スライディングピラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:59 UTC 版)
初期の前輪用独立懸架方式の一つ。その名の通り強固に支持された垂直の柱(ピラー)に、上下に長いキングピンを填め、ピラーを軸に車輪と共にステア可能としつつ、スプリング支持でピラーに沿った上下へのストロークをも可能とする。1898年のドコーヴィル・オートモビル(英語版)で既に原型が見られ、1908年のシゼール・ノーダン(英語版)のようなリーフスプリング支持型もあったが、より広く用いられたのは1909年からのモーガンに代表される小型サイクルカーと、ランチア車(1924年の「ラムダ」以降1960年代初頭までのモデル)での、ピラーにコイルスプリングを内蔵したタイプである。操縦性は優れるが、スライディングピラーまわりに強固な支持構造を要し、前輪独立懸架の普及期にはより簡易な他方式も生じていたことから一般化はしなかった。モーガンなどを例外として既に廃れている。
※この「スライディングピラー」の解説は、「独立懸架」の解説の一部です。
「スライディングピラー」を含む「独立懸架」の記事については、「独立懸架」の概要を参照ください。
- スライディングピラーのページへのリンク