ディーディーアールツー‐エスディーラム【DDR2 SDRAM】
DDR2 SDRAM
読み方:ディーディーアールツーエスディーラム
別名:DDR2
DDR2 SDRAMとは、SDRAM規格のメモリのうち、DDR SDRAMに比べてより高速に動作することが可能なメモリのことである。単にDDR2と呼ばれることもある。
DDR2 SDRAMでは、クロック周波数(ベースクロック)がDDR SDRAMよりも高くなっており、DDRが1度に2ビット分のデータにアクセスするのに対して、DDR2では4ビット分のデータにアクセスすることが可能となっている。高速化と同時に消費電力の低減も実現されている。DDR SDRAMとDDR2 SDRAMとは、形状が異なるため互換性は保っていない。
DDR2 SDRAMの製品は2004年から登場している。なお、2007年頃からはより高速化されたDDR3 SDRAMと呼ばれる後継規格も登場している。
※画像提供 / エルピーダメモリ株式会社
DDR2 SDRAM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/16 00:03 UTC 版)
Type of RAM | |
![]() Front and back of a 2GB PC2-5300 DDR2 RAM module for desktop PCs (DIMM) | |
開発元 |
Samsung JEDEC |
---|---|
タイプ | SDRAM |
世代 | 2nd generation |
発売日 | 2003年 |
規格 |
|
クロックレート | 100–266 MHz |
サイクルタイム | 10–3.75 ns |
バスクロック レート | 200–533 MHz |
転送速度 | 400–1066 MT/s |
電圧 | 1.8 V |
前世代 | DDR SDRAM |
次世代 | DDR3 SDRAM |


DDR2 SDRAM (Double-Data-Rate2 Synchronous Dynamic Random Access Memory) は、半導体集積回路で構成されるDRAMの規格の一種である。
4ビットのプリフェッチ機能(CPUがデータを必要とする前にメモリから先読みして取り出す機能)をもつ。内部クロックの2倍の外部クロックを用いるため、クロックの等倍で動作するDDR SDRAMの2倍、SDRAMの4倍のデータ転送速度が理論上得られる。パーソナルコンピュータにおいて2005年〜2009年頃(Pentium 4後期〜Intel Core 2)の主要なメインメモリとして、携帯電話においては2011年から(Cortex-A9など)用いられている。
仕様
DDR2 SDRAMにはメモリチップとメモリモジュールの2つの規格が存在し、メモリチップ規格は最大動作周波数、モジュール規格は搭載メモリチップの(すなわちメモリモジュールとしての)転送速度を示している。以下、バス幅64ビットの場合の表。パソコンで使われるDDR2はシングルチャンネルは64ビットをさすが、携帯電話などで使われるLPDDR2はバス幅32ビットがシングルチャネルを指すことに注意。
チップ規格 | モジュール 規格 |
メモリクロック (MHz) |
バスクロック (MHz) |
転送速度 (GB/秒) |
---|---|---|---|---|
DDR2-400 | PC2-3200 | 100 | 200 | 3.200 |
DDR2-533 | PC2-4200 | 133 | 266 | 4.267 |
DDR2-667 | PC2-5300 | 166 | 333 | 5.333 |
DDR2-800 | PC2-6400 | 200 | 400 | 6.400 |
DDR2-900 | PC2-7200 | 225 | 450 | 7.200 |
DDR2-1000 | PC2-8000 | 250 | 500 | 8.000 |
DDR2-1066 | PC2-8500 | 266 | 533 | 8.533 |
DDR2-1150 | PC2-9200 | 287 | 575 | 9.200 |
DDR2-1200 | PC2-9600 | 300 | 600 | 9.600 |
DDR2-1333 | PC2-10664 | 333 | 666 | 10.6 |
チップ「DDR2-800」モジュール「PC2-6400」以降(数字が大きいものほど新しい)は、チップ規格の「DDR2-1066」を除きJEDECで規格制定されていない独自仕様である。
低電圧版
通常の DDR2 は 1.8V 駆動。
- LV-DDR2 (DDR2L) - 1.5V
- LPDDR2 - 1.2V
モジュール


モジュールの動作電源電圧は、用いるメモリチップのリーク電流が減少したことが可能にした(従前規格であるDDR SDRAMの2.5V/2.6Vに比してより低い)1.8Vであり、これの副次効果として高いスルー・レートと消費電力の低減、それによる発熱の減少が得られた。動作電源電圧の差異からDDR SDRAMモジュールとの互換性はない。
日本における市場動向
パーソナルコンピュータ用途のものは、2004年から出回り始め、2006年以降、市場で主流のメモリモジュール規格となった。Pentium 4後期からCore 2あたりまで使われていた。Core 2 の FSB は最高でも 1600MHz (12.8GB/s) だったため、DDR2-800 をデュアルチャンネル構成で用いる(12.8GB/s)ことで十分であった。2009年では容量あたりの販売価格が非常に安いメモリであったが、後継の規格として一層の高速動作・消費電力低減を実現したDDR3 SDRAMが2007年から市場に出回り始め、2010年には自作パソコン向けマザーボードの新作ラインアップはほぼ完全にDDR3 SDRAMに移行した。
関連項目
DDR2 SDRAM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 03:53 UTC 版)
「Dynamic Random Access Memory」の記事における「DDR2 SDRAM」の解説
詳細は「DDR2 SDRAM」を参照 DDRでの外部同期クロックを2倍に高めそれぞれの立ち上がりと立ち下り時にデータ入出力を確定するのでSDRに比べて4倍のデータ転送速度となる。"Posted CAS"機能が加わり、DDRまでは複数のリード、またはライトが連続するアクセス時にRAS信号からCAS信号までのサイクル間隔時間(tRCD)によってコマンド競合による待ち時間が生じていたが、DDR2からはRAS信号の後でtRCDの経過を待たずにCAS信号を受付け、メモリチップ内部で留め置かれて"Additive Latency"の経過後ただちに内部的にCAS信号が処理されるようになった。また、ODT(One Die Termination)とOCD(Off Chip Driver)が実装されることで終端抵抗をメモリチップ内部に持たせて、ドライバ駆動能力も調整可能として信号反射の低減など信号を最適化するように工夫が加えられた。DDR2用以降のメモリ・コントローラ側では起動時などにキャリブレーションを行うことで、メモリ素子とコントローラ間の配線のバラツキに起因するスキュー、つまり信号到着時間のズレを読み取り、信号線ごとのタイミングと駆動能力の調整を行うものがある。。 動作周波数は400MHz、533MHz、667MHz、800MHz、1066MHzの5種類があり、単体での半導体パッケージの容量では128Mビットから2Gビットまでの2倍刻みで5種類がある。電源電圧は1.8V。240ピンDIMM。
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