DDR SDRAMへの対応と拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 20:15 UTC 版)
「Intel 845」の記事における「DDR SDRAMへの対応と拡張」の解説
Intel 845は、低速なSDRAMにしか対応しない点が問題として発表直後から指摘されていた。デュアルチャンネルPC800使用時のIntel 850のメモリ帯域3.2GB/sに対し、Intel 845のPC133の帯域はわずか1.06GB/sに過ぎなかった。インテル自身もIntel 845はIntel 850と比して数%~十数%の性能低下があるとし、Intel 845はあくまでローエンドでありメインストリームクラス以上はIntel 850とRDRAMの組合せを推奨する姿勢をとっていた。 しかしRDRAMの価格は相変わらず割高であり、Intel 850の不振により大幅な価格低下も期待できない状況が続いていた。この状況下で注目されたのが、DDR SDRAMである。DDR SDRAMはインテルとの対立路線をとっていたAMDおよびVIA Technologies (VIA) が中心となってPC用次世代メモリとして推進していた規格であり、RDRAMを推進していたインテルにとっては競合規格と言うべき存在であった。 しかしDDR SDRAMはIntel 850のデュアルチャンネルRDRAMほどの速度は無いもののSDRAMの倍以上も高速であり、しかもAMD向けプラットフォームで成功を収めておりRDRAMより安価であった。このため、市場ではPentium 4用のDDR SDRAM対応チップセットの登場が望まれていた。 RDRAMを推進するインテルはDDR SDRAMへの対応に慎重な姿勢を示していたが、2001年8月にVIAがPC2100 (DDR266) に対応したPentium 4用チップセットP4X266を発表した。このP4X266の発売をきっかけとして、インテルとVIAは曖昧だったバスライセンスの解釈を巡る訴訟合戦に突入する。結果としてP4X266自体は普及には至らなかったものの、Pentium 4とDDR SDRAMの組合せの優秀性を証明した。このため、市場ではインテルによるDDR SDRAM対応がさらに強く望まれるようになった。 結局、インテルは2001年11月にPC2100 (DDR266) のDDR SDRAMに対応したIntel 845 (B-Stepping) を発表し初のDDR SDRAM対応に踏み切った。続けて2002年5月にはFSB 533MHzやメーカーからの需要の強い内蔵グラフィックスなどへの対応を行ったIntel 845E/G/GLを発表した。これらは同時に発表されたSocket 478対応版のCeleronと相まって非常な好評となり、Intel 845ファミリーはPentium 4プラットフォーム用チップセットの主力としての地位を確立した。
※この「DDR SDRAMへの対応と拡張」の解説は、「Intel 845」の解説の一部です。
「DDR SDRAMへの対応と拡張」を含む「Intel 845」の記事については、「Intel 845」の概要を参照ください。
- DDR SDRAMへの対応と拡張のページへのリンク