クロラール
クロラール
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 14:17 UTC 版)
| クロラール | |
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トリクロロエタナール |
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| 識別情報 | |
| CAS登録番号 | 75-87-6 |
| KEGG | C14866 |
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| 特性 | |
| 化学式 | C2HCl3O |
| モル質量 | 147.387 g/mol |
| 示性式 | CCl3CHO |
| 密度 | 1.512 g/cm3 at 20 °C |
| 融点 | −57.5 °C |
| 沸点 | 97.8 °C |
| 水への溶解度 | 抱水クロラールを形成 |
| エタノールへの溶解度 | 混和性 |
| ジエチルエーテルへの溶解度 | 混和性 |
| クロロホルムへの溶解度 | 混和性 |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | |
クロラール (Chloral) は、有機化合物で、有機ハロゲン化物、アルデヒドの一種。IUPAC命名法ではトリクロロエタナール (trichloroethanal) と表される。トリクロロアセトアルデヒドとも呼ばれる。沸点 97.5 ℃ の無色の刺激臭のある油状液体で、水、エタノールに易溶。 電気陰性度の高い塩素原子が 3つ、クロラールのカルボニル基のα位に位置し、カルボニル炭素への求核的付加反応が有利となっている。
クロラールを水に溶解すると速やかに付加反応が起こり、抱水クロラール (CCl3CH(OH)2) に変わる。エタノールに溶解するとヘミアセタールであるトリクロロエチルアルコラートを生じる。そのため、通常、鎖状化合物ではアルデヒドに比べ不利な構造であるアセタールやヘミアセタールがクロラールでは安定に存在する。このような性質を持つためクロラールの単体を得ることは比較的困難である。 アルカリと反応してクロロホルムとギ酸に分解する。また、硫酸を触媒として重合し 3量体の白色固体を生成する。
クロラールには、抱水クロラールと同様に沈静、催眠、抗痙攣作用があるが、その目的で使用されることは無い。服用すると水分、胃酸などにより容易に分解するためである。またクロラール自体の刺激性も強いためである。
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