カリーナ
ギリシャ神話のなかで、雄々しく華麗に描かれている巨船アルゴーの船首に飾られた竜骨にちなんで名付けた星座、竜骨座のこと。この竜骨座のアルファ星カノープスは、シリウスに次ぐ宇宙第2の輝星で、アポロ11号の軌道修正の目印にも使われた。1970年12月、初登場。
初代はセリカと同時発表。メカニズムはセリカと共用だったが、サスペンションにスペシャルチューニングを施し、足のいいやつという宣伝フレーズでその魅力を誇示した。初代モデル・初期モデルのバリエーションはエンジンが1.4Lと1.6Lが2タイプで、ボディは2ドア、4ドアセダン。1600シリーズは5速MTを標準装備した。2ドア1600スーパーデラックスの価格が64万4000円。71年4月、ホットな1600GT追加(81万8000円)。72年12月にはセダンより45mmも車高を下げたハードトップボディをリリースした。74年1月にEFI付きの2Lエンジン搭載車設定。
77年8月に最初のモデルチェンジ。セリカと同じタイミングだった。2ドア、4ドアセダンと2ドアハードトップがあった。エンジンは1.6L、1.8L、2Lの3種。全長、全幅が大きくなった。全車にハイレベルヒーター、デラックス以上にヒーターリヤダクトを採用。HTにはアストロ・ベンチレーションを導入して、車室内の通風、換気効率が向上した。
3代目はセリカより2か月遅れの81年9月に登場、セリカとの共用から独立したモデルに発展した。ボディも4ドア・セダンと、2ドア・セダン、ハードトップを統合した3ドアハッチバッククーペの2タイプになった。エンジンはレーザーシリーズの1.5Lと1.8Lが加わって5タイプに増えた。この時、リヤサスペンションに初めてセミトレーリングアーム/コイルの独立懸架方式を採用。ステアリングもラック&ピニオンに変わった。
82年2月、4ドア+テールゲートのワゴン(サーブ)が誕生した。1.8Lエンジン搭載。リヤシートは分割可倒式だった。5月、回転数感応式パワーステアリング、シート上下アジャスターとランバーサポート、リモコンドアミラーなどを標準装備したモデル設定。6月、1500SGジュン追加。9月、1.8Lエンジンに内製ターボチャージャーを装着したモデルが出た。4気筒SOHCの3T-EUをDOHCに改造したエンジンで、さらに2プラグ点火方式、二段配電ディストリビューターノックコントロールシステムなどの技術も投入していた。
83年5月、フロントグリルとテールランプのデザインを変更した。ドアミラーを採用。新しく1.6L・DOHCエンジン搭載の1600GTを設定。
84年5月に、初のFF4ドアセダンがデビュー。機構的にはビスタ、カムリから派生したコロナFFの流れをくんでいた。ガソリンの1.5L、1.6L、1.8Lと2Lディーゼルという4種のエンジンを設定。FWDモデルは一部変更で継続販売。85年8月にはピラーレス4ドアハードトップスタイルのED(エキサイテング・ドレッシーの略)が登場、こちらは89年9月にフルモデルチェンジを受け、その地位を確立した。
一方、セダンとサーブは88年5月に5代目へ移行。コロナと共通のシャシーになったが、寸法的にはわずかに短いボディを架装していた。エンジン・バリエーションは5種。サスペンションもコロナと同じ仕様だった。車種はFFに統一。8月、セダンにフルタイム4WD車を設定。90年5月、4ドアセダンとワゴンのフロントグリルとリヤデザインを変更した。SRSエアバッグ、リヤ3点式シートベルト。コーナリングランプなどを標準装備。ワゴンに2Lディーゼルエンジンを追加。
6代目は92年8月に世に出た。ノッチバックの4ドアセダンだけの設定で、さわやかさをうたった1.6Lの希薄燃焼リーンバーンエンジンを新採用、環境対応モデルといわれた。ハイメカツインカム仕様もあった。
最終モデルは96年8月に衣替えしたあと、98年8月にマイナーチェンジを実施。7代目のエンジンは当初、DOHC版1.5L、1.8L、2.0L、2.0Lのディーゼルターボ、それにGT用のスポーツツインカム20バルブの1.6Lがあった。駆動方式はFFとフルタイム4WD。走りを意識した、久々復活の1600GTは前後のスポイラー、サイドマットガードで武装、専用のスポーツシートを付けていた。このモデルは、マイナーチェンジのときにミッションが5速MTから6速MTに進化。ディーゼルエンジンも2.2Lに変わった。しかし、2001年12月末をもって長い歴史に終止符を打った。
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