独立懸架方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:30 UTC 版)
独立懸架とはIndependent Suspentionの和訳で、左右の車輪が独立して動作するサスペンション形式である。固定車軸方式に比べ、車軸を持たない事でばね下重量が軽い為に乗り心地や路面追従性に優れ、また車軸の揺動空間が不要な為にフレームや車室の床を低くすることができる。特に駆動輪に用いる場合にはデファレンシャルやドライブシャフトが車軸に加わるために上記の長所がより顕著になり、さらにデファレンシャルがエンジンの直下に配置される車種ではエンジン搭載位置も低くすることができる。またリンク機構を用いているために、ストローク時のジオメトリーを操縦安定性が向上するように設計することが可能である。一方で、部品点数が多く、製造コストや整備コストが高くなりやすい。またサスペンションアームの寸法の制約により、ストロークが短くなる傾向にある。さらに駆動輪に用いる場合、ばね上の車体に取り付ける事になるデファレンシャルの振動・騒音が車室内に伝わりやすくなる。 スポーツカーやレーシングカーに留まらず、現在では、一般的な乗用車や中型以下の貨物車のほか、観光バス・高速バスなど一部の中・大型バスでもフロントサスペンションに独立懸架が採用されている。乗用車では、FF、FRとも上級車や高級車はリア・サスペンションにも独立懸架が多く用いられ、後輪固定車軸車との差別化のため、インディペンデント・リア・サスペンション (Independent Rear Suspention:後輪独立懸架) の頭文字をとった「IRS」を商標に取り入れたりカタログで強調していた時期もあった。 独立懸架方式を細分化すると次のような方式に分けられる。 一軸スイングアーム式スイングアクスル式サスペンション リーディングアーム式サスペンション トレーリングアーム式サスペンション セミトレーリングアーム式サスペンション 二軸スイングアーム式ダブルウィッシュボーン式サスペンション ダブルトレーリングアーム式サスペンション マルチリンク式サスペンション ストラット式サスペンション
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