ・ゴールティエ・ド・ビオーザの介入によりピュイ=ド=ドームに改称された。

県一帯は、フランスの給水塔と呼ばれるほど豊富な降水量で知られ、ダノン傘下のミネラルウオーターボルヴィック」のボトリング工場も稼働してきた。しかし2023年5月に水源からの取水量が急減。そのため県内の31地区を対象に屋外での上水道使用を制限したほか、プールの貯水を禁止した[1]

地理

かつてのオーヴェルニュ州を現在の県で色分けした図

現在はオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏に所属し、ロワール県オート=ロワール県カンタル県コレーズ県アリエ県クルーズ県と隣接する。中央高地に位置し、80箇所以上の火口を持つことを誇りとしている。オートルートのA71号とA72号でパリから3時間、リヨンから1時間かかる。地中海方面へはA75号が延びる。リヴラドワ=フォレ地域自然公園がある。

経済

県都のクレルモン=フェランは、ミシュランの企業城下町としてよく知られている。ティエールは14世紀から刃物の伝統が続く、オーヴェルニュで最も古い工業の町である。

地方は観光業に向いている。ピュイ・ド・ドームは都市部に住む人々の休日の行楽地として人気がある。1999年国勢調査によると、県内の住宅の11.7%は別荘として使われている。

人口統計

人口の増減
1801年 1831年 1841年 1851年 1856年 1861年 1866年
507.128 573.106 591.458 596.897 590.062 576.409 571.690
1872年 1876年 1881年 1886年 1891年 1896年 1901年
566.463 570.207 566.064 570.964 564.266 555.078 544.194
1906年 1911年 1921年 1926年 1931年 1936年 1946年
535.419 525.916 490.560 515.399 500.590 486.130 478.130
1954年 1962年 1968年 1975年 1982年 1990年 1999年
481.380 508.928 547.743 580.033 594.365 598.213 604.266
2006年 2007年
623.461 626.632

参照元:SPLAF[2]2006年度INSEE[3]2007年度[4]

ギャラリー

脚注

出典

  1. ^ 名水の地、資源枯渇の危機 フランス”. AFP (2023年7月2日). 2023年7月2日閲覧。
  2. ^ "splaf"
  3. ^ "Recensement de la population au 1er janvier 2006". Insee. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  4. ^ "Évolution et structure de la population du département (de 1968 à 2007)". Insee. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)

外部リンク


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